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51.悪い魔獣さんが現れた?

「どうしたのぉ?」


 一斉に鳴き始めた魔獣さん達。1番大きなシマウと、クタさんは鳴いていないけど、他の魔獣さん達よりも怖い顔をしています。


『ヒヒヒィッ!!』


『『『ヒヒィッ!!』』』


 でもすぐにみんなの方を見た1番大きいシマウ。位置につけ!! って叫んで、そうしたら他のシマウ達が、はいっ!! って言って柵に沿って並んだんだ。みんなちゃんと同じ距離を開けて並んだんだよ。


 本当にみんなどうしたんだろう? 僕はもう1回聞いてみました。


「どうしたのぉ?」


「坊っちゃま、少々お待ちくださいね。リア。リアは坊っちゃまのポケットに入っていなさい。今は顔を出していても良いですが、私が中に入れと言ったら、全部をポケットに」


『ピピッ!!』


 分かった!! って言って、リアが僕の頭から降りて、僕の洋服のポケットに入って来たよ。それからブルーノおじいちゃんは、僕にその場から動かないようにって言った後。クタさんと1番大きなシマウと3人で、何かコソコソお話しを始めました。


 僕はお話しを聞きたかったけど、でも動かないお約束だから、そん場で止まったんま。他の鳴いている魔獣さん達が、なんて言って鳴いているのか聞いてみます。そうしたら、何かが来たとか、なんでここに居るんだとか。


 後はみんなそれぞれ避難しろ、小さい子達を小屋の奥へ!! 出てきて良いって言うまで出てくるな。

 シマウ達みたいに位置についたのかな? 決められている通り、自分の守る位置につけ!! いつでも動けるようにしておけ!! 合図をしたら一斉に攻撃しろ。色々な事を言っていました。


「ねぇ、リア。みんなどうしたの?」


『ピピピ、ピピ、ピピピッ』


「こわいのがきた? でもほんとはいない?」


『ピピピ。ピピピ、ピピ、ピピピ』


「リアもはじめて? だからほんものかわからないの?」


『ピピッ! ピピピ、ピピ。ピピピ、ピピ』


『そか、わからないんだね。それでちいさいこはみんなひなんして、ほかのまじゅうさんたちは、いつでもこげき?』


『ピピッ!!』


 なんかねぇ、山の方に魔獣さんが現れたんだって。でも気づいたのは力の強い魔獣さん達で。だからその魔獣さんが、他の魔獣さんに、山の方に魔獣が現れたってお知らせしたんだ。それでみんな分かったってお返事をして。


 それから森に現れた魔獣さんは、とってもお強い、それからこわ~い魔獣さんみたいなんだ。だから魔獣さん達は、子魔獣さん達や、あんまり戦えない魔獣さん達に、小屋に避難して隠れていろって。

 他の戦える魔獣さん達は、いつでもその魔獣さんと戦えるように。シマウ達みたいに、自分達が攻撃する場所へ移動したんだよ。


「こわいまじゅうさん、なんていうまじゅうさんかなぁ。こっちにくるかなぁ」


『ピピピ、ピピ。ピピ、ピピピ』


「うん、あぶないもんね」


 僕達の方へ飛んでくるかは分からないけど、でも今はこっちに飛んで来ているんだって。だから注意しておいた方が良いって。


 怖い魔獣さん、僕絵本で見たかなぁ? 僕ね、怖い魔獣さんがいっぱい書いてある絵本を持ってるの。

 パパとママが、僕がお大きくなって戦えるようになるまでは、絶対に逃げなくちゃダメな魔獣さんって言ってたんだよ。だからその絵本に、今飛んで来ている魔獣さんは書いてあるかな? って。


「おなまえ、わかるかななぁ?」


『ピピピ、ピピ』


 みんないっぺんにお話しだから、魔獣の名前が分からないねって。ねぇ、みんなが話すから、声が混ざっちゃって分からないんだ。


 僕とリアはその場に座って、ブルーノおじいちゃん達の話しが終わるのを待ちます。その間も魔獣園の中は大騒ぎ。


『グギャアァァァ!!』


『グワアァァァ!!』


 あっ、今の声はグーちゃんとグリちゃんだ!! グーちゃんは今、みんな位置に着いたか!! って言って。グリちゃんは、後ろの方も大丈夫か!! って言ったんだよ。


 そうしたら、今まで騒いでいて、何て言っているかあんまり分かんなかった魔獣さん達が、一斉にお返事して、魔獣園の中が静かになりました。


「しずかねぇ」


『ピピピ』


 うん静か、って言ったリア。みんなが静かになったら、ブルーノおじいちゃんとクタさん、1番大きなシマウが戻ってきました。


「皆準備ができたようだな。さて、坊っちゃまをどこへお連れするか。1番近い安全な避難場所と言っても、奴らがどこへ飛んで来るか分からないからな。しかし動かないわけにもいくまい」


『ヒヒヒィ、ヒヒヒィ、ヒヒィ』


「そう言っていたのか? あまりにも色々聞こえていて、聞き逃したな」


『ガウアァ、ガアウア、ガウニャア』


「確かにここならば、攻撃が届くからな」


 あのね僕は、怖い魔獣さんが街へ来ちゃったら。お家の中や魔獣園に、たくさん隠れる場所があるから、そこに隠れなさいって、パパとママに教えてもらったんだ。

 ちゃんと誰か大人の人と一緒にだよ。どうしても周りに誰もいなかったら、1人で隠れるの。


 だからブルーノおじいちゃんは、どこに隠れるか考えていたんだけど。今1番大きなシマウが、ここに居た方が良いって言ったんだよ。

 その方がもし怖い魔獣さんが来た時に、みんなで攻撃ができて、すぐに倒せるから安全だって。それにグーちゃん達にもそう言われたみたい。


 クタさんも、ここの方がグーちゃん達の攻撃がしっかり届くから、その方が良いって。シマウ達の小屋の中にいたら良いんじゃないか、って言ったんだ。


「そうするか。確かにどこに来るか分からない者に対して、どこが安全とは言えないからな。お前達の攻撃や、グー達の攻撃が届くここに居た方が安全かもしれん。では坊っちゃま、シマウの小屋へ……」


『ヒヒヒィ!?』


『ガウアウ!?』


 今のは、何だ!? どうした!? って。それから、動きがおかしい!? って。今度はそうしたの? 何かあったの? もう! 早くお兄ちゃんモルー達を探さなくちゃいけないのに。どうして悪い魔獣さんはお邪魔するの!!


『ヒヒヒィ!?』


『ガウアウ!?』


 え? 速くなった? もう攻撃してきた? 

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