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40.モルーお兄ちゃん達の目撃情報と臭い泥だらけ

「ほんちょに、ほんちょに、そういっちゃ!?」


「坊っちゃま、落ち着いてください。話しを進めなくてはいけませんから。本当にそう言ったのか?」


『ガアウゥゥゥ!!』


 あのね芋虫さんが、魔獣さん達の名前? を聞いたみたい。ほとんどは、『なぁ』とか『ねぇねぇ』とかで、話しかけていたみたいなんだけど。でもその中に1番のお兄ちゃんとか、お兄ちゃん、ちーちゃんって呼ぶ時があったって言ったんだよ。


 お兄ちゃんとちーちゃん!! きっと僕とお仲良しのお兄ちゃんモルーとちーちゃんだよ! それに1番のお兄ちゃんは、小さいモルー達の中で1番年上のモルーのことを、お兄ちゃんモルー達が1番のお兄ちゃんって呼んでいるんだ。だからその1番のはお兄ちゃんも、モルーだと思うんだ。


 わぁ、わあぁぁぁ!! ここにみんなが来たんだね!! でも……、もうここには居ない? もっと詳しい話しをクタさんが聞きます。そうしたら芋虫さんが動き始めて。芋虫さんは僕達に着いて来てって言ったみたい。


 だから芋虫さんは臭い泥の中を一直線に進んだんだけど、僕達は臭い泥の周りを進んで芋虫さんの所へ。芋虫さんが行った場所は、まだ僕達は調べていない場所でした。それでまた揺れながらクタさんんとお話しをする芋虫さん。


『ニャウアァ、ガウアウ。ガウニャ!』


 お話しが止まって、クタさんがもっとこっちに来いって。もう少しクタさんの方へ近寄って、臭いけど我慢してクタさんが前足で指した方を見ます。そうしたら地面に、変な泥が。

 芋虫さんの泥みたいに溜まっているんじゃなくて、薄~くその辺にごちゃごちゃと広がって、少し乾いている泥が地面についていました。


「こりぇ、にゃあに?」


『ガウアゥ、ガウアァァァ。ガウニャア』


「ここでゴロゴロ!?」


『ガウニャ!!』


「なるほど、泥から上がって、皆でこの場所で転がって、少しでも泥を取ろうとしたのか」


 芋虫さんが見ていた、たぶんお兄ちゃんモルー達は少し落ち着くと、周りを見た後に自分達を見て、今度は慌て始めたんだって。それから急いでみんなが動き始めて、今僕達がいる場所に。その後ゴロゴロみんなで転がったみたい。


 ずいぶん長い間、ゴロゴロしていたみたいだよ。それにみんな、なんかとっても変な顔をしていたって。目と目の間がしわしわで、目も細くなって。ぶすっとした顔。その変顔のまま、今度はお話し合いが始まりました。


 どっちに行こうか、向こうかな? それともあっちかな? 僕達どっちから来たっけ? あっちじゃなかったか? 違うよ、そっちだよ。色々話していたみたいです。

 ただ、話し合いが始まってすぐに、もう少し別の場所に行かないと、これ以上お話しできないって。1番のお兄ちゃんって言われていた魔獣さんが言ったって。


 だけどこのまましっぽを噛んでの移動はできない。その辺に落ちている何か長い物はないかって言ったあと、みんなキョロキョロと自分達の周りを確認。すると1匹の魔獣さんの近くに、長~いツルが落ちているのを発見。


 そしてその見つけたツルにみんな1列に並んで。1番先頭は1番のお兄ちゃんが。その後ろにきちんとみんな並んだみたい。その1番のお兄ちゃんが、みんながツルを噛んだのを確認した後、来た方向とは別の方向へ歩いて行ったみたいです。


『ガウアウ、ガニョウ、ガアウア』


 今のは、色々と話しをありがとう、って言ったんだよ。僕も少しだけ鼻を摘むのをやめて、芋虫さんにありがとうをします。だって芋虫さんが見ていてくれたから、みんながどっちに進んだか分かったんだもん。ちゃんとありがとうしなくちゃ。


「ありがとございます!!」

 

 ありがとうの後、すぐにお鼻を摘んだよ。リアも小さな声で、ありがとうって言っていました。


 みんなでありがとうをすると、芋虫さんは嬉しそうに笑って、泥の中を向こうの方へ進んで行きました。僕達の進む方向も決まりです。臭い中、クタさんが頑張って匂いを嗅いでくれて、みんなの匂いを確認。


 芋虫さんが教えてくれた方向に匂いは続いていて、僕達はその匂いを辿ってどんどん進んで行きます。そしてミニミニ森から出ると、1度止まって、みんなで深呼吸をしました。ふぅ、臭かったぁ。


 クンクン、う~ん、長い間臭い所にいたから、臭い匂いがいっぱいついちゃった? 


「これは先に匂いを取らないとダメそうですね。坊っちゃま少し待っていてください。さっきの小屋に匂い取りのお水がしまってあります。それで匂いを取ってから次へ進みましょう」


 ブルーノおじいちゃんがそう言って、ミニミニ森には入らないで、ミニミニ森の周りを通ってさっきの道具の小屋に。その間にリアがポケットから出て来たんだけど。ポケットの中にいたリアは、僕達よりも臭くなくて。僕とクタさんの匂いを嗅いで、ケッって顔をしていました。


『ピピピ、ピッピ、ピピピ』


『ガウアウ、ガニョウ』


 今のは、色々教えてもらえて良かったし、とてもありがとうな事だけど、臭いだけはダメ、ってリアが。クタさんも、あれさえなければ、もっと仲良くなれるのに。蝶になるまでは近づけない、って。うん。匂いがなかったら、いつも一緒に遊べるのにね。


 少ししてブルーノおじいちゃんが戻って来ました。それから水を風魔法で浮かばせて、強い風で水飛沫みたいにして、みんなに特別な水をかけてくれたよ。うん、やっと臭くなくなった。


『ガウガウアァ、ガウニャア……』


 今のは、そういえば、あいつらはあの泥の中で、泥だらけになったんだったな。そうか、泥だらけか……、って。そうしたらリアが。


『ピピピ、ピェェ』


 そうだったね、おえぇ、って。僕も一緒のおえぇ。クタさんもおえぇ。


 その時ブルーノおじいちゃんが、小屋に特別な水の入っている木のバケツを、しまいに行く時間がもったいないからって、近くの別の小屋にしまいに行ってくるって言ったんだけど。僕達の顔を見て、何でみんなそんな変な顔をしているのか? って。


 そういえばブルーノおじいちゃん、1度も臭いって言っていない? それに鼻も摘んでいないし、ずっといつもみたいに動いてた? あれ? ブルーノおじいちゃん臭くないの? ん?

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