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CHAPTER1-2
Nさんはいつもジャニーズの話ばかりだ
口を開けばジャニーズで
さらに男を見る目がない
「かっこいい。かわいい」という男が
全く可愛くないしかっこよくもない
入学式の後から毎晩10時になると
必ずLINEが来るようになり
ジャニーズの話を聞かされる
朝はお互い早いので11時になると
「お休み♪」と言ってから寝るまでが日課だ
次の日学校で会ってもあまり話さない
僕も彼女も男女で話すタイプではないのだ
アイコンタクトで笑いかけてくる彼女に笑い返していた
背が低い彼女はいつも上目遣いで
明るい笑顔で笑いかけてくれる
少しずつ少しずつ関係が変わりつつある
鈍感な僕でも薄々気づいていた
ある日何気ない会話をしているとこんなことを言われた
「ともくん、かわいい」
「え?」
「かわいくて好きだよ」
少しずつ僕は好きになっていた