01
キャラクターデータが参照できませんので、データ無しです。
申し訳ありません。
※各キャラクターは、イージーエフェクトを必ず取得すること、というレギュレーションでした。
※リンケージマインドを採用しています。
Pre Play
【今回予告】
昨日と同じ今日、今日と同じ明日。世界は繰り返し時を刻み、いつもと変わらなく見えた―――。
絶え間ない衝動との戦い、オーヴァード同士でのいさかい。そんなものにまみれていたとしても、絆あるかぎり、オーヴァードにも人として日常を生きることはできる。
だが、絆という名のよすがは脆く、信じるものを違えたとき、日常という名の平穏は崩れ去る。
コードウェル帰還の余波により一度解体されたUGN加賀峰支部は、新任支部長のもと日常の守り手に足る力を取り戻しつつあった。
新たな仲間も迎え、順風満帆であるかのように思えたそのとき……嘗ての仲間が、友が、街を脅かす。
そしてやがて、失われていた巨大な力が目覚め、牙を剥く。
果てしない戦いの断片、その果てに彼らの手に残る物は何か。
ダブルクロス3rd Edition Twilight Lores 『ちぎりの太刀』
ダブルクロス―――それは、裏切りを意味する言葉―――。
ごん太(以下 GM): ということで、始めたいと思いまーす!
一同: はーい!!
GM: では早速、PC1からいきましょう。まずハンドアウトを読みますので、その後に自己紹介をお願いします。
【PC1用ハンドアウト】
カヴァー/ワークス 高校生/任意
シナリオロイス:山代瑞季 推奨感情:任意/任意
君がオーヴァードとして覚醒し、ジャームとやらを倒してから、ひと月が経った。
UGN、特にPC2や乙原詠子のフォローもあり、不自由などは感じていない。
そんな折、過程の事情で離れ離れになっていた幼馴染、山代瑞季が同じクラスに転入してきた。
旧交を温める中、再び起きたレネゲイド事件が君に知らしめる。もう二度と、何も知らなかった過去に戻ることは出来ないのだ、と。
S真(以下 柳季): はい。名前は巽柳季です。コードネームは“墜星の軌跡”。クロスブリードのハヌマーン/モルフェウスで、<白兵>キャラです。出自は安定した家庭で、経験は信頼で、覚醒は感染。衝動は闘争です。
GM: はい。
柳季: なので、ハンドアウトにある事件のときに感染して、オーヴァードになった感じですかね。
GM: じゃあ、倒したジャームに感染させられたことにしましょう。
柳季: ああ。最初に襲われたときに感染・覚醒して、オーヴァードの力を使って撃退した、と。
GM: いいねー。PC1だね!
柳季: でしょ。で、身長は175cmで、見た目は茶髪の短髪。制服は割と着崩しがち。世間一般的には不良に分類される感じの高校生です。
Mind: ふむ。
柳季: でも別に、授業もちゃんと受けるし、課題もやってくる。
Mind: 真面目だ……(笑)。
柳季: でも、喧嘩ふっかけられたら買うので、不良っぽく見られてる。ただ、根はフェミニストです。
GM: じゃあ、クラスの女子にも優しい感じなんだ。
柳季: そうそう。お母さんとかに「女の子には優しくしてあげて、守らなきゃいけないのよ」とかって言われてたんだけど、昔はどっちかっていうと弱っちかったのです。
Mind: そうなんだ(笑)!
柳季: でも、女の子はやっぱり守ってあげたいし、格好もつけたいので、努力は怠らない感じ。
GM: なるほどね。
柳季: 小さい頃は、瑞季ちゃんのほうが強かったから、年上の子とかから絡まれてても、瑞季ちゃんが自分でノしちゃってたんだよ、多分。(一同笑)
GM: 瑞季強いなー(笑)。あ、ちなみに瑞季はですね、小柄なんですが、気が強いというか、凛とした、意志のしっかりした子で、小さい頃からハキハキしていました。で、実家が謎の古武術の道場をしているので、本人もそこそこの腕前をしているんですが、小さい頃に限って言うと、そこそこってレベルじゃねーぞ、って感じです。
柳季: 道場内でも瑞季ちゃんのお兄さんの次に強い、みたいな感じか(笑)。
GM: そうそう。で、両親が小さい頃に亡くなっているのでおじいちゃんに育てられた、おじいちゃん子なんですよ。そして、6歳年上の兄が居るんだけど、こいつがもう完璧超人。
かずさ: ほう?
