正しい中学生って、なに?
勉強できる中学生の話。
「よし、100点。流石私の息子」
「ちょっと難しい問題だな。じゃあ、これ、君が解いて」
「勉強のコツって何?」
「正しい、んだろうなあ」
僕は呟く。
『中学生は勉強するべき』
という、常識。
常識? だって、お母さんやお父さんはそう言って、満点を取れないと叱ってくるし、先生たちは僕が勉強できるから期待してるんだろ? クラスの人たちだって。
けど、なんか、苦痛だ。
『このままでいいのか?』
本能が、よく、そう聞いてくる。
僕は、勉強できる人って印象なのに。
もし、別の人生があるとしたら。
きっと、それは、
「はい、1時間目の国語をはじめます」
先生が言う。
多分、それは。
「はい、じゃあ、まずは読書タイム。教科書はダメだからねー。5分間ね、5分間。こら、漫画はやめて、て、それエロいやつじゃねーか」
お調子者を軽く注意する先生。
「はあ」
僕は息を吐く。
『読書タイム』
一番苦手なやつだ。
だって。
本、面白すぎる!
自分を抑えながら、僕は本を読む。
抑えないと、本の魔力に憑かれてしまうから。
詩、エッセイ、小説、など色々あるけど、どれも面白い!
僕は勉強しないといけない。
そう言い聞かせないと、ヤバい。本当に、ヤバい。
「はい、読書タイム終わり」
先生の言葉に、僕は安堵する。
よかった。今日も取り憑かれずに済んだ。
1時間目は終わった。
「…」
あの女子は、授業が終わるとすぐに、本を取り出して読みはじめた。
だから苛められるんだろ? 僕は心の中で突っ込む。
『勉強をする中学生の反対は何か?』
答えは、
『架空の世界に生きる中学生』
だと、僕は思う。
現実を見ないで、創作したり、読書したり。
皆、その女子の隣を通りすぎる度に、暴言を吐く。クラスの中だけの苛めだから、まだいい方、なのか?
「おい、お前も言ってやろうぜ」
隣の男子が誘ってくる。
「いや、いいよ」
やんわりと、僕は断る。
自分も苛めの的にならないよう、やんわりと。
僕は、本に集中することはできない。
勉強だけ、本は読まない、架空の世界には入り浸らない。
だから、そこの女子。
僕の代わりに、本を楽しんでくれ。
ありがとうございました。




