プロローグ
カクヨムで完結した小説「Justice Breaker」をこちらでも連載します
全70万文字Overの小説を毎日更新しますのでよろしくお願いいたします。
七年前。
クロード・ディエルは唯一の肉親であった母を殺された。
殺したのは――ロボットだった。
【ジャスティス】
大国【ルード】にて開発された、正義の名を持つ、直立型の二足歩行兵器。
その漆黒のボディは闇の中に消えるのには最適なカラーであり、かつ大型にも関わらず静かなことから、敵国は睡眠不足の苦しみを強いられた。また、ジャスティスは設計図などが一切残っておらず、動力源すら分からないため、どのように動いているのかはパイロットすら知らないという、嘘のような本当の話があった。
そんな究極の戦闘兵器が、クロードが住む国、【アドアニア】に攻め込んできた。
自衛手段を持たないアドアニアは即座に屈し、戦争自体は数日間という、極めて短い間で終わった。
だがクロードの母は、その短い間に殺された。
戦った訳ではない。
重要な役職に就いていた訳でもない。
ただ、クロードを連れて避難していただけ。
それだけなのに、母は拘束され、クロードを含んだ大衆の目の前で見せしめに踏み潰された。
母の死体は回収できなかった。
直視もできなかった。
クロードは、気絶していたのだから。
それでも、その心にはしっかりと刻まれた。
母を殺したロボットである、ジャスティスを絶対に許さない。
破壊してやる。
その全てを破壊してやる。
彼はそう復讐心を胸に宿し、強く誓った。
――しかし時は経ち。
成長する中でクロードは、自分が無力なただの少年であることを痛感しながらも何もできないまま、無気力に生きていた。更に、それを悔しく思いながらも、もう復讐など考えずに今を大切にするべきなのでは、などと妥協する方向も含めて考え始めてしまっていた。
そんな一七歳のある日。
その表面上の平和な時は音を立てて崩れ落ち、彼の世界は再び一変する。
これは、そんな残酷な話の序章。