3話 探索者協会の設立と役割
初投稿になります、思い付きで書き始めたので至らない点が只あると思いますが、よろしくお願いします。
気になる点があればお気軽にコメント欄にてメッセージを送ってください。
「この様に探索者協会の設立となった訳ですが、設立から3年探索者としてダンジョンに挑まれる皆様の手助けとなる様に、日々頑張ってきた次第で有ります。正直申しますと多々至らない点は有りますが、探索者の生命、財産等を守る事を第一として今日まで活動してきましたが、どうしても未帰還者が出てしまいす」。
今雫斗達は睡魔という強大な敵と戦っていた、早朝村を出て名古屋に在る探索者協会名古屋支部に来ていたのだが、午前中探索者協会の成り立ちと役割について、協会の職員から講習を受けているのだしかし内容が学校で習う社会科と大差なく、すでに学んでる雫斗達にとって拷問でしかなかった。
要約するとダンジョンが出来た当初、各国の政治の中枢がダメージを受けたため初動が遅れる事になる。
軍隊を中心とした組織(銃火器を持っている)によって魔物の討伐が行われた。この日本は自衛隊を中心にして魔物の駆除をしていたが、首都圏と主要都市を防衛する事しか出来なかった。
見放された市町村は、独自に解決しなければならず警察官や消防士が事に当たる、しかし人員不足は否めず民間人の協力で何とか凌ぐことが出来た。
かくして自衛隊と民間人に分かれて、ダンジョンの探索を行う事となったが、意外や意外銃火器を使っている軍人の方が階層攻略に躓いていた。
重く見た政府はダンジョン庁を設立してダンジョンからもたらされる産出物や攻略情報の囲い込みを図ろうとしたが、民間探索者の強い反発があり右葉曲折の末、探索者協会の設立を認めたのである、要するに保身に走る政府のお偉いさんは信用できないということでもある。
法整備をして、なんとかダンジョンからもたらされる利益を税金として吸い上げたい政府と、命懸けでダンジョンから持ち帰って来る探索者の利益を守る探索者協会のせめぎ合いが今日まで続いている。
「ダンジョンの中での事は自己責任とは言え、無差別にダンジョンに入る事が出来ていたため、当初は多くの人が犠牲となり甚だ由々しき事態となりました。そこで協会としてはダンジョン入場の際は規制をする事に致しまして、探索者カードの取得から1年間は準備期間とし、3層ダンジョンもしくは攻略ダンジョンの5層までを条件付きで解放する事となりました。くれぐれもこの様な措置に関しましては、皆様のお命を守る為だと言う事をご理解いただきます様お願いいたします。只今からカード制作のための撮影を行います、この後の予定ですが午後からダンジョンの取得物の取り扱いに関しての説明と探索者カードの配布を行いまして終了となります、長い間のご視聴有難う御座いました」。
探索者協会の職員の話が終わった様だ。雫斗達は眠気を祓うとともに 凝った筋肉伸ばしながら撮影ブースへ向かう。
いくつか在る撮影ブースの前に並ぶと、雫斗の前に割り込む一団がいた。「どきな!、チビ助」雫斗と大して変わらない身長のリーゼントに眉毛を剃った強面の男が凄んで言い放つ。
人の良い雫斗は『チビ助ってあんまり変わらんじゃん』と思いながらも間を開けようとすると、後ろにいる百花に“ガッシ”と肩を掴まれて。
「なによ、割り込む気。後ろに並びなさいよ!!」と百花。
「なんだと〜!。お前ら僻地の田舎もんじゃねぇーか、地元の俺らに 場所を譲りな」と強面くん。
「ぷぷぷー、今時そんな事を言うなんていつの時代から来たのかしらねー。顔だけじゃなく頭まで時代遅れなんてお可哀想だこと」・・・百花さん、男にいやいや、人として顔のことをとやかく言うのはどうかと思うよ、ほら茹っている茹っている。
「うるせー、人の顔に難癖付けやがってテメーの顔も、かおも、・・・・・・顔が良いからって調子に乗るんじゃねぇぞ、大体おまえの様な気の強い女じゃーモテねぇだろ、憂さ晴らしに相手構わず当たり散らすんじゃねぇ〜」おお〜言い直した、強面くん案外正直かも。
「お生憎様、私はモテてモテてモテまくっているわよ。貴方達良い加減にしなさいよ、並ぶ時は後ろに並ぶこれは常識よ常識、貴方頭悪そうだからもう一度言うわよ!常識。ほらサッサと後ろに行きなさい、最後になるわよ」。
