まずは、状況確認?したいんだケド...
そろそろ話が進むかも?
勇次郎がひとしきり、魂の雄叫びをあげた後、とりあえずここで文句を言ってもしょうがないと気付くまで、小一時間かかってしまったが、とりあえず現状確認をするのであった、
「それで、この船はまだ加速空間の中なんだろ?船内の備蓄や損傷具合とかは、
どーなってんだ?さすがに物資まで無い様なら、見知らぬ宇宙空間でさまようことになるぞ?」
『大丈夫ですよ。現在の船内はマスターが生身の状態でも、50年は生命維持出来る程度の物資はありますし、大気や水など食料プラントも活動中です。各種生産プラントや、補助機器のプラントも問題ありません。それに、加速空間から出たら、また周りの空間から、各種必要な元素等を採取出来ますから...
それと、今のマスターは完全な義体ですので、酸素等の必要分は生体時のほぼ50分の1と環境に優しいエコ仕様ですから約2500年近くは大きな事故でも無い限り維持出来ます。』
「どっかの減税対策車みたいに言うなよ、それでも銀河団の外側なら、早急に物資の補給出来る星系なりを見つけないとな、案外、地球外知的生物が見つかるかも知れんが...」
『もしくは地球外の原生危険動物とかに会えるかもしれませんよ?天の川銀河でも数種類の危険生物が発見されていましたしね。』
実際に銀河系探索調査では、大型の肉食系の原生動物や、他の生物に寄生し繁殖する生物も見つかっているのである。また宇宙空間に生息する、星間生物とも言える、地球の月程もある巨大なケイ素系の宇宙生物も発見されていた。まさにSFFの世界の様であった。
「まぁ別の銀河や銀河団などまさに異世界にも等しいからな、あながち無いとも言えん。ともかく知らない世界と思って慎重に行動しないとな...」
『それは「押すなよ?絶対に押すなよ?」って言うアレでs...「違ぇよ!!」お約束に理解の無いマスターですねぇ...それはともかく、クラウンが中心になって、スペードとクラブ及びドロイド達で周辺等の調査は致しますよ。どんな構成物質の元素や素粒子等が発見出来るかわかりませんしね。』
「さすがに探査調査用の船だな、本気で忘れてたわ...」
『なにげにマスターも酷いですね...まぁ必要元素や物質が無いと、この船の防衛強化や、武装強化も出来ませんしね。それと現在はマスター用の大型強化外骨格機も1台しかありませんし、その消耗品パーツの補給もままならなくなりますからね...』
などと、ジョーカーと会話をしてると、突如クラウンが足元をグルグルと周りながら『御主人、御主人』と、初めて話しかけてくるのであった。
「んっ?どーしたクラウン?初めて喋ったな。」
『はい。姉さんがマスターと呼ぶので、私はどういう風に言おうかな?などと、迷ってなんかいませんでしたよ?では無くて、そろそろ加速空間から出ますので、お知らせしただけです。』
どうやら黙ってたのは、迷ってたからの様だ...若干ツンデレっているのかも知れない...そしてそのままドアを開けて出て行くのであった。
『クラウンはこのまま、管制司令室から各所に指令、監督する様ですので、私達もメイン・ブリッジの方へ、行きませんか?リアルタイムで情報も入ってきますでしょうしね。』
そうして勇次郎達は部屋を出ると、少々足早にブリッジへと向かうエレキ・カートに乗車するのであった。
「この部屋って言うか、このフロアは俺の私室しかねーんだな?」
『はい。このブロック・フロアを中心に上にメイン・ブリッジ等の艦橋部があり、下に各種プラント類と倉庫等があります。後ろの方はメインとサブのネオ・フォトンエンジンの動力部と機関部や搭載戦闘機器の整備格納庫があり、前部の船上部にはマスターの大型強化外骨格機の格納庫ならびに整備室やカタパルト等もありますよ。後は工場部や生産部、研究室、調査室に実験室等もあります。』
「まぁどんなアレな連中が造ったとはいえ、一応最新鋭の技術で作られた調査、探査船だな。そー言った私設は充実してるんだな。おかげで周りの探査が楽出来そうだな。」
『そうですね、マイスター達がアレと言うのは聞かなかったコトとして、小型の機動探査ユニットも多数ありますので、情報も天然資材も集めやすいですから。出来れば近くに資源となる小惑星帯や隕石群でもあれば、専属の護衛艦や攻撃艦とかも製造したいモノですね。』
「ちょっと待てぃ!お前はどこかと戦争でもする気か?もしくは侵略か?俺達はまず、物資等の補給を確保しつつ、地球に帰るのが第一だろーが?幸い?か、一応擬似的に不死だしな、何年掛かろうが俺は地球に帰るつもりだぞ?」
『それでも、帰るまでには不測の事態も起こる可能性もありますし、自己防衛の為にも、その手段や設備は必要だと思われます。それに武器は萌えと浪漫の結晶だとも、私のライブラリーにも書かれておりますが?後、未知の宇宙では、顔の青い、ネコの鳴き声のする宇宙戦艦で襲ってくる宇宙人も存在するとも...』
「どこの宇宙人だよソレは?『たしかガミラs...』待てぃ!!危ねぇーワードをポンポン出すんじゃねーまったく油断もスキも無ぇーな...まさか変な半透明のカプセルとか拾って無ぇだろうな?ともかく、たしかに敵性の外敵もたしかに存在する可能性もあるかも知れんが、過剰な装備は勘弁してくれよ?」
勇次郎も結構ギリギリな台詞を吐いているが...なにはともあれ星間戦争は避けられそうであった...
進まんかった...