30.モルー達の小屋へ出発!! あれ? また声が聞こえた?
『やっぱりダメか?』
『少しは広げられたが、顔がすっぽり埋まるほどは。そっちは?』
『こっちもぜんぜんダメだ。だが、朝になったんだ。人の動きも魔獣の動きも多くなる。それにかけるぞ』
『ああ。俺達の方も諦めないぞ』
『いなくなって丸1日とちょっと。みんなどうしているか……』
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「アルフ、朝よ。今日はモルーの所へニニンを届けるんでしょう?」
「うん……、おはよごじゃましゅ」
「あなた、アルフの顔を洗ってあげて。私は朝ごはんの続きを」
「分かった。さぁ。アルフこっちだ」
いっぱい寝たのに、なんかねむねむで。パパに1階まで抱っこして連れて行ってもらいました。それから歯を磨いて、冷たいお水で顔を洗ってもらったら、やっと目が覚めてきて。ママの美味しいご飯の匂いを嗅いだら、完璧に目が覚めたよ。
「今日の朝のご飯は、シチューとパンよ。お昼はどうする?」
「そうだな。モルーの小屋からシップの小屋へ行くからな」
「じゃあ、その場で食べられるように、サンドイッチを作るわ。まだ時間は大丈夫?」
「ああ、まだ1時間くらいある。今日はライアンも行く予定で、あいつが準備をしてくれくれるんだ」
「なら、ライアンの分も作るわね。それと夜のご飯は、昨日アルフが掘ってくれた、ホクホクを使った料理にする予定よ」
「やたぁ!!」
朝のご飯をささっと終わらせたママは、すぐにお昼ご飯のサンドイッチを作りに台所に。僕とパパは持っていくニニンを取りに畑へ。それから他にも少しだけパパが準備するのを見て、大きい方のお家に戻ったら、サンドイッチが出来上がっていました。
僕のサンドイッチは、ちゃんと僕専用のお弁当箱に入れてもらって。それを僕用の首から下げるカバンに入れたよ。それから、もしかしたら昨日みたいに、スコップや道具を使うかもしれないから、それもカバンの中に入れて。……たぶん使わないけど、パパの真似。
全部の準備が終わって、ソファーでゴロゴロしていたら、外からパパを呼ぶ声が。
「隊長!!」
「お、来たな。今行く!! さぁ、アルフ出発だ」
「ママ、いってきます!!」
「行ってらっしゃい。勝手にどこかへ行ってはダメよ」
「うん!!」
外に出るとライアンおじさんが、荷馬車に乗って待っていました。
「ライアンおじさん、おはよございます!!」
「おう、おはよう。それとアルフ、俺はお兄さんだって言ってるだろう」
「どう見てもおじさんだろう」
「いいや、俺は何と言われようとお兄さんなんだ」
「お前、それいつまで言うつもりだ?」
「後数年は」
「はぁ。アウフ、ライアンはライアンおじさんで言いぞ。さぁ、行こう」
パパに荷馬車に乗せてもらって、それから今日忘れちゃいけないニニンの入っている籠を乗せて。最後に他の荷物とパパが一緒に乗って来て。モルーの小屋まで出発です。
モルーの小屋まではちょっと遠いんだ。昨日遊びに行ったシマウの小屋よりも、もう少し遠い場所にモルーの小屋はあるの。
でも遠くても平気だよ。だって他の魔獣さん達の小屋の前を通るから、みんなを見ながら行けばすぐに着いちゃうもん。どこに行くにもそう。地球のサファリパークみたい。地球は車で、僕は荷馬車に乗って魔獣さんを見るんだよ。
「あっ!! シマウ!! お~い!!」
昨日遊んだシマウの小屋の所へ到着。もう小屋から出て、柵の中で遊んでいるみんなに手を振ります。そうしたらみんな鳴いて答えてくれたよ。それから今日も遊ぶの? って聞かれたから、今日はモルーとって言いました。また今度ね。
みんなに見送られながら、馬車は進んでいきます。でもその途中でした。
『ママ……、ママ……』
『ほら、ご飯を食べて、これは……』
僕はバッ!! っと横を見ます。また声? あれ、ここって昨日僕が声を聞いた場所? また声が聞こえた気がしたんだ。
「アルフ、どうした?」
「ん~、なんでもない?」
「そうか?」
う~ん、昨日シマウ達がみんな聞こえるか確認してくれて、それで誰も声が聞こえないって言ったもんね。やっぱり僕の気のせい? でも何でここにくると、声が聞こえた気がするするんだろう?
不思議に思いながら、シマウ達に手を振って、シマウ達の前を通り過ぎました。そのまま魔獣さん達に手を振りながら、時々お話ししながら進んで。モルーの小屋へ到着!!
先にパパが降りて、その後に僕。パパに荷物を下ろすから、その間待っていなさいって言われて。モルーの小屋の隣はファイヤーホースっていう魔獣さんの小屋なんだけど。
荷馬車が止まったのが、ちょうどモルーの小屋とファイヤーホースの小屋の間だったから。モルーとはこれから遊べると思って、パパにファイヤーホースを見てても良いか聞きました。それで良いって言われたから、僕はファイヤーフォースの方に。
歩きながら、チラッとモルーの小屋の方を見ます。あれ? いつもモルー達は僕が来ると、小屋の縁に集まって来て、僕を見てくるのに今日はいない? 大人は見てこない時もあるけど、でもちーちゃんとモルーお兄ちゃん、それから小さい子はみんな見てくるのに。
ちょっと変に思いながら、僕はファイヤーホースの方へ行きました。ファイヤーフォースは、お馬さんに似ている魔獣で、立て髪から炎がモワモワって出ているんだよ。
でも不思議な炎なんだ。近づいても熱くないし、触っても大丈夫なの。図鑑で見たら、攻撃する時やイライラしている時や、敵や嫌いな人の前だと、とっても熱くなって、炎で攻撃するんだって。でも自分は炎で怪我したりしないんだよ。
「ホーさ~ん!!」
僕ね、まだ上手くファとかフォとか、言うの苦手。だから今はホーさんって言ってるんだ。他の同じようなホース達もホーさんね。ええとファイヤーフォース、アイスホース、ウインドホース、それからそれから……。いっぱい!! まだ全部覚えてないの。
「おはよございます!!」
『『『ヒヒヒ~ン!!』』』
「みんなげんき?」
『『『ヒヒヒン!!』』』
「そか!!」
みんな元気だって。僕も元気!!




