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正しい中学生って、なに?

作者: 鍋の地
掲載日:2025/12/08

勉強できる中学生の話。

「よし、100点。流石私の息子」

「ちょっと難しい問題だな。じゃあ、これ、君が解いて」

「勉強のコツって何?」


「正しい、んだろうなあ」

僕は呟く。

『中学生は勉強するべき』

という、常識。

常識? だって、お母さんやお父さんはそう言って、満点を取れないと叱ってくるし、先生たちは僕が勉強できるから期待してるんだろ? クラスの人たちだって。


けど、なんか、苦痛だ。

『このままでいいのか?』

本能が、よく、そう聞いてくる。


僕は、勉強できる人って印象なのに。


もし、別の人生があるとしたら。

きっと、それは、

「はい、1時間目の国語をはじめます」

先生が言う。


多分、それは。




「はい、じゃあ、まずは読書タイム。教科書はダメだからねー。5分間ね、5分間。こら、漫画はやめて、て、それエロいやつじゃねーか」

お調子者を軽く注意する先生。


「はあ」

僕は息を吐く。


『読書タイム』

一番苦手なやつだ。

だって。

本、面白すぎる!


自分を抑えながら、僕は本を読む。

抑えないと、本の魔力に憑かれてしまうから。

詩、エッセイ、小説、など色々あるけど、どれも面白い!


僕は勉強しないといけない。

そう言い聞かせないと、ヤバい。本当に、ヤバい。


「はい、読書タイム終わり」

先生の言葉に、僕は安堵する。

よかった。今日も取り憑かれずに済んだ。




1時間目は終わった。


「…」

あの女子は、授業が終わるとすぐに、本を取り出して読みはじめた。


だから苛められるんだろ? 僕は心の中で突っ込む。


『勉強をする中学生の反対は何か?』

答えは、

『架空の世界に生きる中学生』

だと、僕は思う。

現実を見ないで、創作したり、読書したり。


皆、その女子の隣を通りすぎる度に、暴言を吐く。クラスの中だけの苛めだから、まだいい方、なのか?


「おい、お前も言ってやろうぜ」

隣の男子が誘ってくる。

「いや、いいよ」

やんわりと、僕は断る。

自分も苛めの的にならないよう、やんわりと。




僕は、本に集中することはできない。

勉強だけ、本は読まない、架空の世界には入り浸らない。

だから、そこの女子。


僕の代わりに、本を楽しんでくれ。


ありがとうございました。

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