プロローグ
6章になります
ルード国での戦い、ここで様々なことに決着が付きます
お楽しみに!
この時を待っていた。
ずっと。
ずっと。
どれだけ待ち望んでいたのか。
それは自分にも分からない。
ずっとこの日が来ることを指折り数えていた。
それまでずっと耐えていた。
かなりの遠回りをした。
いや、遠回りに見えて、結局はこれが最短だったのだろう。
そう思った。
――そう思わなくてはやってられない。
決して楽な道ではなかった。
傷ついたこともあった。
心が張り裂けそうになったこともあった。
それでも、ここにいる。
きちんと、ここにいる。
その意味を深く噛みしめる。
一つ。
ただ一つだけを目指してずっと進んできた。
その為にありとあらゆることをしてきた。
全てはこの日の為と言っても過言ではない。
ルード国。
二足歩行型ロボット『ジャスティス』という圧倒的な武力を携えて他国を侵略していた存在。
『|正義の破壊者《Justice Breaker》』。
そのジャスティスを破壊することを目的とし、ルードと比肩する大国であるウルジス国を下に従えた、あまりにも巨大な組織。
両者が大々的に戦闘を行う。
しかも今までのように属国ではなく、ルード本国に対して戦闘行為を宣言したのだ。
この行為は、明らかな意思表示が見受けられる。
――全てを終わらせる、という強い意思が。
本国への攻撃ということは、『正義の破壊者』はルード国そのものを落とそうと画策していることに他ならない。それは今までのような陣取り合戦ではなく、文字通りの最終決戦となるのは間違いない。
残るのはルード国か。
それともウルジス国を従える『正義の破壊者』か。
この戦いによって世界は変革する。
――そして。
自分にとって、この日は始まりだ。
全ての始まりになる。
それが分かっている。
だからこそ、失敗は出来ない。
今までの積み重ね、努力を水泡に帰すわけにはいかない。
緊張感がそのまま顔に出そうになる。
それでも踏ん張る。
内心で歯を食いしばり、表面上では涼しい顔でこなして見せる。
自分の役割を――最後まで。