GM: そんな二人と柳季が別れたのが、5年前。――――瑞季が中学生の頃ですね。お兄ちゃんは医学部を目指して勉強してました。
Mind: 頭も良かったんだ?
柳季: そう。文武両道で愛想も良くてかっこいいっていう……。
かずさ: 素晴らしい!!
GM: で、瑞季自身は、別に古武術に特化した格闘少女ってわけじゃないんですよ。趣味はアニメ鑑賞で、魔女っ子アニメ大好き。
かずさ: へー。
GM: 自分のことを普通の女の子と思ってた節もあるんだけど、小学校高学年くらいになると、さすがに気付いた。
Mind: あ、私強いかもー。みたいな(笑)?
GM: そうそう。で、そんな二人が、今回5年ぶりに再会する、と。
柳季: はい。実は昔、告白して玉砕しました。
GM: 「結婚してくれ」って言ったら、「私より強くなったらね!」って返されたと。
柳季: で、俺としては、そんなん無理だよ!! ってなった(笑)。
GM: 因みに、なんで瑞季がそんな返事だったかと言うと、兄貴に「お付き合いするなら、せめてお前よりも強い相手にしなさい。」って言われていたからです。
かずさ: お兄ちゃんも、無理難題を出したもんだ……。
GM: だって、妹を誰にも渡したくないもの。(一同笑)
柳季: あ! 今、両親は海外に行っていて、親戚の人の家に住んでいるんですが、ぶっちゃけ一人暮らしです。で、その親戚が道楽でやっている喫茶店で、バイトをしたりしてる。
かずさ: おー。
柳季: で、イージーエフェクトで《軽功》と《真偽感知》と《万能器具》をとりました。ので、嘘をついてるのを見破れるのと、簡単なものなら作れる。
Mind: ほうほう。
柳季: あと、<Rバランサー>で《コンセントレイト:モルフェウス》をとりました。そんなカヴァーが不良な学生です(笑)。
GM: はーい。では次の方~!
【PC2用ハンドアウト】
カヴァー/ワークス UGチルドレン/UGチルドレンX
シナリオロイス:南雲健一 推奨感情:任意/任意
「コードウェルの帰還」がUGNにもたらした衝撃は大きく、君もまた多くを失った。
元々小さな支部ではあったが、支部長をはじめ複数のメンバーがFHへ流れたため、加賀峰支部は一度解体されたのだ。
だが、新しく派遣されてきた支部長や、旧支部からの仲間である乙原詠子とともに立て直しをはかり、今またPC1という新たな仲間を得た。
喪失は癒え、君は着実に新しい歩みを重ねていた。そんな君の前に過去の瑕が現れる。かつての仲間にしてFHに身を置く“裏切り者”、南雲健一だ。彼は言った。「この街でこれから起こることに関わるな」と。
GM: ちなみに南雲くんのコードネームは“神鳴る盾”です。モルフェウス/ブラックドッグのクロスブリード。
Mind: ガードキャラだ!
かずさ(以下 紗代): だねー。……えと、近衛紗代です。コードネームは“光の槍”。14歳で153cmの女の子で、エンジェルハィロゥ/オルクスのクロスブリードです。
GM: はい。
紗代: 《光の弓》《大地の牙》《主の右腕》《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》で攻撃します。地面から槍が生えてくる感じで。で、エンブレムで《レネゲイドトレーニング》をとったので、ドッジと命中に+1Dです。
GM: ん。
紗代: あと、イージーエフェクトで《七色の直感》と《シークレットトーク》と《猫の道》をとりました!
