20. 言うほど悪くねぇな
世界一のかっこよさを目指す男、鳴紫恋。
タカシとの激闘を終え、
ようやく夜に静けさが戻ったかに見えた。
だがその裏で、まだ物語は止まっていない。
第一章完!!衝撃のラストを見逃すな!!
バゴォォォン!!
「ーー!?」
遠くで何かが弾けるような爆発音が響いた。
その音に、
倉庫の最深部で倒れていた剛が目を覚ます。
「いってて……なんだ今の音……」
痛む身体を押さえながら周囲を見回す。
「……そうだ。俺、恋に託して……そのまま……」
死に物狂いだったせいで記憶は曖昧だが、
断片をなんとか繋ぎ合わせる。
「今行っても足手まといだよな……」
加勢に向かいたい気持ちを必死に抑え、
ボロボロの身体を無理やり起こす。
「とりあえず……外に出るか」
バットを杖代わりにしながら、
剛はふらつく足取りで来た道を戻る。
途中、ドグマやガンマと戦った通路を通るが、
彼らの姿はどこにもなかった。
入り口付近では、
タカシの部下たちが全員気絶して転がっている。
暗がりの先に外の明かりが見え、
剛はようやく倉庫を抜け出した。
「……ふぅ。なんとか、生き残った……」
安堵の息をついたその時――
「あなた。こんな時間に、ここで何をしているの?」
鋭い声が飛んできた。
振り向くと、学園の制服を着た女子生徒が
刺股を構えて立っていた。
長い黒髪が夜風に揺れ、目は完全に警戒している。
剛は思わずバットを地面に置き、両手を上げた。
(やべぇ……まだ生徒が残ってたのか……
この状況見られたら、面倒くせぇ……)
「答えなさい!
そんなボロボロの格好で、
ここで何をしていたの!」
剛は咄嗟に誤魔化すため、質問を質問で返す。
「あんたこそ……こんなとこで何してんだよ?」
「私は一年の風紀委員!
夜の学園を見回ってたら、
グラウンドの方からドデカい音と光がして……
ここを通ったらあなたがいたの。
関係があるなら答えなさい!」
剛は即座に嘘をつく。
「俺は何も知らねぇよ。
体育の授業のあと倉庫で寝てたら、
なんか波動に撃ち殺される夢見て……
気づいたらこんな時間になってた。
爆発音が聞こえたから起きてきただけだ」
「波動?よく分からないけど……
今まで倉庫で寝てたってこと?」
「そう。だから俺は関係ない」
「じゃあ、なんでそんなにボロボロなのよ」
「体育でちょっと激しく野球してたらこの様だ。
見てくれよ、このバット。新品だったんだぜ」
剛は地面に置いていたバットを持ち上げて見せる。
彼女は眉をひそめ、じっと剛の顔を覗き込んだ。
「……まぁいいわ。
関係がないなら、
巻き込まれないうちに帰りなさい」
「そうするよ。今日は疲れたしな」
彼女は念のためか、倉庫の入り口の方へ歩き出す。
(おいおい……なんでそっち行くんだよ。
入り口壊れてんだぞ……見られたら終わりだって)
剛は焦り、思わず叫んだ。
「おい、あんた!」
彼女の足が止まる。
「何?まだ何か用?」
「用があるのはグラウンドだろ?
急いで行った方がいいんじゃねぇか?」
彼女は倉庫の方を一瞬見るが、暗くて中は見えない。
そして、何か考え事をした後、
思い当たったように頷いた。
「……確かに。
何かしてるなら現行犯で捕まえた方がいいわね。
急がなくちゃ」
剛は胸を撫で下ろす。
(本当はグラウンドも危険かもしれねぇけど……
倉庫の中を見られるよりマシだ)
「女子一人じゃ危ねぇかもしれないし、
俺もついてくぜ」
「そんなボロボロで私を守れるの?
