海戦 13
◆
激しい攻防。
カズマはずっと耐えていた。
――だが。
ガキィイン!
刀が大きく弾かれた。
何とか弾かれた刀を握ったままでいられたが、しかし、それによって大きく身体を空けることとなってしまった。
両手が開いた状態。
つまり真正面ががら空きだ。
『これで終わりだ!』
ブラッドの声がジャスティス内に響く。
その言葉と同時に絶対不可避の攻撃が来る。
避けることも出来ない。
捌くことも出来ない。
どうしようもない上面からの振り降ろし。
もう終わりか?
一瞬、頭を諦めがよぎる。
だが、
「――お兄ちゃん」
コズエの声が聞こえた気がした。
長らく聞いていない、コズエの生の声を。
テレパシー能力使ったのか、それは分からない。
幻聴だったかもしれない。
だが、カズマはそれを幻聴だと思わなかった。
そして、気を持ちなおした。
「ッ! うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!」
カズマは弾かれた勢いを利用するように、自身を強引に回転させ――
「うらぁああああっ!」
相手ジャスティスの胴体を真っ二つにした。
ズ、ズズ……
ブラッドのジャスティスが真っ二つに横ずれをする。
そしてそのまま、ズズンと上半身と下半身が分離した。
決着。
カズマのジャスティスが、ブラッドのジャスティスを真っ二つにした。
どう見てもブラッドのジャスティスはこれ以上動かない。
動けない。
カズマとブラッドの一騎打ち。
勝者は――カズマだった