GM: はーい。
紗代: あ、そうだ。思い出の一品で、南雲君にもらったpAqっていうキャラクターのぬいぐるみ……ぬいぐるみ?
GM: ストラップとかでもいいよ。というか、いっぱい貰ってると思って。(一同笑)事ある毎にあげてたから。
紗代: じゃあ、私の部屋はpAqでいっぱいです(笑)。
GM: ちなみに南雲君は、キミより一つ年上で、大変優秀なUGチルドレンですね。具体的に言うと《シールドクリエイト》した後に、ごてごてとエフェクトを使ってガード値を上げていく感じ。
紗代: あぁ、強そう……。
GM: うん。侵蝕率2点消費で30点くらい止めるからね。あと、情報収集も出来ます。
紗代: 何でも屋さんだ!
GM: ただ、敵を倒す能力は、ほとんど無い。
紗代: じゃあ、私は守ってもらってた感じだね。
GM: そうそう。二人での任務だったりすると、目の前で守ってくれる……って感じの、大変頼りになる子でした。ただ、表面だけ見ると、感情が凍りついたような感じなんだけど、内に熱いものを秘めていることを、キミは知っていた。
紗代: うん。《七色の直感》持ってるしね(笑)。
GM: そんな子なんですが、旧支部長とかがFHに行くって宣言しちゃって、いわゆる支部長派がごっそり居なくなっちゃってる状態で、支部が解散されるってときに、彼も離脱を宣言しました。
紗代: うん。
GM: で、「辞めて何処に行くんだ?」と聞いたときの答えが、「俺もFHに行く。」というものでした。
紗代: なんで? って聞いたと思うけど……。
GM: それには、「やりたいことが出来た。」って答えたよ。そしてそれっきりですね。
紗代: そっかー……。
GM: あ、そうだ。紗代の出自とかは?
紗代: あ、はい。資産家の生まれなんですが、生まれつきレネゲイドの力を持っていたので、UGNに預けられて育ちました。
GM: なるほど。
紗代: で、そんな環境自分だけかと思いきや、施設には結構同じような環境の子が居たので、立ち直りました。
Mind: 早い……(笑)。
紗代: そして、さっきあったように、支部長と元仲間がFHに行ってしまったので、コードウェル博士を逆恨みしています(一同笑)。
GM: はい(笑)。
紗代: 高校にも通っているので、柳季とはそこで接触してる感じかな。……先輩だけど。
柳季: 不良っぽい先輩のとこに、平気な顔で訪れる女子か……。
紗代: 目立ってそうだね。
GM: 確かに(笑)。では、三人目いこうか!
【PC3用ハンドアウト】
カヴァー/ワークス UGN支部長/UGN支部長X
シナリオロイス:乙原詠子 推奨感情:任意/任意
君は新生・UGN加賀峰支部の支部長だ。君は旧支部から引き継いだPC2と乙原詠子を預かる身となり、支部の立て直しを図ってきた。加賀峰市周辺のレネゲイドの状況観察、偶発的なジャームへの対応、そして、オーヴァードの保護。
地道な活動が実を結び、PC1という新たな仲間を得た君の支部だったが、一つの転機が訪れようとしていた。
複数のFHエージェントの市内侵入。こちらのリソースは高い戦闘能力を持つPC2と、情報収集に秀でる乙原詠子、協力者であるPC1。皆、本来護り導くべき者たちである。
どのような事態になろうとも、君はこの局面を乗り越えなければならない。
GM: ということで、支部長枠で作ったんですが……どうぞ、エグゼクティブ!(一同笑)
Mind(以下 豊前): コードネーム“インペレイター”、一ノ瀬豊前だ。年齢は16歳。身長147cm、体重40kgの男。ノイマン/オルクスのクロスブリードだ。ワークスはエグゼクティブ。UGN支部長をずっとやってるけど、本質的なところは経営者、的な感じだ。
GM: …………まあ、いいっすよ(笑)。
豊前: えー、待ち望まれた子で、両親から可愛がられていたんですが、10歳のときに両親がFHに行ってしまいまして、その時自分はアメリカ支部に居たので何も出来ず。つい一年程前に、日本のとあるUGN支部を立て直してくれということでアメリカから呼び戻されました。で、そこが終わったらじゃあ、別の支部……って感じで、いつの間にかUGNの支部立て直し係として活躍するようになりました。
GM: はい。
豊前: 初期ロイスなんですが、父・一ノ瀬晃一をタイタスで持っています。あと、前に居た支部の人達ってことで、ロイスを持っています。やれることは《妖精の手》《力の法則》《勝利の女神》ってことで、皆の支援と、《天性のひらめき》で情報収集なんかを出来ればな、というとこです。
紗代: ガチ支援なんだよね。
豊前: そうそう。で、エンブレムとして《オルフェウスリング》を入手しました。あ、シナリオロイスの乙原さんのコードネームは?
