33.モルー捜査大作戦!!
パパ達が探してくれるって決まって、すぐにライアンおじさんが、他の人に知らせに行ってくれました。パパとライアンおじさんんと僕だけより、もっともっと人がいた方が良いでしょう?
だって魔獣園だもん! 広い広い魔獣園の中を探すから、人がいっぱいいないとダメダメだよ。
それから魔獣さんにもお手伝いしてもらいます。ダイアーウルフっていう、狼さんに似ている魔獣さん達と、ブラックタイガーって言う、トラさんに似ている魔獣さんです。
どっちの魔獣さんも、匂いを嗅ぐのがとっても得意で、どんなに匂いが薄いものでも、すぐに発見するんだよ。
パパはよく魔獣園で落とし物をしたり、忘れ物をしたりして、すぐの物がどっかにいっちゃうの。
その時に魔獣さんにお手伝いしてもらうんだけど。他の魔獣さん達が見つけられない物は、ダイアーウルフとブラックタイガーにお願いします。そうするとすぐに見つけてくれるんだ。
みんなが集まるまで、パパはモルー捜査の準備。僕はパパの邪魔にならないように、小屋の端っこに寄って、モルー達と穴を見ていました。
『チュチュ……』
「だいじょぶ!! パパたちが、ぜったいにみつけてくれる!!」
『チュチュチュ?』
「うん!! ぼくもいっぱいさがすからね!!」
『チュチュ、チュッチュウ』
「そだね、グルグルしてるかも」
『チュッキィー、チュチュチュ』
「うん、ちさくグルグル、おっきくグルグル」
あのねモルー達は最初に、みんな何処にいるんだ、無事かな? って。それから僕も探してくれるか? って。最後は、グルグル回っているかも。狭い場所をグルグルしているかもしれないし、広い場所をグルグルしているかもって。
そんなお話をしていたら、どんどん人が集まって来ました。みんないろんなホーさん達に乗って来たり、別の大きな魔獣さん達に乗って来たり、まとめて荷馬車の乗って、急いで集まってくれました。
最後にブルーノおじいちゃんの荷馬車に乗って、ライアンおじさんんと他の人達が到着。えと、全員で……、いっぱい!!
みんなが乗ってきた魔獣さん達はまとめて、2人の働いてくれてる人が、小屋に戻してくれるって。集まった人達に、急いでパパが説明をします。それから説明が終わると、誰がどの場所を探すのかお話し合い。
魔獣園で働き出したばっかりの人達は、魔獣園の中をまだ全部覚えてていないし。お仕事の場所も、決まった場所でしかまだお仕事をしていないから、その場所を探してもらう事に。
他の人達は、みんな魔獣園をしっかい分かっているから、その中でも自分が探しやすい場所に行ってもらいます。慣れている場所があるなら、そこを探した方が良いでしょう?
何処でも良い人は、パパがささっとグループに分けて。慣れている人達が行く場所以外に行ってもらう事に。
それからダイアーウルフさん達と、ブラックタイガーさん達は、それぞれのグループに数等ずつ分かれて、一緒に探してくれます。
「よし、大体これで良いだろう。皆、一応捜査に必要だと思われる道具を用意しておいた。各自ここから自分に必要だと思う物を持って、捜査を開始してくれ!! それと何か手掛かりが見つかった場合は、キャリアバードに頼んで、俺に知らせてくれ!!」
最後にお手伝いに駆けつけてくれた鳥さんがいます。キャリアバードっていう鳥さんで、お手紙を届けてくれるんだよ。僕の手くらいの大きさなんだけど、自分の体の3倍くらい、大きくてちょっと厚めのお手紙も、ちゃんと届けてくれるんだ。
他にも届け物をしてくれる魔獣さんはいるけど、今日はみんな急いでいるから、1番届けるのが早いキャリアバードにお願いします。
「それぞれのグループに1匹ずつつける。ライアン!」
「ああ」
ライアンおじさんが、キャリアバード達を運んできた大きな籠を開くと、一斉にキャリアバード達が飛んで出てきて、みんなが僕の所に飛んできました。何で僕の所? 今日は遊べないよ? お兄ちゃんモールと、ちーちゃん、みんなを探さないと。
「あのねぇ、きょうはあそべない。みんなをさがすの。みんなのおてがみがとってもたいせつなの。だからよろしくおねがいします!」
僕がそう言ったらみんなが頷いて、みんなバラバラに色々な人達の所へ。ちゃんとグループに1匹ずつ飛んで行ってくれました。
あれ? みんなどうしたんだろう? 新しく働きにきてくれた人達が変な顔をしていました。
「まぁ、あの光景を初めて見たら、あの表情になるよな。ま、そのうち慣れるだろう。他の奴らと同じで」
「よし!! 解散!!」
パパがそう言うと、パパが準備した道具をそれぞれ選んで、それぞれの場所へと移動して行きます。パパとライアンさんは1匹のダイアーウルフさんと一緒に探すって。よし、僕も出発!!
「しゅっぱつ!!」
「待て待て、アルフは先に帰るんだ。ブルーノに送ってもらうから」
えー!! 僕も探すよ!! だってモルー達ともお約束したんだもん。それに僕だってちゃんと探せるよ。パパ達が入れない狭い場所は僕が入って探せば良いし。
「ぼくも、さがす!!」
「ダメだ、アルフがいると素早く動けないだろう。後はパパ達に任せて、アルフは帰りなさい」
「さーがーすー!!」
『チューチューチュー!!』
僕が言った後に、モルー達も僕の周りに全員が集まって、さーがーすー!! って言ってくれます。
「ダメだ!」
「さーがーすー!!」
『チューチューチュー!!』
そうやって何回か、パパと言い合いをした時できた。
「何だ? どうしたんだ? そっちじゃなくて、俺達は向こうへ行くんだぞ!?」
探しに行ったはずの人が、ブラックタイガーさんと戻ってきたんだ。すっごい勢いでブラックタイガーさんに引っ張られながら。
あとね、ブラックタイガーさんの頭に、キャリアバードさんの親子2匹が乗っていました。どうしたんだろう? もしかしてもう見つかった?