魔法使いに俺はなる!
投稿は毎日の予定です。
五階層の訓練場ではスライム達がハイエルフに、戦いに関する指導を受けていた。
「いいですか?敵は待ってくれません。なのでいかに早く急所を突き、敵を無力化する。コレが一番大事なのです。忘れないようにしてください」
「「スラ!」」
ハイエルフのルナリアの声にスライム達が返事を返す。
「では、点呼です。番号!」
「スラ!」
「スラ!」
「スラ!」
「スラぁ〜」
「コラー!一人怠けている者がいます。やり直し!」
笛の合図と共に、スライム達は点呼をやり直す。
ベレー帽を被ったスライム達は、まさに軍隊の様である。
ハイエルフのルナリアも軍服がよく似合っている。
「みんな頑張ってるなぁ」
今ではスライムの数は、一万を超えており、種類も違う種類ばかりだ。
ダンジョンを明るくしてくれる光源スライムや、軍隊スライムなどなど、様々な種類のスライムがいる。
「おはよう御座います。ミコト様」
「あぁ、おはよう。朝からすごいな」
「いつ何が起こるかわかりませんから。そのために、日頃からの鍛練は重要です」
いつもは、ホワホワしているルナリアが、とてもカッコよく見える。
「では、訓練の再開です。次は腕立て伏せ五百回、始め!」
腕立て伏せできるの?って思ったけど、できてます。
しかも、速い。そして伏せるたびに地面に、体があたって、ペチ、ペチと音がなっている姿は見ていて笑いがこぼれる。
さて俺もルシアに修行つけてもらおうかな。
◇◇◇◇◇
「今日は、魔法の練習」
「それはいいんだけど、俺使えないよ?魔力量1だし」
「大丈夫。つかえる」
え?本当に?つかえるの?とうとう俺も魔法使いデビューか?魔法が使えたら、
クックック、コレはただの初級魔法だ。
なんて事もできてしまうのでは?
ゆ、夢が広がるぅ!
「ど、どうやるんだ?!」
「ミコトの魔力量じゃ、魔法は使えない。それに、ミコトには呪いがかかってる。スライムしか生み出せ無い呪い」
なん…だって?
魔法は使えない?あと呪い?スライムしか生み出せない?
そんな…俺の夢が…。
「落ち込むのは早い。ミコトは、蓄積の指輪を持ってる。それを使えばいい」
ふむ?蓄積の指輪?
「これのことか?」
右手の人差し指に嵌めている指輪をルシアに見せる。
ルシアが頷く。
「魔力が吸われる感覚はしていたが…そうか、貯めていたのか」
「ミコトの魔力は不思議。指輪に魔力が吸われているのに、無くなる気配が無い。不思議……」
そういってルシアは俺の目を覗いて来る。
ち、近い。あどけなさを残しているがその容姿はとても整っている。人形のように美人なため、俺の胸の鼓動が早くなる。
くっ、鎮まれ、俺の鼓動!
ドウテイがバレてしまうではないか!
「な、なぁ。コレがあれば魔法は使えるんだよな。それならば教えてくれ」
恥ずかしさを誤魔化す様に俺は言う。
「分かった」
ルシアがそう言って手のひらの上に、拳程の大きさの炎の玉を出現させる。
熱い。
離れていてもとてつもない熱を感じる。
宇宙で輝く太陽の様だ。
多分コレは、魔法使いの中でも一握りの魔法使いしか使えない魔法だと俺は思う。
「コレは初級魔法の、火球。最初はコレから覚えよう」
「……あ、はい」
うん。がんばろ。
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