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55.束の間の色恋沙汰

あれから一ヶ月ほどが経っている。

新たに[東京組 第十三番隊]へと配属された小津間翔(こづましょう)は…、何故だか緋島早梨衣(ひしまさりい)になついていた。

どこに行くにせよ〝緋島さん〟〝緋島さん〟と付きまとおうとするのだ。

その件に関して、宮瑚留梨花(みやこるりか)が、パトロール中に、

「コッズーは、サリーちゃんのこと好きなの??」

単刀直入に尋ねてみたところ、

「ええ、まぁ。」

「緋島さんみたいに綺麗で強くてカッコイイ女性は尊敬しています。」

微笑みながら返したのである。

「ん?」

「〝恋愛感情とは違う〟って事??」

宮瑚が更に質問したところ、

「あぁ、はい。」

「お姉ちゃんみたいな感覚です。」

「ボクは一人っ子でして……。」

「年上の従姉が緋島さんのようなタイプで、ボクが子供の頃よく可愛がってもらっていたんです。」

「それが、なんだか懐かしくって。」

一層に〝ニコニコ〟する小津間であった。

「へぇー。」

とりあえず納得したらしい宮瑚に、

「でも、サリーちゃんのこと追いかけ回すの、やめたがいいと思うよ。」

「なんかストーカーみたいになってるから。」

「サリーちゃんも迷惑だろうし、はたから見ててキモイし…。」

「このままだとコッズーは皆から嫌われちゃうよ。」

そう指摘され、〝ハッ!〟とした小津間が、

「気づきませんでした。」

「これからは、できるだけ控えるよう努力します。」

「アドバイスしていただき、ありがとうございました。」

深々と頭を下げる。

この態度を見ながら、

(んん~、基本的には悪い子じゃないんだよねぇー。)

(天然というか……、ちょっぴりおバカさん、みたいな?)

(ま、ここのとこストレス溜まりまくっている様子のサリーちゃんがマジギレれする前に止められて良かったという事にしておこう。)

そう考える宮瑚だった…。


ちなみに、小津間は現在18歳である。

普段は“原付バイク”か“軽自動車”を運転しているようだ。

スキルは【風の矢】であり、一度に50本を放つ。

これら(・・・)は、正面はもとより、上下左右などに広がって、敵どもを刺す仕組みとなっていた。



翌日のPM15:00過ぎ―。

十三番隊の女性陣が、2Fの喫茶店に集まっている。

なお、沖奈朔任(おきなさくと)隊長&筺健(かごまさる)は[事務室]に居て、意川敏矢(いかわとしや)と小津間翔は休みであった。

いずれにせよ。

宮瑚が小津間について説明したところ、

「成程。」

「そういう経緯(いきさつ)だったんですね。」

〝ふむ〟と理解を示したのは、鐶倖々徠(かなわささら)副隊長だ。

「にしたって、うっとうしいんだよ、アイツは!!」

「〝アタシのこと追いかけ回すんじゃねぇ!〟て何度も言ったのに、全くもって効きゃしねぇしよぉ!!」

唐突に怒りだした緋島を、

「まぁ、まぁ。」

「あーしが注意しといたから、もう大丈夫だよ。」

「多分、きっと。」

宮瑚が(なだ)める。

その流れで、

「緋島さんは、小津間くんの事が嫌いなのですか??」

なんとなく窺う隈本一帆(くまもとかずほ)だった。

「んッあー。」

「そうだなぁ……。」

「これまでは単純にイラついてたけど…、理由を知った今は“犬っころ”みたいなイメージに変わってきた気がする。」

こう述べた緋島に、

「そのうち付き合っちゃったりしてぇ。」

宮瑚がニヤつく。

それを、

「絶対に、ありえねぇ!」

「ああいう“小動物系”は対象外なんだよ、あたしは。」

おもいっきり否定した緋島が、

「んなことより、意川とはどうなってんだ?」

「なんか進展はあったのか??」

反撃したのであった。

「いや、ない、けど……。」

「近いうちに(こく)るつもりではいるよ。」

このように宮瑚が吐露(とろ)したら、

「え!!?」

鐶と、

「そうなんですか??!」

一帆が、揃って驚いたのである。

緋島は〝ほぉう〟と面白そうにしていた。

「何故、このタイミング?」

「まだ“()関東司令官”を捕まえられていないのに…。」

「もしかしたら私達を殺そうと狙っているかもしれないのよ。」

「無事に生き残ってからのほうが、いいんじゃない??」

そう鐶が訊ねところ、

「ううん、逆だよ。」

「命があるうちに気持ちを整理しときたいの。」

「じゃないと、いろいろ集中できなさそうだし。」

「あと……。」

「もし仮に、トッシーが亡くなって、私が助かった場合、〝なんで伝えとかなかったんだろう〟って後悔しそうじゃん。」

いつになく真剣な表情になったのである。

が、しかし。

「“くまりん”と“かなっちふくたいちょー”も、一緒にどぉう?」

「“さっくんたいちょー”や“マサルン”に告白してみなぁい??」

すぐにフザケた感じとなる宮瑚だった。

こうした提案に、

「それは、ちょっと…。」

鐶が顔をそむけ、

「無理です。」

恥ずかしそうに俯いた一帆である……。



それから二日後。

終業した夜の屋外で、

「ねぇ、トッシー。」

「話したいことがあるんだけど、少しだけいいかな?」

決心していた宮瑚が声をかけた。

駐車場に向かおうとしていた意川は、

「ん??」

「なに?」

不思議がりながらストップする。

他の面子が去ったところで、〝すぅ―、はぁ―〟と深呼吸した宮瑚が、

「あのね…。」

「あーしと交際してほしいんだけど……、ダメ、かな??」

頬を赤くしながら、想いを口にした。

まさかの展開に、

「は!!?」

意川がフリーズする。

「もしもぉ~し??」

眼前で右手を振られ、我に返った意川が、

「あ、その…、ごめん。」

宮瑚に謝った。

「……、そっか。」

「分かった。」

「正直に言ってくれて、ありがと。」

悲しげに述べた宮瑚に、

「いや、そうじゃなく…。」

「〝十三番隊のメンバーは全員スパイ(・・・)かもしれない〟と警戒していたから、どの女性もそういう目で見てこなかったんだよ。」

「だから……。」

「暫く保留にして、じっくり考えさせてくれないか?」

「今週中には答えを出すからさ。」

意川が誠実に返す。

望みが残った事によって、

「うん!」

「よろしくね!!」

笑顔を取り戻す宮瑚であった―。


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