……まぁ、ついてきたいなら好きにすれば?」
(なんだこの女……護ってやろうと思って言ったのに)
「……あぁ、そうさせてもらう」
二人はグラウンドへ向かいながら歩く。
「で、あんた名前は?」
「人に名前を聞くときは、
まず自分から名乗るものよ」
(なんなんだよこの可愛くないガキ……
見た目はちょっと可愛いかもしれないけど、
マジでムカつく)
「剛だ。赤羽剛」
「そう。私は西条黒音。よろしくね、剛」
「いきなり距離感近くねぇか?」
「そう?私に名前呼ばれて嬉しくないの?」
「あ?どんだけ自信あんだよ……
って、あれ?この感じどっかで……」
「……?」
黒音が首を傾げる。
(……恋に似てる)
剛は密かに思った。
「本気にしたの?冗談よ」
黒音はため息をつく。
(……まぁ恋ほどじゃねぇな。
あいつなら“自分のかっこよさ”を
信じて疑わなさそうだし)
そんな会話をしているうちに、
二人はグラウンドへ到着した。
黒音が周囲を見回し、すぐに三つの影を見つける。
刺股を握る手に力が入った。
「いた……犯人!影は三つ!現行犯ね!
一体あんな所で何をしてるのかしら……
まぁいいわ、捕らえて吐かせる!
剛、援護しなさい!」
「なぁ……もう戦ってる様子はねぇよな?」
「は?何言ってるの?
……確かに、戦ってるようには見えないけど」
「だよな。良かった……安心した」
(勝ったんだな、恋)
剛は確信していた。
「さっきから何言ってるのよ!とにかく――」
黒音が言い切る前に、剛が前に出て叫んだ。
「おーーい!!終わったんだなーー!!」
「ちょ、ちょっと!?何やってんのよあんた!!
逃げられたらどうするの、この馬鹿!!」
「すまん。でも、どうやらもう終わってる。
だから大丈夫だ」
「終わったって何!?
もしかして剛、最初からあいつらの仲間!?
私を騙してたの!?」
「騙すつもりはなかったんだが……
あー、ややこしいな。
とりあえずあっち来て、俺らの話を聞いてくれ。
ちゃんと説明するから」
剛はグラウンドを指差し、黒音に頼んだ。
「は?
騙してた相手の言うことなんて誰が聞くものか!
剛、覚悟しなさい!!
あなたは私が確保する!」
黒音は怒りを隠さず、刺股を構えた。
騙された悔しさがそのまま剣呑な空気に変わる。
剛は一歩下がり、空気がひりつく。
その時――
「ごーーう!!歩けるようになったのかーー!!」
グラウンドから恋の声が響いた。
剛は黒音を横目に見ながら叫び返す。
「あぁーー!かなり歩けるようになったーー!!
そっち行っていいかーー!!」
「大丈夫だーー!もう全部終わったーー!!」
剛は黒音に向き直り、グラウンドを指差す。
「な?あいつらも捕まえたいんだろ?
行った方が早いって」
黒音はしばらく剛を睨んでいたが、
やがて肩の力を抜き、刺股を下ろした。
「……ったく。仕方ないわね。
早く案内しなさい」
剛と黒音はグラウンドへ向かい、恋たちと合流した。
「恋、勝ったんだな!」
剛は嬉しそうに声を上げる。
「あぁ!なんとかな!
剛、お前のおかげでもある!」
ほのかも頭を下げる。
「あの、剛くん?本当にありがとうございました。
あの時は手当てできなくて……すみませんでした」
「あぁ、赤羽剛だ。
俺はお前を傷つけようとした側だ。
そんなことされる道理はねぇ。
でも……無事でよかった」
三人が話していると、黒音が割って入る。
「げっ……鳴紫恋。
あんたが絡んでたのね……」
黒音は頭を抱えた。
「恋、知り合いなのか?」
剛が尋ねる。
「いや、俺は初めましてだが?どっかで会ったか?」
黒音は呆れたように言う。
「鳴紫恋。一年の問題児。
この学園じゃ有名でしょ。
風紀委員なら嫌でも知るわよ」
「そうか!俺はそんなに有名なのか!
日々の成果が出てきてるってわけだな!」
「褒めてないわよ……」
黒音はため息をつき、鋭い目で三人を見る。
「で、あんたたち。ここで何してたの?
