表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

3一運命の赤い糸で繋がれたあの人

それなのに。

何故人生とはこうも思い通りにいかないものなのか。

今警官に見つかっているのか。


「死ねぇ!!」

能力者を殺しても、死刑にはならない。

能力者は殺しても、罪には問われない。

能力者は、狩りに使われる鷹かウサギのような存在だ。

能力者危険だ。だからこそ、無能力者のストレスのハゲ口となり、突然もたらされる死。残虐な死。

ただ、能力があったせいで。

電極をつけられ、一緒モルモットとして生きるなんて。


嫌だ。

それは能力者に生まれてしまった者ならだれもが思うことだろう。

そうでない能力者なんて、ただの自殺志願者と変わらない。


目の前には、おびただしい量の赤い血が流れている。

どろり、どろり。

びちゃびちゃ。

視覚の暴力だけならまだしも、鉄の錆びたような臭いが鼻をつく。血があるということは。

その原因もあるという事で。


死んでいる?

ああ、そうだ、死んでいる。

濁った眼球、ポッカリと空いた口、破裂した皮膚、流れていく残骸。


やめて。そんな世界は・・・・-----


「どうしました?」警官が私を見つめている。

「な、なんでもありません・・・・」

またか。このタイミングで。まずい。

だが、今は私の人生がかかった大事なタイミングだ。そんなことにまどわされてはいけない。

フラッシュバックした記憶を無理やり閉じ込める。

今はこのタイミングで、これがくるなんて・・・・・。車酔いにも似た、吐き気を無理やり閉じ込める。

ここを乗り切らなければ、私の未来はない。

能力者とばれてしまえば、お父さんやお母さん、生意気な弟まで道ずれだ。

死よりもひどい拷問、道ずれに家族を巻き込むわけにはいかない。


「どうしました?」

「何でもありません。」

早く終われ、終わるんだ。くそっ、めまい、吐き気、自分を支えている何かを守らなければ。

ここで、ここで、こんなところで、ばれるなんて・・・・・・・・。


「きゃああああああああああ!!!!!!!」

耳をつんざくような女の悲鳴が聞こえた。私を見つめていた二人の警官の興味が逸れる。

「すみません、吐きそうです・・・」

それだけを言い捨てて、私はドブの排水溝へ駆け寄り、胃の中のものを出すことにした。

もう限界である。


ふたりの気配が遠ざかっていくことを背中で感じながら、私はその場で気分の悪さを解消するために、ひとまず、胃の中のものを吐き出すことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