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復讐 04
◆
「なん……だって……」
正午。
よく晴れた、いい式典日和。
その式典は当然、最初はアドアニア軍の基地から始まる。基地の中には誰も入れないため、基地の目の前で報道陣を集めながら開会宣言を行い、そこから市内へと行進を始める。
――そんな予定だった。
整列された軍隊の様子を一望できるほどに高くセットされた檀上。そこに登壇している人物――ほとんどが解雇されてしまったため、今はアリエッタとジェラス、そしてこの式典の軍事責任者の三人だけである。
その中の一人であるジェラスは、開いた口が塞がらなかった。
心のどこかで思っていたのかもしれない。
元々住んでいたあの山や学校前などの途中の道で、彼は登場するのでは、と。
その未知のために、ジャスティスは道に等しく配分していた。
だが、完全に想定外だった。
まさか――始まった瞬間に現れるとは。