GM: はっはっは。俺も今それに気がついたところだ(笑)。どうしよう? 考えてなかった。シンドロームはオルクス/ソラリスで、回復能力には秀でているんだけど、戦闘の現場に連れていくにはちょっとどうかな……っていうスペックの人。
豊前: ふむ。
GM: イージーエフェクトは結構充実してて、オルクスの情報収集系エフェクトも持ってる。趣味はハーブ栽培。
豊前: なんか、いい香りみたいなコードネーム……ないかな?
GM: え? そういうのにする(笑)? ……んと、じゃあ“グリーンハンド”にしようか。“ホワイトハンド”っていうUGNの部隊があるんだけど、それにちょっと因んだ感じで。
豊前: お! いいねー!!
GM: で、“グリーンハンド”って、植物を育てるのが異様に巧い人達のことを言ったりもするみたい。全く同じ条件下でも、その人が語りかけて世話をすると、植物の成長率が上がるっていう。
一同: へー……。
GM: 元々、そういうところでオーヴァードとしての力に気付かれたことにしよう。で、結果として回復能力に目覚めた、と。
豊前: はーい。じゃあ乙原さんには □信頼/不安 でロイスをとりますー。あ、因みに俺がこの支部に来てから、どれくらい経ってるの?
GM: えー、前支部解体のゴタゴタのときに、内紛みたいな状態になって、支部内の機器とかもマトモに使えない状態になってるところに、豊前が来て立て直して……って感じだから、半年は経ってるかな。
豊前: OK。
Opening Phase
01 回想
GM: では、オープニングいきましょう!
一同: はーい!
GM: えー、回想シーンみたいな感じで、まずは皆さん、一緒にオープニングをやります。
豊前: お?
GM: 一ヶ月前――――柳季が、今まさにジャームに止めをさしました、っていうところですね。
豊前: 柳季が覚醒したときのセッションの、クライマックス直後ってことか!
GM: ですです(笑)。
豊前: じゃあ、柳季に言うよ。――――こんな事件が日常の影に隠れて起きている。俺達はこういう事件から日常を守らなきゃならねーんだ。……だが、今この支部には人手が足りない。もし良かったら、オレ達と一緒に、戦ってくれないか?
柳季: ……って、下から言われるんだな(笑)?
GM: だな。二人ともキミよりは身長低いね。
豊前: でも、態度はでかいから(笑)。
柳季: じゃあ、(視線を下げて)……うん。
紗代: ホントですか? では、よろしくお願いしますね。巽先輩! と、下から手を伸ばす。
豊前: ……ダメだ、もう乙原さんだけが頼りだ! 乙原さんは身長170cmくらいで、巨乳だから!
GM: そうなの!?
豊前: 少なくとも巨乳は確定だ! 戦闘力は100くらいあればいいよ。
GM: 戦闘力ってなんだ!?
豊前: バストのサイズだよ。
GM: あぁね……。んじゃ、ちょっとダイス振ってみなよ。
豊前: じゃあ、きゅうじゅう……(ダイスを振る)4! だから94cmだね!
GM: 一の位だけ決めたのかよ!?(一同笑)まあ、じゃあそれで! モデル体型ですね。
柳季: やっとマトモな人が……。
豊前&紗代: うちらもマトモだよ!!
