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Justice Breaker  作者: 狼狽 騒
第二章
54/292

海戦 12

「……えっ?」


 コズエの表情がみるみるうちに驚きに代わる。

 幻聴ではない。


 あれは間違いなく、クロードの返事だった。


 クロードの声を聞き間違えるものか。

 ならばどうして、彼から返事が来たのか?


 奇跡?

 それともここで彼の考えが読めるようになった?

 それともこの近くに彼が来て伝えてくれた?


 ――全部違う。



(……嘘つき)



 コズエの目から大粒の雫が落ちる。

 全て悟った。

 クロードは今まで、コズエに対して優しかった。

 そしてそれは態度だけではなく――


 コズエの能力を必要とする、という優しい嘘をついていたのだ。


 だからコズエも決めた。

 嘘を付こう。

 嘘をついてやろう。

 嘘をついて――やってやろう。


(クロードさん、そんなことをするなんてひどいです。あんまりです。嫌いになっちゃいました)


 にこりと微笑み、大口を開けてブラッドの方へと向ける。

 そして、テレパシー能力でクロードに告げる。




(だから私は――()()()()()()()()()()()()()()()()()

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