1.僕の新しい家族
僕、何で色々思い出したのかな? 神様、間違えちゃったのかな? 神様なのに間違うんだね。でも僕、パパとママと、それからお爺ちゃんとお婆ちゃんの事を思い出せて、とっても嬉しいよ。
神様は心の中にパパ達がいてくれるって言ったけど。やっぱりパパ達のお顔、覚えてるの嬉しい!!
「アルフ! ご飯よ!! 可愛いアルフは、1人で起きられるかしら」
「うん!!」
ママの声、朝のご飯の時間。僕は急いで起きて、ちょっと転がるようにベッドから降りながら、靴を履いた後ドアの所に。あっ、今日はしっかりドアが閉まっちゃってる。これじゃあ僕開けられないや。
「ママ!! ドア、あいてない!!」
「あら。あなた開けてあげて」
「ああ。今行くぞ!!」
足音が聞こえてからすぐにドアが開いて、グインと僕は持ち上げられたよ。
「アルフ、おはよう!」
「おはよ、パパ!!」
パパに抱っこされてちょっと向こうの部屋に行くと、ママがお皿を並べている所でした。とっても良い匂い。今日の朝のご飯は、パンとじゃがいもみたいな物が入っているミルクスープと、目玉焼きと魔獣のベーコン!!
「ママ! おはよ!!」
「アルフ、おはよう。さぁ、みんなでご飯を食べましょう」
「「「いただきます!!」」」
僕の新しい名前はアルフ。今3歳です。さっき部屋から出られなかったのは、まだドアノブに手が届かなかったから。いつもはママかパパが少しだけドアを開けておいてくれるんだけど、今日はしまってたの。
そして僕の新しい家族のパパとママ。パパの名前はエドガー、ママの名前はシャーナ。パパもママもとっても優しくて、いつも僕と一緒にいてくれて、いっぱい遊んでくれる、大大大好きなパパとママです。
僕、前のパパとママもとっても大好きで。だからとっても大好きなパパとママが2人ずついるんだよ。良いでしょう。
「ミルクスープ、おいし!!」
「今日はあの子達の搾りたてのミルクよ。後でお礼を言ってね」
「うん!!」
「そういえば、今日からアルフは、俺のお手伝いをするって言ってたな」
「するって言っても、この子がするお手伝いよ。いつもの遊びの延長上でしょう。たぶんご飯をいつもより多くあげるくらいだわ」
「ははは、確かにそうだな。でも今からそういう体験をしておくことは大切だからな。あの子達について、より詳しく知る良いきかいだ。できるなら色々やらせてやるさ」
「毎日遊びに行ってるんだもの。今でも他の子より、知識量は多いわよ」
「それも確かにな」
僕は今日から、パパのお仕事のお手伝いをします。えと、ご飯をあげるお手伝いと、お掃除をするお手伝い。
「アルフ、ご飯を食べ終わったら、洋服を着替えましょうね。今日はいつもよりも汚しても大丈夫な洋服が良いわね」
「そうした方が良い。いくらいつもとほとんど変わりがないと言っても、今日は一応色々やる予定だからな」
「今日入るのは、コケコとウササの所?」
「ああ。まずはその2つがだな。1番安全だろう。いや、コケコは問題か?」
「あなたはいつも襲われるものね」
「何で襲われるんだろうな? 俺は別に何もしていないんだが。しょうがなくていつもあのコケコだけ別に隔離して、作業をしないといけないもんな」
「他もね、いつ襲ってくるか。襲って来なくても貴方を睨んでもいるし。やっぱり危ないかしら」
「まぁ、様子を見てだな。ダメそうならモルーの方へ行くから良いさ」
「そうね、そうしてちょうだい」
パパとママがお話ししながらご飯を食べている間、僕はお話ししないでどんどんご飯を食べます。だって今日は早くご飯を食べなくちゃ。
みんな一緒に食べ始めても、僕はいつも1番最後。とっても遅い1番最後。僕は今3歳。まだ早くご飯が食べられないんだ。何をしても全部遅いの。
それに色々なことができないんだ。さっきみたいにドアが開けられなかったり、洋服もちゃんと自分で着るんだけど、時々ボタンを間違えたり、前後ろ間違えて着ていたり。
でも今までは3歳の僕だったけど、今日からは前の事を思い出した3歳の僕だもん。きっと大丈夫!!
そう思ったんだけどダメでした。ご飯はいつも通り、とっても遅い1番最後。ご飯を食べ終わってママと洋服を着替えたんだけど。
最初は1人で頑張ったんだよ。そうしたら今日もボタンを1つ間違えちゃったよ。それにズボンに洋服をちゃんと入れたはずなのに、びろ~んと半分出ちゃってたし。う~ん、何で?
「さぁ、今日はこの洋服で良いでしょう。そうだわアルフ。今日はこの汚れても良いお洋服だから、パパのお手伝いが終わったら、泥で遊んでも良いわよ」
「うん!!」
「あっ、そうだわ。遊ぶ時はタートの赤ちゃんも一緒に遊んであげて。ちょうど遊ばせる頃だから」
「うん!! いしょあそぶ!!」
「用意できたか!!」
「もうすぐよ!!」
帽子を被ったら終わり。急いでパパの所へ行きます。玄関を出たら、パパはもう道具を準備してに馬車に乗っていました。この荷馬車で移動するんだよ。
僕のお家はとっても広い場所に建っているから、移動するのが大変。だから乗り物に乗って移動しないといけないの。えっと、お家から門まで歩くと、大人で30分くらい? どの方向に行ってもそれくらいかかるんだ。お家の後ろに行くと、もっとかかるんだよ。
「よし、準備できたな」
ママに荷馬車に乗っけてもらって出発です。
「お昼はそっちに行くわ」
「ああ、頼むな。よし、じゃあ出発だ」
「ママ! ぼくがんばる!!」
「ふふ、頑張って!!」
さぁ、パパのお仕事のお手伝いに出発!! 出発? お家の中だから出発じゃないかも? ま、良いか? お手伝い頑張ろう!!