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44.策応・前編

「……、つまり、〝架浦(みつうら)さんは本当に()であり、宮瑚(みやこ)さんは未だ確定していない〟という訳ですね?」

鐶倖々徠(かなわささら)副隊長に質問され、

「ええ、そうなります。」

沖奈朔任(おきなさくと)隊長が頷く。

「それで??」

「これから、どうするんですか?」

意川敏矢(いかわとしや)が伺い、

「とある場所に全員で赴く予定です。」

そのように沖奈が返したところ、

「拠点が留守になってしまいますが…。」

「〝4時のパトロール迄には、こちらに帰って来る〟という事でしょうか??」

鐶が首を傾げた。

「いえ。」

「それは難しそうなので、総監に頼んで手を打ってもらいました。」

「他にも一つ動いてもらっていますけど……、これについては後にしましょう。」

「それよりも先に、各自の“スキル操作”に関して、隠していることがあれば、明かしておきませんか?」

「信頼し合う為にも。」

真顔で述べた沖奈が、

「まずは、僕から、お教えしましょう。」

柔らかく微笑んだのである。


沖奈に続き、筺健(かごまさる)緋島早梨衣(ひしまさりい)が、正直に説明していった。

隈本一帆(くまもとかずほ)は〝一切コントロールできない〟という旨を伝えている。

一方、鐶副隊長が形成する【半透明でドーム状の障壁(バリア)】は、〝半径5Mかつ高さ7.5M〟で〝制限時間は30秒〟としていたが、実際は〝半径10Mかつ高さ15M〟で〝タイムリミットは1分〟なのだそうだ。

意川のほうは、〝10数までの対象者を、5Mだけ宙に浮かす〟となっていたが〝50数を、25M浮かせる〟らしく、〝半径は、20Mではなく、40M〟との話しだった。

ただし、二人とも〝発動するためにはリアクションが必須〟と告げている…。



東京組第十三番隊が使っているビルから少なからず離れた場所に、“十四番隊の拠点”が存在していた。

“コンクリート造りの三階建て”であり、全ての部屋を十四番隊が活用しているらしい。

今は勤務時間外のため誰も居ない筈なのだが……、ここの“隊長室”で、ある四名が直立している。

男女の比率は2:2であった。

先頭には女性が一人、背後に三人が佇んでいる。

そういった面子に、アンティークなテーブル席に腰掛けている男性が何やら喋っているようだ。

年齢は40代後半であろう。

“七三オールバックの髪”と“鼻の下の髭”は黒い。

体型は華奢で、温和な印象だ。

この“隊長”に間違いなさそうな男が、

「――、と、まぁ、そういう理由(わけ)で、16(ひとろく):00(まるまる)より、十三番隊に代わって歌舞伎町を巡回してもらいたい。」

「不満もあるだろうが、総監から〝明日は休んで良い〟との許可を得ているので、よろしく頼む。」

そう語ったところ、“先頭の女性”が〝はぁー〟と溜息を()いた。

この流れで、

「何故、私たちなんですか??」

「気持ち良く眠っていたというのに、無理に起こすなんて…。」

「電話が、しつこ過ぎです!」

怒りを露わにした“黒髪ロングの女性”である。

「〝スパイの可能性が無さそうな隊員らを選ぶように〟との総監の命令だから。」

いささか引き気味となった隊長を、

「だとしても……。」

「他にも適任者がいたのでは?!」

“黒髪ロングの女性”が軽く睨み付ける。

「うっ、むぅ~。」

と、言葉に詰まる隊長を見兼ねたのか、控えていた“黒髪ショートの女性”が、

「十三番隊の代理を務めあげれば感謝されるでしょうね。」

「沖奈隊長に。」

「“慰労会”などの名目で食事に招かれるかもしれません。」

「そうなれば親睦を深められるでしょうね。」

「沖奈隊長と。」

そのように述べた。

これに〝ハッ〟として、

「“さくときゅん”と仲良くなれる…。」

小さく呟いた“黒髪ロングの女性”は、

「この原城(はらき)、何が起ころうとも必ずや成し遂げてみせますので、ご安心を。」

〝キリッ〟としながら伝えたのである。

「う、うむ?」

副隊長が態度を変えたことを不思議がったものの、

「任せた。」

そう告げる[十四番隊の隊長]だった。


ちなみに、隊長に助け舟を出した“黒髪ショートの女性”は、背丈160㎝くらいで、ボーイッシュな感じだ。

残りの男性陣については……、一人が身長180㎝くらいで、“ブラウンの坊主頭”である。

もう一人は、背丈が155㎝程で、“金髪ショートパーマ”であった。

三人とも、共に“漠皁組(まくそうぐみ)”の豪邸へと乗り込んだメンバーみたいだ。

あの時、特に“黒髪ショートの女性”は〝ピン!!〟ときたらしい。

〝原城副隊長は、十三番隊の隊長に恋愛感情を抱いている〟と。

なので、原城の事を上手く誘導したのだった…。



数分後。

沖奈のスマホが鳴ったようだ。

相手は“総監の秘書”であった。

「もしもし??」

『総監からの伝達です。』

『〝どちらも準備を整えているので、十三番隊はいつ動いても構わない〟と仰られていました。』

「ありがとうございます。」

「では、〝すぐにでも出発する〟と、お知らせください。」

『承りました。』

『それではこれにて、失礼いたします。』

やり取りを終えて、電話を切った沖奈が、

「参りましょうか、皆さん。」

「架浦さんが逃げ込んだであろう場所に。」

隊員の5名に声をかける。

優しげな笑みを浮かべつつも、目だけは、どこが寂しそうだ。

おそらく、架浦と殺し合うかもしれない状況になってしまったのを悲しんでいるのだろう。

これに関しては、一帆たちも同じ心境だった―。




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