さっきの爆発音は何?
あの光も……あんたらのせい?」
三人は黙り込む。
黒音の表情がさらに険しくなる。
恋が口を開きかけた。
「ーーそれは俺が……」
しかし、その言葉を遮るようにタカシが前に出た。
「全部……僕のせいだ」
黒音は目を細める。
「どういう意味?」
「僕が……そこにいる白石ほのかを倉庫に拉致した。
鳴紫と赤羽は、それを助けただけだ。
あの音と光は……揉めてたときにな。
全部僕のせいだ。こいつらは関係ない」
「拉致って……犯罪じゃない!本当なの?」
黒音は衝撃で恋に確認する。
「……あぁ、本当だ」
黒音は言葉を失った。
ほのかが慌てて口を開く。
「でも、佐藤くんも……
悪気があったわけじゃないというか……」
「どうしてあなたが庇うのよ?被害者なんでしょ?」
その言葉に、ほのかはハッとした。
加害者に同情してしまう癖が、また出てしまった。
黒音は剛を見やる。
「……だからさっき、剛は倉庫にいたわけね」
「あぁ、騙すつもりはなかった……すまない」
「でもどうして、
私に嘘までついて佐藤を庇おうとしたのよ。
犯罪者じゃない」
「俺も同類だ。こいつに加担した。
罰せられるべきなのは俺も同じだ。
それに……恩がある」
黒音は眉を寄せ、ため息をついた。
「ややこしいわね……。
でも、本人たちが納得してるなら……まぁいいわ。
この件は私一人じゃ対処しきれないし、
今日はもう遅い。
佐藤が逃げる気もなさそうだし……
学園には私から報告しとくわ」
黒音は小さく何かを呟く。
「……それに、じゃ……なかったし」
恋が聞き返す。
「何か言ったか?」
「別に。
白石さん、あなたもそれでいい?」
ほのかは少し迷ってから答える。
「はい。でも……私は被害届を出しません」
「何言ってるの?あなた拉致られたんでしょ?」
「許せない気持ちはあります。
でも……佐藤くんもずっと苦しそうだったから。
もう二度としないって約束してくれたら、
それでいい。
それに……今度からは鳴紫くんが
見張ってくれるんですよね?」
恋は胸を叩く。
「まぁ、約束したからな」
黒音は呆れたように肩をすくめた。
「はぁ……
加害者に同情する被害者なんて初めて見たわ。
……ったく、あなたが被害届を出さないなら、
学園には“トラブル”として報告しておく。
それでいい?」
「はい、大丈夫です」
「なら決まり。
あんたらも早く帰りなさい。
今度から喧嘩するなら、学園外でやってよ」
黒音はあっさり背を向け、帰っていった。
剛がぽつりと呟く。
「意外と柔軟な奴だったな。
俺はてっきり“犯罪は許さない!正義は絶対マン!"
みたいなタイプかと思ってたが……」
恋が剛に視線を向ける。
「なぁ、剛」
「ん?」
「なんでアイツ……この時間に学校にいたんだ?」
「え?風紀委員の見回りだって言ってたけど……」
恋は首を横に振る。
「警備員ならまだしも、
風紀委員が夜遅くに学校を見回るなんて
聞いたことあるか?それも一年だけで」
「ーー!?」
剛の顔が強張る。
「おそらく……西条も何か隠してる」
言われてみれば、確かに不自然だった。
一年生の風紀委員が、
こんな時間に単独で見回りなど普通はありえない。
恋は大きく伸びをして言った。
「まぁ、今日はもう遅いしな。
明日考えるか。夜更かしは美容の敵だし」
「まだそんな遅くねぇだろ……」
剛は突っ込みながらも、どこか胸がざわついていた。
「ちょっと待ってくれ」
タカシが立ち止まり、深く頭を下げた。
「お前ら……いや、みんな。
本当に……すまなかった」
「みんなには酷いことをした。
許してくれなんて言えない。
だけど……謝りたい。
本当に申し訳なかった」
恋がタカシの頭を軽く叩く。
「いてっ!」
「いつまでもしけたツラしてんな!