GM: えー、乙原さんが「これからよろしくお願いします。」と、深々と頭を下げた。
豊前: オレは下げないよ。(一同笑)
柳季: 協力するのは、やぶさかじゃないけど……まだ分からないことばっかりだし。
豊前: それはこれから教えてやるよ。あと、お前の力のコントロールについてもな! お前はまだ、力のコントロールが甘い。
柳季: 若干イラっとする。(一同笑)
GM: 支部長の方を恨みがましそうな目で見つつ「……本来これは、とても危険な力なんです。今回暴走したジャームのように、貴方もなってしまうことがあります。そういったときの対処方法を、私達であれば教えることが出来ますので。」と、乙原さんが、丁寧に解説してくれる。
柳季: ――――ま、その辺のことはあんた等のほうが詳しいんだろうから、任せるよ。
GM: じゃあ、そこで握手でもしようか。
柳季: 俺は乙原さんに向かって手を出すけど、乙原さんが支部長の方を見るから、俺も支部長を見る(笑)。
豊前: オレは、“インペレイター”一ノ瀬豊前だ。よろしく頼むぜ。
柳季: ……巽柳季だ、よろしく。――――で、お前、幾つ?
豊前: ん? オレか? 16だ。ちなみにアメリカで大学までは卒業してる。
柳季: じゅ、16……? って、支部長を見下ろしながら首を傾げる(笑)。
GM: ――――ということを夢で反芻しながら、柳季は目を覚まします。
柳季: ……なんか疲れた。(一同笑)ってことで、普通に朝の準備をして、お弁当を作って、冷蔵庫の中身を確認してから、学校に向かうよ。
豊前: 柳季が完璧超人への道を歩んでいる……(笑)。
02 転校生 シーンプレイヤー:巽柳季
GM: ということで、柳季のオープニングいきます。ちょっと時間を進めまして、ホームルームですね。因みに、時期としては、クリスマス前の12月ってことで。
柳季: はーい。――――なんか、朝から疲れる夢見ちゃったなぁ……。
GM: そんな風にキミが頬杖をつきながら気怠そうにしていると、先生が入ってきます。
いつもと変わらぬ様子で教壇に立った担任教師は、どこか楽しそうにこう告げた。
「俺も、こんなことを言うことになるとは思っていなかったんだが。――――今日は転校生を紹介する。」
豊前: 「(生徒になって)おー! 女? 女っ!?」
GM: 「ああ。先に言っておくが、美少女だ。」
豊前: 「(生徒で)おぉー!! マジか!?」
紗代: 「(女生徒になって)男子ちょっと煩いんだけどー。」
GM: 「よしよーし、ここまでテンプレな。落ち着け、お前らー。(教室の外の廊下に向かって)いいぞー、入って。」(一同笑)
教師も生徒も浮き足立っている教室内。
そんな雰囲気をものともせず、廊下で待っていた少女は音も無く教室の扉を開け、凛とした気配を纏って教室に入ってきた。
紗代: なぜか静まり返る教室。
GM: その少女は、教師の横まで来ると、スッと生徒達の方を見て、頭を下げるね。深々とって程じゃないんだけど、パリッとした印象がある。
「はーい、今日から皆のクラスメイトになる、山代瑞季だ。仲良くしてやれよ? ……瑞季、何か一言あるか?」
軽いノリで言われた教師の言葉に、瑞季は一瞬視線を空中に彷徨わせた後、言った。
「い……いえ、特にありません。」
豊前: 「(生徒で)山代さーん、歳はー?」
紗代: 「(生徒で)同い年に決まってんだろ!」
GM: と、そんな外野の声をよそに瑞季は、「よろしくお願いします。」ともう一度頭を下げた後に、言われた席に足音も無く向かいます。
柳季: ――――俺、名前を聞いたときに反応するよね。
GM: まあ、だろうね(笑)。キミが瑞季の様子を見てみるとですね、瑞季は敢えてキミと視線を合わせないようにしているように見える。
柳季: ……まあ、同姓同名の可能性も――――。
GM: で、席に着いたときに、瑞季はちらっとキミの方を見た。
柳季: あ、目が合った。……ってところで、先生が連絡事項とか言い始めるんだろうなー。話しかけられない気がする。(一同笑)
GM: ではそこで、シーンを切りましょう!
