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Justice Breaker  作者: 狼狽 騒
第五章
194/292

エピローグ

「――ルード国民に告ぐ」



 ラジオ。

 テレビ。

 緊急放送用のスピーカー。

 カーヴァンクル中のありとあらゆる放送機器から声が聞こえてきた。


 その声は聞き覚えのある声だった。

 今や世界中、誰でも知っている人物。


 彼は首都カーヴァンクルに入国する為の関所の一つ――よりにもよってど真ん中に位置している正門に、堂々たる様で立っていた。

 隠さず。

 いつもと同じ黒衣に身を包みながら。

 その少年の周囲には多くの人がいた。

 刀を携えた少年も。

 白衣を着こんだ少女も。

 そして――悪魔に身を売り、正義を冠するロボットに搭乗している少年もいた。

 彼らも同じように、ルード国に向かって立っている。

 胸を張って、立っている。

 逃げも隠れもしない。

 真正面から。

 そんな中、少年は手元にある拡声器に向かって告げる。これは電波を変化させることによってカーヴァンクル全土に響かせている。

 つまり――少年が以前、アドアニアでテレビをジャックした時の応用であった。


「これからルード国首都カーヴァンクルにて行動を開始する。一般市民は直ちに降伏し、こちらの兵が持っている赤い液体を飲んで投降せよ。素直に従えば敵対行動をしているとはみなさず、命の保証を行おう。――但し、武器を手に取りこちらに攻撃する意思を見せる者は、その限りではない」


 右手には武器を。

 左手には赤い液体を。

 周囲の人々は掲げる。


「俺達の目的は虐殺でもなければ、ルード国の領土を奪うことでもない。目的はただ一つだけ。――賢い人達は言わなくても分かるだろう?」


 そこで一つ息を大きく吸い、


「――最後に、名乗っておこう」


 彼はハッキリと自分達が何者かを口にする。


「俺達の名は『正義の(Justice)破壊者(Breaker)』。そして俺は、その代表である――クロード・ディエル」


 クロード・ディエル。

 魔王。


「その名のもとにここに宣言し、ルード国側への通告とする。――聞き逃しは許さない。なのでよく聞け、ルード国民全員、だ」


 そして。

 開戦宣言の代わりとなる一言を彼は告げた。



「これからルード国の――『正義』を破壊する」



 ――こうして。

 ルード国と『正義の(Justice)破壊者(Breaker)』の最終決戦の火蓋が切って落とされた。





 5章 完

これで五章終わりです

次はいよいよ、最終決戦、ルード国での戦闘になります

お楽しみくださいませ

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