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ダンジョンの王様はつらい!!  作者: リムられるくん
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森の異変



魔法の練習を始めて一ヶ月。

なんとか初級魔法が形になった。


魔法にはその威力や危険性に応じて、階級が存在する。

下から、初級、中級、上級、超級、王級、帝級、世界級、神級と八段階に分けられており、帝級より上の魔法を使える者はそうそういない。


また、魔法には、火、水、土、風、空の五元素を基礎とし、そこから派生する様々な魔法形態が存在する。


人々が使う物は魔法だけじゃない。

魔力を生命力と混ぜて、体に纏うことで闘気と呼ばれる物も扱うことができる。

だが、闘気を纏う事は容易ではなく、普通は魔力だけを纏う身体強化の魔法のみを扱う。

なので、闘気を纏える者全てを強者と呼べる。


稀にスキルと呼ばれる物を所有する人もいる。

俺もスキルを持っている。

スキルにも種類は様々あり、戦いに使用するものや、日常生活の補助的なものとして使用するなど様々だ。


ルシアを含めハイエルフの皆んなは闘気を纏える。

それにルシアは、世界でも五本の指に入る程の強さらしい。

納得である。

手を振っただけで山の半分を消し飛ばすくらいなんだ。

五本の指に入る人物だと言われても驚きはしない。


火球(ファイヤボール)


今では、一秒かける事なく発現させることができる様になった。


そのため中級の魔法の練習へと入っていく。それと同時に身体強化も覚える予定だ。


「身体強化は魔力を体に纏うイメージ」


ルシアがお手本を見せてくれる。

ルシアの体に纏わりつく魔力は蒼く輝いてており、いつ見ても綺麗だ。


「こうかな?」


魔力を体に纏う。

イメージとして、筋肉や細胞を魔力の膜で包むイメージだ。

刃を通さず、魔法さえも弾く体。

そんなイメージを魔力に与える。


魔法が形になる。


「スゴイ。もうできてる」


「力が湧いてくる感じがするよ」


どうやら身体強化に関してはすぐに会得できたみたいだ。


フッ、俺の才能か……。


一歩踏み出す。

すると、勢いよく、顔から地面へとキスをする。


痛くはないが、恥ずかしい。

やはり調子に乗るとダメだな。

真面目にやるとしよう。




◇◇◇◇◇


三時間程で、身体強化にも慣れた。

身体強化を施しながら、五階層の訓練場に作った、障害物エリアを障害物を避けながら飛び回る。

パルクールをしている様だ。


この練習方法はとても効率がいい。体力や身体制御能力まで身につくため、コレからも欠かさずやろう。


魔法の練習も欠かさない。

身体強化中に魔法を放つ練習もしておく。

コレが案外難しい。右手で円を描きながら、左手で、四角を描く様なものだ。

コレが簡単だと言う人もいるだろう。

そこは多分才能の差だろうな。

コレができる人は魔法使いに向いているのではないだろうか。


大岩の的に向かって魔法を放つ。

魔力操作力が上がっているため、初級の魔法でも威力は中級並みだ。

やはり、

クックック。それはただの初級魔法だ。

なんて事が出来てしまう?

もっと練習しなければ。


スライムのスラさんが、大岩を粉々にしていた。

練習あるのみだ。


◇◇◇◇◇


少しして、昼食の時間になった。

今日は一階層で、ドワーフ達と食事する予定のためルシアと共に一階は転移する。


転移は、ダンジョンマスターとしての能力で、俺のダンジョン内であれば何処へでも行ける。

女子風呂にさえも……。


いやいや、悪用厳禁だ。やっぱり、そこは人としてしっかりしなければ。

まぁ、転移が失敗する事はあるよな。



◇◇◇◇◇


「何があったんだ?ミコトよ」


「この顔か?気にするな。いろいろあったんだ」


「そ、そうか」


あぁ、気にしないで欲しい。

ただ転移を失敗して、ルシアに殴られただけだから。


いいか?皆んな。怒らせてはいけない相手がいる事をしっかりと理解しておこう。

それが、幸せに暮らすための一番の方法だ。


「さて、昼食にするか」


今日の昼食はサンドイッチだ。

ハイエルフ達が作ってくれた。

シャキシャキのレタスに新鮮なハムがよく合う。


「うまいな」


「酒もあるといいんだがな」


「ガドラはこのあとも仕事があるだろう?」


「酒があるのとないのでは、仕事への意欲が全然違うのだ!」


どれだけ好きなんだよ。少しは自重しろ。


「そういや、森でこんなものを見つけたんだが」


そう言いながらガドラは、赤黒い1cmほどのガラスの玉みたいなものを取り出した。


「これ、なんだ?」


「魔石だ」


「魔石?これが?小さいんだな」


「大きさは普通だろう。それに大きさは問題ではない。問題なのはこのままの姿で見つかった事だ」


「それの何が問題なんだ?」


「魔石は魔物の体内にある。だから普通は、魔石だけ見つかる事はない」


ルシアが説明してくれた。


「そうだ。死体がなく、魔石だけ見つかるなんて事はありえん。他の魔物が死体を喰ったとしても血の一滴も残らずに喰い尽くすなんてことはあるはずが無い」


ふむ。何か事件性があると。


「森に異変が起こっているのかもしれん。そうてなくとも、俺たちのダンジョンの近くにまで、魔物が来ているんだ。警戒は必要だろう」


「そうだな。だがどうする?」


「ルミアに任せればいい」


「おまかせください」


給仕をしてくれていたルミアが言う。


「任せる。頼んだ」


「はっ!」


そう言って、消える。


忍者みたいだ。

というか、すごいな。

後で教えてもらうか?


いやっ、別に変な事に使うつもりはないぞ?

本当だ。

だからルシア。睨まないで欲しい。


ふぅ。見逃してもらえたようだ。


さて、森に異変が起こっているかもしれない。

異世界に来て初の大きな問題だ。何もなければいいが。

俺も魔法の練習に力を入れておくとしよう。










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