03 警告 シーンプレイヤー:近衛紗代
GM: では、次は紗代のシーン。
紗代: はーい、登場(ダイスを振る)……9も上がった!
豊前: すげードキドキしてる!
GM: まあ、ハンドアウトを考えれば、ドキドキもするよね(笑)。えー、ある日の学校帰りだと思ってください。
紗代: お、はーい。
その日も紗代の日常は、いつもと何ら変わりなく過ぎていった。
学校での授業を終えた紗代が、UGN支部に顔を出そうかと考えていると――――。
紗代: 今日の夕飯はどうしようかなー? と考えつつ、支部に向かって歩きます。
GM: では、支部に向かう途中の商店街で、非常に範囲の狭い《ワーディング》を検知します。
紗代: えぇ!?
GM: 明らかにキミを巻き込んでいる……というか、キミに気付かせる為の《ワーディング》だと思われるね。
紗代: 《ワーディング》を張った人物が居ると思われる場所に、《猫の道》を使って移動します。
GM: お。じゃあビルの屋上に着きました。
紗代がビルの屋上に辿り着くと、そこには黒い革ジャンに身を包み、耳にイヤホンをした、二年半振りに会う南雲の後ろ姿が在った。
GM: その姿は、いつもキミを守ってくれていた頃のそれだね。
紗代: ちょっと戸惑ってから、声をかける。……健一。
GM: すると、くるっと振り向いて、「久しぶりだな。」って声をかけてくる。あまり表情の見えない顔でキミの方を見ているが、いつも通りだね。
紗代: じゃあ、いつも仏頂面だったので、習慣的に見てたってことで、つい《七色の直感》で健一を見ちゃう。
GM: えーと……(ルールブックを見て)あ、これ、こっちの<意志>とそっちの<知覚>で対決出来るのか。――――いつも見てたってことだし、紗代がこっちの感情を見ること出来るの知ってるだろうから、今は見られたくないので対決しよう。
紗代: うー……はい。(ダイスを振る)9です。
GM: (ダイスを振る)こっちは13。ということで、キミには感情が読めなかった。……でも、こっちもキミの感情を読むようなエフェクトは持ってないから、「――――元気だったか?」って聞いてくる。
紗代: 対決されたのは判るので、ちょっと悲しい顔をしてから、こくりと頷いて。健一は? って聞く。
GM: 「俺のほうはなんとか上手くやっている。」
紗代: 何しに来たの?
GM: 「警告に来た。……これからこの街で一騒ぎ起こる。この街でこれから起こることに、お前は手を出すな。」
紗代: 手を、出すなって……。
GM: 「UGNの支部が再建されたと聞いた。そこに居るんだろう?」
紗代: 頷く。
GM: 「そこまでやれとは言えないが、出来ることならその調査の足を引っ張って欲しいくらいだ。」
紗代: ……。
GM: 「お前は関わるな。しばらくすれば嵐は過ぎ去る。」
紗代: それが……健一の「やりたいこと」?
GM: 「ああ。その通りだ。」
紗代: ……黙って見ていれば終わるのかも知れないけど、今の健一を見てると、それは出来そうにないかも。
GM: それを聞くと、眉根が寄る。困ったときとか、疑問を感じているときに、よくしていた顔だね。
柳季: 「解せぬ」って感じか。(一同笑)
GM: 言外に、「何故だ?」って聞いてるように見えるね。
紗代: ――――健一の心が、「見えなかった」から。
GM: (納得したように)あぁね。じゃあ、苦笑いして「相変わらず、答えにくいことを言う。」と言うかな。
「警告はした。もし関わってきたとしても、――――今の俺はお前を守れない。」
最後にそう言い残し、南雲健一はビルの上から跳躍した。
紗代: 追うことは出来ずに、健一が去ったほうを見てます。
GM: というところで、シーンを切りましょうか。
紗代: はーい。ここで、好意/■不安で、健一にロイスを結んでおきます。
04 緊急事態 シーンプレイヤー:一ノ瀬豊前
GM: んでは、支部長のシーンにいきましょう!