うん確かにモテてるね、小学生の低学年の子達に、百花は思いっきり遊んでくれるもんな、遊んであげてるっていうより本気で遊ぶもんな〜。と 割り込まれそうになった当事者の雫斗がぼんやり考えていると、これだけ騒いでると協会の職員達に気づかれると思ったのか、(百花の狙いもそこなんだけど)仲間の一人が強面くんの後ろ襟を掴み引きずりながら 「いくぞ」と一言。
引きずられて行く強面くんと、見えなくなるまで変顔バトルをしていた百花がドヤ顔で振り返る、“アッこれは御礼を期待してる顔だ”気付いた雫斗はすかさず「ありがとう」と答えると。
「どういたしまして、雫斗も気をつけなさいこれから探索者としてやっていくなら、舐められたらだめよ」鼻息も荒く百花が話すと、「そうだね」と雫斗は気の無い返事をする。彼女からするとこれから探索者として活動していく事に、どうにも気概のない彼に喝を入れたかったのだけど、相変わらずの雫斗にため息しか出なかった。
雫斗本人は、ただ単純に不思議の巣窟ダンジョンに興味があるだけで、べつにダンジョンを攻略しようとか考えている訳ではないのだ。階層を突破して最前線で活躍したい百花達と雫斗では、ダンジョンに対しての思い入れが違うのは当然の事なのだ。
そのうち雫斗達の順番が来て撮影ブースに分かれて入って行く、中には不思議な器械の前に椅子があり職員が器械の後ろから声をかける。
「椅子に座ってダンジョンカードを前のレンズに掲げて下さい」言われたとおりにすると「高崎雫斗さんですね、ダンジョンカードはもうよろしいですよ、ではこれから撮影しますねー、立体的な撮影になります。正面のレンズを見てください、では〜ゆっくり上を見てください、四角の印が見えますね、はい正面に戻して、足元の印を見てゆっくり正面に戻して、次は右でーす四角の印が見えましたらゆっくり戻して、はい〜同じ様に左を見て〜、はい戻して終了です。お疲れ様でした」。
あっけなく終了した時間にして1分も掛からなかった、午後1時に同じ会議室に集まる様に言われて席を立つ。
目の前にある不思議な器械には興味があるが、後から撮影する人達の邪魔になるので、渋々ブースから出て百花達を待つ。
「あ~お腹すいたね、何処で食べる?」開口一番、百花が腹が減ったと訴える。「探索者教会のフードスペースでいいんじゃない?、美味しいと評判だし」弥生がそう言うと、近いしいいねということでみんなで向かうことにした。
「だけど僕たちが利用できるのかな?」雫斗がそう言うと。「あら聞いてなかったの?撮影の時に渡されたカード臨時の探索者カードとして使えるみたいよ」と百花が言う。
「へーそうなんだ」確かに渡されたカードには、数字と協会のロゴマークしか書かれていないが、渡された時出来上がったカードと引き換えになるから無くさない様に言われたっけ。
食事を終えた後、割と広い探索者協会のロビーでまったり時間を潰して会議室へと向かった。
時間になり午後の講習が始まった、主にダンジョンからの取得物とその取り扱いについての説明だったが要約すると。
一つ、三層ダンジョンもしくは攻略ダンジョンの一層から三層までの階層から得られた物は、原則自由に売買出来る、ただし10%のダンジョン税と5%の教会への手数料が掛けられる。
一つ、三層以降からの取得物に関して、原則すべてダンジョン協会の買い取りもしくは仲介しての販売とし、当然10%のダンジョン税と5%の手数料がかかるが、ダンジョン内での探索者同士での、販売、譲渡、物々交換に関してはその限りではない。つまりダンジョン内での探索者同士のトラブルには、原則協会は関知しない。ただし悪質な場合は、厳正に対処する。
一つ、ダンジョンからの取得物を探索者協会を介さず、ダンジョン以外で他者に販売した場合(10%のダンジョン税と5%の手数料を払わないと)、罰則が与えられる。最悪探索者の資格停止もあり得る。などなど要するにダンジョンから持ち出す取得物を販売する時は、税金が掛かりますよと言う事らしい。
最後に各自探索者カードを渡されて、講習を終えた雫斗達は村へ帰る為探索者協会の建物を後にする。
手直ししています、本筋では変わりませんが名称など少し変わっている点があります。
少し時間をかけて直していこうかと思っています。読みにくいとは思いますがよろしくお願いします。