世界は君のものだから
もうダメだ、と思ったことが人生の中で何度あっただろうか。挫折を繰り返す度に自己嫌悪に陥り、自分がいかに無意味な存在なのか思い知って来た。そんな毎日を送り続けて来た。
だけど、こんなやつを愛してくれるあなたが居た。あなたはいつも、この心にそっと触れて、詰まった想いを解してくれるような言葉をくれた。
「今日も頑張ってるね」
ありがとう、も言えない自分を恥ずかしくも思いながら、あなたの言葉を幾度も噛みしめた。
春は爽やかな春風がよく似合う。
夏は日射しを弾き返すようなサングラスがよく似合う。
秋は紅葉のボルドーがよく似合う。
冬は暖かそうな毛糸のマフラーがよく似合う。
あなたが嬉しそうだと幸せに、あなたが悲しそうだと辛くなる。一緒に笑って、一緒に泣いて、色んな感情を教えてくれた。
あなたは言った。
「すごく綺麗だね」
今日もまた、何も言えない。
「君には無限の可能性があるんだよ」
あなたは美しく微笑んだ。
「世界は君のものだから!」
時を止められるなら、どれだけいいだろう。
あなたはすぐに居なくなり、また一人で、永い永い時を進んで行く。
読んでいただきありがとうございました!
なんだかよく分からなかった、と思った方もいるかもしれません。
自分の中の設定では、主人公(?)は木だというイメージです。性別を判断しにくくするために、一人称を使わないようにしました。でも男っぽいかな…?
読み手の解釈でいろんな見方ができる、そんな話になってればいいなと思ってます^_^