豊前: (ダイスを振る)おぉー、すげえ上がった!? GM,ここは何処ですか?
GM: はい。では、オープニングのシーンをまず俺が描写するので、大人しくしていなさい。(一同笑)
豊前: くそー……(笑)。いいよ、大人しくしてるよ。
GM: キミが支部長業務に励んで――――ちょっと徹夜をしちゃいました。霧谷雄吾あたりにせっつかれて。
豊前: ったく、雄吾はしょーがねーなー。
GM: で、ちょっと執務室を出てきて、缶コーヒーでも飲もうかなと思ってたところで、小脇に荷物を抱えながら小走りにやって来た、詠子さんの胸にキミは埋もれます。(一同笑)
豊前: (嬉しそうに)おぉ!!
GM: っていうシーンがやりたかったんだろう? じゃ、勢いがついてたから、ぶつかった衝撃で倒れた、ってトコまでお膳立てしてやろう(笑)。
豊前: オレのほうが背ぇ小さいから、オレが押し倒される感じだな。(一同笑)――――これはこれで幸せかもしれないが……うーん。とりあえずちょっと、そこをどいてくれるか?
GM: 詠子さんはちょっとトロくさい設定なので、しばらく「あいたたた……。」ってしてるよ。
豊前: じゃあその間、待ってる。(一同笑)
GM: ではキミに気付いて、そそくさと離れて、正座をしながら「失礼しました。」って言う。
豊前: あーいや、いいよ、大丈夫。……起こして(笑)。
GM: 起こしてくれるよ。
豊前: よいしょっと。で? そんなに忙しそうにして、どうしたんだ?
GM: 「大変です! 街中のレネゲイド計測装置の幾つかが、異常な値を確認しています!!」
豊前: 何っ!?
乙原は、ここ数日に計測された数値の情報を豊前に報告し、そこから導き出される現状を報告した。
GM: 「複数のオーヴァードが、エフェクトを使用している形跡が確認できました!」
紗代: は、すいません。(一同笑)
豊前: 確かに使ってたな、《猫の道》を(笑)。
GM: 「更に、先ほど手に入れた情報なのですが、FHエージェントの“神鳴る盾”という男が、街中で目撃されています。」
以上の情報から、最悪この街でFH或いは別の組織と“神鳴る盾”が交戦状態にあるのではないかと推測される。
一見、一般人に被害が出てはいない様に見えるが、実際どんな状況なのかは分かったものではないと、乙原は語った。
豊前: わかった。一旦落ち着いて、皆を集めてくれないか?
GM: 「はい、わかりました!」というところで、正座を解く。――――ということでキミは、起こしてもらってから今まで、詠子さんの胸を間近で見ることが出来ました。
豊前: なんだって!? そりゃ侵蝕率上がるはずだ。――――満足。(一同笑)
GM: こんなシーンで良かったかね?
豊前: 充分だ! 侵蝕率が10上がった甲斐があったよ(笑)。
◆ ◆ ◆
豊前: ちょっと、キャラクターとして大事なトコなんですけど、この市のUGN支部は表向き、どんな感じのカモフラージュしてる?
GM: あぁ、そうねー……。
豊前: オレの後任は詠子さんだろうから、詠子さんがやりやすい形で残してあげたいのね。で、詠子さんとしては、花屋さんがやりやすいとか、あるのかなー? って思って。
GM: 店舗を構える気は、ないよ?
柳季: ネットの通販とか?
豊前: んじゃ、ネット販売で、詠子さんが作った香水売ってるとか。
GM: あー、それでいいかもしんない。通販でアロマとかハーブとか売ってる感じで。まあ、ビル一個丸々持ってて、雑居ビルみたいな構えになってるってことで。
豊前: OK! これで事務所が襲撃されても大丈夫だ。(一同笑)