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宇宙エレベーター見学ツアー  作者: ぜんしも
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(番外) 参考文献リスト

この小説を書くにあたって参考にした文献を以下に列挙します。ただし小説中の明らかな理論的間違いや説明不足の点は、小説を書いた作者の理解や技量の不足によるものであり、これらの文献ならびに作者の方々には責任はないということを、あらかじめお断りしておきます。


(20190301追記)

最後の2冊を追加しました。むしろこっちの方が小説を書くのには必要だったという気もして、あとからですが追加しました。どちらも「宇宙での生活」を描いた本です。宇宙エレベーターのことは出てきませんが、大変参考にした書籍です。

順不同で紹介させていただきます。いずれも宇宙エレベーターや宇宙に関する知識や体験をうまく伝えてくれる良書だと思っています。機会があればぜひ、手に取ってじっくりご覧いただくことを推奨いたします。


●「タワー 季刊大林 No.53」株式会社大林組(2012)

建設大手である株式会社大林組が出している機関誌で、宇宙エレベーターを特集している号です。東京スカイツリーの建設を終えた同社が、もっと大胆な計画をということで世界に先駆けて発表した、宇宙エレベーター建設構想が描かれています。あとはクライアント(発注者)を待つだけ、という大林組の気概が表れています。同社ホームページからバックナンバーが入手できます。


●「軌道エレベーター 宇宙へ架ける橋」石原藤夫・金子隆一、早川書房(2009)

1997年に出版された書籍を早川書房が文庫化したもの。日本のSF界を代表する2人による共著。宇宙エレベーターのすべてについて紹介したもので、すでに古典と言ってもいいでしょう。しかし内容は古くはなっておらず、基本をがっちり学ぶには読みやすく外せません。宇宙エレベーターを語るには必携の良書。


●「宇宙エレベーターの物理学」佐藤実、オーム社(2011)

宇宙エレベーターで高校の物理学を理解する。いや、逆だったかな?高校の物理学で宇宙エレベーターを理解する?まあ、とにかく、宇宙エレベーターに関するさまざまな物理学を平易に解説する、物理学方面からの宇宙エレベーター入門書です。小説の方でも、語られている理論だけでなく、その語り口まで含めてかなり参考にさせていただきました。宇宙エレベーターの教科書として正式採用されるべき一冊でしょう。


●「宇宙旅行はエレベーターで」ブラッドリー・C・エドワーズ、フィリップ・レーガン(関根光宏訳)オーム社(2013)

小説の中でもお名前を出させていただきました、宇宙エレベーターの実現性と建設方法の一案を世界に紹介して、宇宙エレベーターをSFの中の小道具から、一気に現実が目指すべき未来に変えてくださった、大恩人の一人、エドワーズ博士の著書を邦訳したものです。エドワーズ博士が考える、宇宙エレベーターの原理から応用にまで話は広がっていて、現実に足を下した形での宇宙エレベーターの可能性について語ってくれています。これも宇宙エレベーターを語るには絶対外せない教科書です。


●「宇宙エレベーター その実現性を探る」佐藤実、祥伝社(2016)

これは上に挙げた「宇宙エレベーターの物理学」を書かれた佐藤先生が、宇宙エレベーターの物理学以外の側面について、思いつく限りの話題を挙げた、これも重要な1冊です。これは教科書というよりは、「なんでも相談」のような、さまざまなトピックを集めたもので、日本の宇宙エレベーターや宇宙開発に明るい識者へのインタビューもあって、ぜひ押さえておくべき文献です。ここからもいろんなアイディアを参考にさせていただいています。佐藤先生には足を向けて寝られません。


●「もしも宇宙を旅したら 地球に無事帰還するための手引き」ニール・F・カミンズ(三宅真砂子訳)ソフトバンククリエイティブ社(2008)

宇宙を旅する際の、さまざまな危険に焦点を当てて、そこから無事に生還するための工夫や方法を紹介する本です。最初はヴァンアレン帯の危険度がどんなものかということを調べようとしたんですが、小説の中でも紹介していますように、人類はまだまだヴァンアレン帯のことについてはよく知らない、というのが真実のようです。そんなことをはじめ、宇宙旅行の大変さを解説した、含蓄深い一冊です。


●「わたしを宇宙に連れてって 無重力生活への挑戦」メアリー・ローチ(池田真紀子訳)NHK出版(2011)

宇宙を旅する人々にとっての困難とその対処について、現在考えられる工夫や訓練、そして慣れやあきらめに至るまで、いろいろな方法でそれに立ち向かっている宇宙飛行士の、内面までを含めた告白をまとめたレポートです。標題の「無重力」についてだけでなく、宇宙にあるさまざまな厄介ごとを、女性の視点も含めて報告してくれます。実はこの本に刺激されて僕はこの小説を書き始めた、という経緯もあったりします。広大な宇宙に対する、cm単位の感覚をつづった、ある意味刺激的な本でした。

とりあえずご紹介するのは以上ですが、この他にも各種Webページや漫画、アニメなどさまざまな文献からインスパイアされたものが作品に反映されていることは、言うまでもありません。あと、いろんな数値をシミュレーションするのに理科年表も、山ほど参照させていただきました。ということで、ほとんどネタ本の暴露になってしまうんですが、すこしでも興味を持たれましたら、ぜひ参照してください。小説本編なんかよりもはるかに面白くてためになること、うけあいです。

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