雨を眺めて
昨夜からずっと雨が降っている。
それを僕は部屋の中から眺めてる。
窓の外を飽きもせず、ずっと。
青空の姿も忘れてしまって、
白い雲が綿雨みたいだなんてことも忘れてしまって、
僕はずっと灰色の空と透明な雨を見つめている。
灰色の空も悪くはないと、君が横から声をかける。
雨の日が好きだと君は言う。
僕にはまったく理解できない。
晴れが恋しくて、苦しい。
雨はジメジメとして薄暗い気持ちになるよ。
古傷が痛んでどうにも動けなくなるよ。
だから僕は晴れる時を待っている。
雨雲が消えるまで待っている。
だけど今夜も雨は続いて。
いつの間にか君の姿もなくなって。
僕はいつまでも雨を見つめているだけ。
雨があがる日を待っているだけ。