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イマゴロセツナ 詩集

極楽浄土行ってきます

作者: keisei1

 

 紙飛行機が飛ぶ空を見て 響く愛の唄も虚ろに

 投げやりな 僕の思春期 やりきれない鉄板ネタ

 だって二人はピエロじゃないからね


 教室へと駆け込んで 開くノート 真っ白なまま

 課題を忘れた 僕がイヤだよ そんな早朝



 「ドアが開き 風になびいた 君の髪がやけにキレイで」

 そんな常套句 口に出せずに すぐに飲み込んだ


 挨拶だけでも出来ればと 思いはしても

 君には彼がいて 割り込むのは 出来なくて



 紙飛行機が舞う空を見て 歌う愛の唄も響かず

 僕の心は真っ逆さまさ 極楽浄土行ってきます


 四面楚歌の僕の思春期 笑いきれない鉄板ネタ

 だって僕と君はジョーカーじゃないからね



 下校時間 君の姿が 揺れては離れ 手を伸ばすも

 届きはしない 僕の想いは ループしてる



 「自転車乗り 遠ざかる君 見つめていたい」 

 そんな常套句 口に出せずに 一気飲み干した


 春が遠く 通り雨降る その通りで

 君が一瞬振り向いたよ 僕の気配に気が付いて


 紙飛行機が空から落ちて 君が拾い上げてくれたよ

 彼女は笑顔見せて 唇噛む 「彼とは終わったの」


 神様 「これは何なの?」 僕には持て余してしまう

 甘酸っぱい想い抱えて 極楽浄土行ってきます


 彼女は俯いて 僕の服の裾を引っ張った


 紙飛行機が飛ぶ空見て 響く愛の唄は「これか!」と

 耳澄まし 聴いてみてみりゃ 結構 胸に染み入った


 神様 「伝えてもいいですか?」 彼女への僕の想いを

 とりあえずは 失敗しても 成功しても 

 どちらにしても極楽浄土行ってきます


 震える口を開いて 昨日までのピエロとさようなら





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