これからは俺がいる。
お前が道を踏み外しそうになったら、俺が止める」
タカシは涙をこらえながら頷いた。
「あぁ……ありがとう」
誰もそれ以上責める者はいなかった。
「よし、一件落着だな!
ラーメンでも食いに行くか?」
「いいねぇ!」「私も行こうかな」
しかし、タカシは首を振る。
「僕は行けない。
倉庫に……やり残したことがある。
先に帰っててくれ」
「部下たちか。確かにあのままじゃまずいよな。
じゃあ俺も手伝うよ。
あの傭兵二人とも話したいし」
「……あの二人ならいなかった。
どっか行ったみたいだ」
剛は恋に倉庫の状況を説明した。
「マジか!?話したかったのに……」
「大丈夫。僕一人の方が都合がいいから」
「そっか。じゃあまたなタカシ!
あまり遅くなりすぎるなよ!」
「あぁ。じゃあな、鳴紫、赤羽」
「……またね、佐藤くん」
タカシの中で、ほのかの姿が
あの日の夕焼けと重なり合う。
ほのかの声に、タカシは一瞬だけ笑った。
「うん……バイバイ、ほのかさん」
タカシは一人、倉庫へ戻っていった。
部下たちの姿はどこにもなかった。
(……誰もいないのか)
倉庫の奥へ進む。
途中、
誰ともすれ違わなかったことに違和感を覚える。
最深部の扉は壊れ、中はめちゃくちゃだった。
(……暴れすぎたな)
タカシは自嘲気味に笑い、
来た道を引き返そうと踵を返す。
その瞬間――
パチパチパチパチパチパチパチパチ。
背後から拍手が響いた。
タカシが振り向こうとした瞬間。
バシュンッ!!
誰かの拳がタカシの首めがけて飛ぶ。
だが、その拳はタカシに届く直前で止められた。
一瞬すぎて、タカシには何が起きたのか分からない。
「マジ?これ止めんの?すげーよお前♪」
「お前も中々やる。俺の予測を超える速さとは」
そこにいたのは――
暗部の金髪男と、ドグマだった。
どうやらタカシが振り向いた瞬間、
金髪男が襲いかかり、
ドグマがギリギリで庇ったらしい。
金髪男が笑う。
「だけど、残〜念♪
お前のボスはもう死んでる」
「何を言って――」
プシューッ!!
タカシの首元から血が噴き出した。
「まさか……!」
(防ぎきれてなかった……?)
ドグマが止めたと思っていた攻撃は、
しっかりタカシの首に命中していた。
「ぐはっ!!」
タカシは崩れ落ちる。
金髪男が肩をすくめる。
「どうする?
俺はそいつを“消し”に来ただけ。
可能性が無くなったからなぁ……残念。
ボスのいない傭兵さん、
これ以上やる意味あんの?」
タカシは血を吐きながらドグマを見る。
「……何で……戻ってきた……?
お前も逃げろよ……
これ以上、僕を助ける理由は……ないだろ……」
タカシが倉庫に戻った理由は、
部下たちを逃がすためだった。
『ーー閉望性になって消えてもらう』
過去の会話から
自分が暗部に“消される”ことは分かっていた。
ドグマは叫ぶ。
「何を言ってる!俺は傭兵だ!
依頼主の護衛が任務だろ!
死ぬな、ボス!!」
タカシは弱く笑った。
「あぁ……そうかよ……
ひでぇ依頼……頼んじまったな……」
「へぇー、いいボス持ったじゃないか。
ボスも言ってるし、逃げなよ、傭兵さん」
金髪男が軽く笑う。
だが、ドグマは一歩も引かない。
「逃げる?俺は遥と約束した!
最後まで傭兵として生き続ける!
来い、ガンマ!!」
「オデも戦う!」
ガンマが壁をぶち破って飛び出し、
金髪男へ拳を叩き込む。
「おーおー、せっかく助かったのに……
もったいねぇなぁ」
金髪男はため息をつき、
光をまとった拳でガンマの首筋を突き刺した。
肉が抉れ、血飛沫が飛ぶ。
「ガンマーー!!」
ドグマが叫ぶとまもなく、
金髪男はすでに次の構えに入っていた。
ドグマは重心を読み、回避体勢を取る。
だが――
(速すぎる……!躱しきれない……!!)
