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第十一話 足りぬ力

空は茜色に染まり、その光は町の光景も昼間とはまた違う風景へと変えていく

ステラの町西門近くには、夕餉の仕度の時刻であるにもかかわらず人だかりができていた

騒ぎは6名の男女を中心として円を作っている


「それでは不穏分子の討伐を始める!」


その言葉と共に動き出した兵士を見て人垣から悲鳴が上がり、巻き込まれないよう逃げるもの、改めて距離をとり見物するものに分かれる

中央で喋っていた兵士Aは真っ直ぐ亮平のへと向かう

それに付き従っていた兵士Bへは綾乃が向かった

この行動に兵士Bは驚いたようだ。


「娘!後ろで震えていれば怪我せずに済むものを!」

「・・・」


その姿を見た亮平は兵士Aとの戦闘に巻き込まぬよう少し距離をとる




兵士Bへと向かった綾乃は速度を緩めると、無造作に剣の間合いへと踏み込む

その瞬間兵士Bの剣がなぎ払われるが綾乃はこれを後ろへ大きめに回避

間をおかずに接近すると兵士Bは剣を両手で持ち上段から振り下ろす!




兵士Aに狙われた亮平は、ひたすら避け続ける

ただ逃げるのではなく、念のためフィーリアを視界に収め離れすぎないという制限付きでだ

この騒ぎの隙に連れて行かれては意味がない


「チッ、ちょこまかと!」

「・・・っく」


はっきり言って余裕など皆無だ、さっきまでの相手を挑発する態度をとることもできず、ただただ必死に避け続ける

綾乃たちのほうから見物人の悲鳴とどよめきがあがった。


「馬鹿なヤツラだ金を受け取って、黙って去ればこんな事にはならなかっただろうに!」

「・・・ッ!」


(ヤバッ!やられる!?)


連続した回避に体勢がついてこれず、動きが鈍ったところに剣が振り下ろされ、とっさに亮平は右腕を防御の形にさしだす

勝利を確信した兵士は、次の瞬間目の前に迫る地面が何なのかわからずに顔面を打ちつけ、意識を暗転させた。




亮平が冷や汗を流しながら防御の構えを解くと、近くにいた綾乃が口を開いた


「やはり一度鍛えなおした方がいいんじゃないか?亮平」

「はははは…、お手柔らかにお願いシマス」


幼少期の道場とは別の綾乃の特訓ボコボコにされたことを思い出して、ぎこちなく笑う亮平


「き、貴様ら!こんなことをしてただで済むと思ってるのか!?」


あっという間に二人の兵士を無力化され狼狽した兵士Cはフィーリアを人質とするかのように捕まえたまま、悲鳴のような怒鳴り声を上げていた


「怒るなよ、多分誰も死んじゃいないぜ?」


側面から綾乃に投げられた兵士Aはヤバイ角度で落ちた気がするが、綾乃を見ると当然だと言う顔で頷かれた


「なっ!?そ、そうではない!占領軍に―――」

「その手を離せゲスがああああああああああ!『魔力よ!敵を撃てーーーーー!』」


とんでもない怒りの声と共に人垣の中から放たれた光弾がフィーリアを拘束していた兵士の顔面で炸裂した


「馬鹿野郎!ひ、フィーリア様を巻き込む気か!」

「っ!フィーリア様!大丈夫ですか!?」


怒声&慌てた声と共に姿を現した複数の傭兵風の男達がフィーリアの安否を確かめ、地面に倒れた兵士を殺していく

そのとき視界入ったのか、慌てていた男の目が亮平と綾乃を捕らえる


「!?貴様らッ!」


亮平は怒りの表情を浮かべこちらを睨む男に見覚えがあることに気付く


(げッ!召喚の間で綾乃を睨んでたヤツじゃねぇか!?)


怒りの表情のまま片手を上げ亮平達の方へ向ける男に気が付いたフィーリアが叫ぶ


「やめてロコト!その人達は私を助けてくれたの!」


フィーリアの必死な声に一瞬戸惑った表情を浮かべた彼(ロコト?)はすぐに表情を改め亮平たちの方を向く


「オマエ達も来い!」

「は?何で俺らが―――」


その直後人だかりの後ろから「この騒ぎは何だ!」という怒鳴り声が聞こえた


「!不味い亮平、現状で残っても彼らの仲間と見なされる可能性が高い」

「っくそーーー!予定がコロコロ変わりやがる!仕方ねぇ、こいつらについて行くぞ綾乃」


こうなってはシェルトリー軍のうろつく町を自力で抜け出すよりは、彼らの手を借りる方が安全だと判断した亮平は仕方なく彼らの後を追って駆け出した。


「ってまた走るのかよーーー」


♪走る~走○~おれーた~ち


いっそのことタイトルRU○NERにでもしましょうか

いや、やりませんけどね?


今回はちょっと短いですがここで切ります

おかしいですね、ステラに着いたらその日ぐらいはゆっくりする筈だったんですが…

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