2.十三番隊というもの。
「そうですね。」
「では、“H.H.S.O 東京組第十三番隊”のメンバーを紹介しましょう。」
こう告げた隊長によって、各自のプロフィールが判明していく。
沖奈朔任
性別:男性
年齢:21歳
身長:155㎝
髪型:黒色のサラサラショート
容姿:可愛い系のルックス/細身
服装:黒を基調とした隊服&ブーツ
備考:隊長
鐶倖々徠
性別:女性
年齢:22歳
身長:148㎝
髪型:黒色のセミロング
容姿:可愛い系のルックス/標準的な体格
服装:丸メガネ/黒を基調とした隊服&ブーツ
備考:副隊長
緋島早梨衣
性別:女性
年齢:20歳
身長:167㎝
髪型:金色のロング
容姿:綺麗系のルックス/細身
服装:赤を基調としたスカジャン・刺繍は鯉/デニムジーンズ/白と赤のスニーカー
備考:元ヤン
宮瑚留里花
性別:女性
年齢:19歳
身長:160㎝
髪型:ピンク色でツインテール
容姿:キレカワ系のルックス/標準的な体格
服装:ピンクのカラコン/デコラファッション/厚底スニーカー
備考:ギャル
架浦聖徒
性別:男性
年齢:24歳
身長:175㎝
髪型:金色ショートでボサボサ
容姿:イケメン系のルックス/顎髭/標準的な体格
服装:ホワイトの革ジャン/デニムジーンズ/ブラウンのブーツ
備考:日本とスイスのハーフ
筺健
性別:男性
年齢:25歳
身長:190㎝
髪型:スキンヘッド
容姿:フツメン/目が細い/地黒/マッチョ
服装:迷彩柄のジャージ/黒のジーンズ/白と黄色のスニーカー
備考:日本とアメリカのクォーター
意川敏矢
性別:男性
年齢:19歳
身長:168㎝
髪型:黒色のセミロング
容姿:フツメン/細身
服装:白のパーカー/灰色のジャケット/黒の隊服パンツ&ブーツ
備考:ゲーマー
なお、誰もが、腰に[折り畳み式の警棒/小銃/手錠]を帯びている。
「以上の7名となりますが…、一度に全部を覚えるのは大変でしょうから、追々で大丈夫ですよ。」
優しく微笑む朔任に、〝トクン〟と心ときめいた隈本一帆が、「はい」と頷く。
「始業までは、まだ時間がありますので、女性のどなたか、隈本さんをいろいろと案内してあげてくださいませんか??」
「男の僕たちでは入れない場所もありますので。」
隊長の意見を受けて、
「それでは、私が。」
立候補した鐶副隊長に、
「付いて来て。」
扉の外へと導かれる一帆であった。
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廊下を挟んだ対面には、男女別々のトイレとシャワー室にロッカールームが存在している。
女性用の更衣室で、
「貴女のロッカーはこれだから、自由に使って。」
倖々徠に伝えられ、一帆がショルダーバッグを仕舞い、鍵を掛けた。
「じゃあ、次に行きましょ。」
部屋から廊下に出ていく副隊長に、一帆が続く。
先ほど第十三番隊に会った事務所の右側には“給湯室”が設けられている。
更に、その右には“休憩室”が備わっていた。
廊下の奥には、屋上への階段がある。
▼
鉄製ではあるが薄めの扉を開けた倖々徠と、一帆は、屋上に赴いていた。
実に晴天である。
手摺の側にて、ビル風を浴びながら、
「隈本さんは、総監の推薦なのよね?」
鐶副隊長が質問した。
「はい、そうですが……。」
「皆さんは違うんですか??」
「十三番隊は、半年ぐらい前に再編成されたと、聞き及んでいますが。」
一帆が返したところ、
「ええ。」
「隊長と、緋島さんに、筺さんは、総監。」
「私と、意川くんは、副総監。」
「架浦さんと、宮瑚さんは、関東司令官。」
「こんな感じで、推した人物がバラバラなのよ。」
「しかも、皆、もともと居た隊が異なるから、十三番隊に配属された際に初めて顔を合わせたの。」
そこまで倖々徠が説明したタイミングで、〝ガチャッ〟とドアノブを回して、ハーフの架浦が訪れたのである。
「あら?」
「もう時間ですか??」
自身の腕時計を確認する副隊長に、
「いんや。」
「まだ余裕があるから、一服しに来た。」
こう答えた聖徒が、突き出ている屋根の下で、安物のライターを用いてタバコに火を点けた。
ちなみに、“縦長のスタンド灰皿”が常に置かれているみたいだ。
架浦が〝ふぅ―〟と煙を吐いて、
「それで?」
「なんの話しをしてたんだ??」
素朴な疑問を投げかける。
「私達が“二代目”ってことに関してですよ。」
倖々徠が述べたら、
「あー。」
妙に納得した様子の聖徒が、
「〝トラブルメーカーの墓場〟に〝ボッチどもの姥捨て山〟もしくは〝不吉の十三番隊〟ってか。」
〝フッ〟と苦笑いした。
「そのような事は…。」
フォローしようとした一帆に、
「気ぃ遣わなくっていいって。」
「あんたも噂を聞いただろ? 本部での研修中とかに。」
「俺たちは、服装はもとより、何かと好き勝手やって、お上に逆らってたし……、能力にも問題つーか欠陥があるんで、左遷されちまったんだよ、ここに。」
「ま、隊長と副隊長は真面目だし、俺からしてみりゃスキルも魅力的なのに、なんで飛ばされたんだか?」
架浦が、そのように教えた流れで、肩をすくめた。
「いつだったか言ったことがあると思いますけど…、私は融通が利かなかいタイプだったので、孤立していたんですよ、前の隊で。」
「隊長は……、〝割と無茶してばっかりで、浮いていた〟とかじゃなかったかしら??」
「あの人は正義感が強いほうだから、足並みが揃わず、疎まれたんじゃないんですか?」
「まぁ、結局、私も隊長も、周りがやりづらかったんでしょうね、きっと。」
鐶副隊長によってもたらされた沖奈の情報に、
(三年前と変わらず真っ直ぐな性格みたいで、良かった。)
なんだか嬉しくなった一帆である。
だが、彼女は、まだ知らない。
[東京組第十三番隊]の人々には秘密がある事を―。