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【第一章完結】ナルシズム!!  作者: おしるこ星人
第二章 蹴っ飛ばせ!青く輝くその足で!!
25/37

25. ド素人


【前書き】


世界一のかっこよさを目指す男、鳴紫恋なるしれん


かつての旧友ーー青斗との再開を果たす。


互いを懐かしんでいるのも束の間、

突如サッカーバトルに巻き込まれてしまう。


一体、勝負の女神はどちらに微笑むのか?


いざ、キックオフ!!



「ねぇ聞いた?」


学園のグラウンド中央。

サッカー部を中心に、

運動部の生徒がわらわらと集まり、

あっという間に人だかりができていた。


「サッカー部の一年が二年に喧嘩売ったらしいぞ!」


「マジ?面白そうじゃん!」


野次馬が雪崩のように押し寄せる。


渦中の中心に立つのは――

一年のエース、榊原青斗。

二年の剛田と佐伯。


そしてーー


「恋、すまない。変なことに巻き込んで……」


「何言ってんだよ。

 あんなこと言われて引き下がれるわけねぇだろ?

 俺のかっこいいが廃る!」


そして、なぜか俺がサッカー部とは無関係にも

かかわらず巻き込まれていた。


俺が笑うと、青斗の表情がわずかに緩む。


「安心しろ。お前と俺なら負けない」


その強気な姿勢に青斗は一瞬だけ驚き、

すぐに微笑んだ。


「恋、お前、サッカー経験は?」


「ないっ!」


清々しいほどの即答。


青斗は驚きもせず、理解したように頷く。


「……そうか。じゃあ続けて一応…」


その目が鋭く光る。


「――久しぶりに、走れるか?恋」


その視線に心が熱くなった。


「もちっ!」


その瞬間、剛田が大声で割り込んだ。


「作戦は決まったかぁ!?

 負けたらお前らは一生俺らの奴隷な!

 それと一年全員、明日のグラウンド整備!

 連帯責任だ!文句はねぇよな?」


一年たちの肩がビクッと震える。


「頑張って青斗!負けるなそこの人!」


「青斗、頼むぞ!!そこの人も!」


一年たちは必死に応援し始める。


「てめぇら!どっちを応援してんだ!!」


佐伯が怒鳴るが、誰も止まらない。


俺は剛田と佐伯を見据え、ニヤリと笑った。


「あぁ、それじゃあ、俺らが勝つから、

 負けたら――先輩方は謝罪な。

 きちんと気持ち込めて、青斗と小鳥遊に」


剛田の眉が跳ね上がる。


「……ほぉ?言うじゃねぇかド素人」


佐伯もニヤつく。


「面白ぇ。泣く準備しとけ」


青斗が俺の横に並ぶ。


グラウンドにはさらに人が増え、

ざわめきも大きくなっている。


「恋、開始と同時に何も考えず前に走れ、

 3秒後パスを出す」


「オーケー、五年前を思い出すな!」


脳裏には、五年前の記憶が鮮明に蘇る。


「おい、高木!審判頼んだ」


「はいよ」


剛田が二年の高木に審判を任せ、

ボールを拾い上げて中央に置く。


「ルールは簡単だ。

 コート半分、キーパーありの二対二。

 先に二点取った方の勝ち。

 初めのキックオフはお前らにくれてやるよ。

 後で言い訳されても困るしな?」


「ありがとうございます」


青斗は真っ直ぐ剛田を見て、素直に受け取る。


その様子を葵は心配そうに見つめていた。


(青斗……キレてる……)


全員が所定の位置につく。


俺は指を組んで伸ばし、青斗と目を合わせる。


青斗が微笑む。

俺も笑う。


グラウンドの空気が張り詰め、

試合開始の瞬間が迫る。


「準備はいいか?」


審判の高木が両チームに確認する。


「あぁ、いつでもいいぜ」


剛田は余裕の笑み。


(所詮は一年とド素人。

 素人がボール持った瞬間、二人で潰せば終わりだ)


「そっちは?」


青斗は一歩も動かず、短く答えた。


「大丈夫です。準備なんていりません」


高木が一瞬だけ動揺し、右手を上げる。


グラウンドが静まり返る。

空気が張り詰める。


高木は息を吸い、笛を咥え――


「それでは、試合、開始!!」


ピーー!!


その音が響いた瞬間。


俺は消えた。


ビュッッ!!


空気が裂ける音だけが残り、

剛田の前を“何か”が通り抜ける。


「……は?」


剛田の反応が一拍遅れる。

その間にも俺はコート奥へ到達していた。


「一…」


青斗は微動だにせず、静かにカウントを始める。


「速っ!?」


「今の見えた!?」


「一年の動きじゃねぇ!!」


観客がざわついていた。


「ニ…」


青斗の目は一点だけを見ている。

俺の走りを“完全に信じている”目だ。


「テメェ青斗何考えて――」


「三…」


淡々と告げた瞬間、

青斗の右足がノーモーションで振られた。


スパンッ!!


ボールが地面を這い、

一直線に俺の走る軌道へ吸い込まれる。


完璧すぎる軌道。

初心者の俺でも振り返らず、ただ足を伸ばすだけでいい。


トンッ。


軽いタッチ。

だが、その一歩で――


佐伯の視界から完全に消える。


「は!?どこ行った!?

 おい、マジで見えねぇ!!」


剛田が叫ぶ。


「馬鹿野郎!後ろだ!止めろ、佐――」


その瞬間。


バシュッ!!


ボールは綺麗な弧を描き、

キーパーの頭上を越え、

ゴールネットへ突き刺さる。


静寂。


一秒遅れて――


「決まったああああああああ!!」


一年たちが爆発したように叫ぶ。


「速すぎる、何だあいつら!!」


「青斗のパスとあいつの走り、反則だろ!!」


「二年、触れてすらねぇ!!」


青斗が歩きながら俺の元へ駆け寄る。


「……さらに速くなったな。

 ナイス、シュート!」


俺は息一つ乱さず笑った。


「俺に任せりゃこんなもんよ!

 つーか、お前のパスも完璧すぎんだよ、天才!」


二人は拳を合わせる。


佐伯は口を開けたまま固まっていた。


「……は?

 何だよあいつら……化け物かよ……」


剛田の顔からも余裕が消える。


「……チッ、調子乗りやがって……!

 佐伯、アレやるぞ」


「おうよ」


二人は目配せし、明らかに“サッカーじゃない何か”を

仕掛ける構えをとった。


グラウンドに不穏な空気が漂い始める。



【後書き】


※サッカーをメインの題材にした小説ではございません。


お読みいただきありがとうございます!


読んで下さったあなたはヒーローです!


ブクマされたら泣いて喜びます!


気軽に感想、コメントお待ちしております♪


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