金髪男の拳はドグマの首筋に突き刺さった。
バゴォン!!
血が弾け、ドグマは吹き飛ぶ。
プロの傭兵二人が、ほんの数秒で沈んだ。
「はぁ……マジ萎えた。
血で汚れちまったし……がっくし」
金髪男はタカシの方へ歩き、しゃがみ込む。
「でさ、小手返してよ。
もうお前には必要ないってさ。
上が“取り返してこい”ってうるさいんだよね〜。
そんなに欲しけりゃ自分で行けばいいのに♪」
タカシは血を押さえながら笑った。
「……残念だけど……ここにはない。
あれは……信頼できるやつに託した。
お前らの目的は知らない……
けど……必ずアイツが……ぶっ壊してくれる……」
「え?無いの?
来た意味ないじゃん。
ガン萎えパート2なんだけど。
誰に渡したかくらい教えてよ〜。
力貸してやったじゃん?」
タカシは黙ったまま、金髪男を睨む。
「えー、黙るなよ〜。
上に怒られんのマジ勘弁なんだけど」
金髪男は肩をすくめる。
「はぁ……話す気ないならしゃーないか。
これ以上やっても時間の無駄。
じゃ、終わらすわ」
金髪男の右手が光を帯びる。
タカシは目を瞑る。
(……結局、俺の人生は何だったんだろうな……
良いことなんて一つも……)
ふと、恋たちの顔が頭に浮かんだ。
(……最後にお前らの顔かよ……
まぁ……言うほど悪くねぇな……)
バゴォン。
金髪男の拳がタカシの手ごと首を叩き潰し、
タカシは静かに息絶えた。
金髪男の拳から光が消える。
(……こいつ、最後……笑ってなかったか?)
「まぁ、いいや、仕事終わったーー。
残業とか洒落にならん。自由ってサイコー」
ピロロピロロピロロ。
携帯が震える。
「言ったそばから……上の連中は……
俺の自由を奪うなんて許せねぇ!
変な用事だったらただじゃすまさない」
「もしもし!こちら洸!
俺から自由を奪うなんて、何の用だこの野郎!」
『もしもし、何でキレてるの?』
「え?その声……あずあずっ!?」
『そう。そっちはどうなった?終わった?』
「もちろん!滞りなく♪
あずあずだったら俺の自由奪っても文句ねぇよ♪
むしろ束縛されたいかも♪」
『きもい、死ね』
「冗談だよっ!相変わらず当たりきついね〜。
で、残念なお知らせ。
小手は回収できなかった。
こいつ誰かに渡したらしい。
信じられる?貰い物をそのままあげるとか」
『信じられない。回収してきて』
「え?待ってよ。
誰に渡したかも分かんねぇんだぜ?
今からはさすがに……」
『ダメ。回収してきて。
束縛されたいんでしょ?ならしてあげる』
「それは言葉の綾というか……」
『洸。私の命令は絶対、でしょ?』
「……う……仕方ねぇなぁ……
梓の頼みならやるしかねぇ♪
こいつらの後始末は暗部に任せた」
『うん、頑張ってね』
パタン。
「さて、どうしようかなぁ……
とりあえず、
こいつに加担してた奴らでも探るか?」
金髪男ーー洸は肩をすくめ、
死体を見下ろしながら不敵な笑みを浮かべる。
「それにしても酷いよなぁ〜。
俺たちを“悪”みたいに言いやがって。
俺たちは可能性の味方なのになぁ」
軽い口調のまま、洸は暗闇へと歩き出す。
無惨に倒れた三人を倉庫に残したまま、
その姿は闇に溶けるように消えていった。
第一章完です!
気に入っていただけましたら今後も何卒
ご愛読よろしくお願いします。
それではまた、第二章で会いましょう!
お読みいただきありがとうございます!
読んで下さったあなたはヒーローです!
ブクマされたら泣いて喜びます!
気軽に感想、コメントお待ちしております♪




