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空戦 06
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カズマは予想外の手ごたえの無さに驚いていた。
やはり空軍ジャスティスというのはその性質上、一方的な殲滅戦を想定されているものであり、空中戦の経験が乏しいと思われる。
(とはいっても、あっさりここまでいけるとは思っていなかったですけれど)
カズマは内心で溜め息を吐く。
(――計画外ですね)
元々計画していたよりもスムーズに行ってしまっている。
これはこれで困るモノがある――
(……いや、ないですね。馬鹿なことを考えました)
彼は首を一度振り、相手を睨み付ける。
相手はヨモツ。
豪快な性格に見えて意外と慎重な戦闘をするようだと、この交戦だけで見切っていた。
故に油断は大敵であり、全力で向かう必要があるとも感じていた。
中央のパネルに左手を当て、カズマは気合いを入れなおすために再度、戦闘前と同じ言葉を口にする。
「これから――正義を破壊します」