スキルの確認とダンジョン作り
周りを見渡すと、とてつもなく高い木々が広がっているのが目に入る。どうやら、あのお爺さんに森の中に転移されられたようだ。
少しの間、辺りを見渡していると、空から一枚の紙が降ってきた。
それを右手で掴む。
何だろう、と思い中を確認すると、どうやら手紙のようなので読んでみる。
拝啓
いかがお過ごしかな?さっきのお爺さんです。突然じゃが、君には、異世界に転移してもらった。事情は話せなくて申し訳ない。君には、やってもらいたいことがある。それは、ダンジョンを作ることじゃ。ダンジョンはいいぞぉ。何でも出来る。まぁ、最初は無理だけど。だけど、君ならできる!頑張れ!
じゃが、そのままじゃ厳しいとおもうので、ダンジョンを作るためのスキルを授ける。なので是非とも、励んでもらいたい。
創造神より
さっきのお爺さんは創造神だったらしい。あのお爺さんが?ない、ない。多分何かの間違いだろう。うん、そうだなきっと。
だけど敬ってはおこう。
さて、スキルをくれるということだけど、どうやって確認すればいいんだ?やっぱりあれ、いわなくちゃだめかな?周りに人は……いないな、よし。
「ステータスオープン!」
ブォン
という音と共に、アクリル板のようものが目の前に現れた。色は青く、透けて見える。そこには、スキルという欄があり、その中に、【魔力創造】というスキルがあった。
これが俺のスキルなのかな?
スキルの文字をタップすると詳細を知ることができた。
【魔力創造】
魔力を使って色々なものを創造出来る。
うん。チートじゃない?チートだよね。これってつまり、魔力があれば何でも出来るってことだよな。
俺って魔力どのくらいあるんだ?
【魔力総量】 1
……1?いち?え、なんで?普通魔力無限とかじゃないの?スキルがチートでも、魔力量が1とかなんにもできないじゃん!どうしよう、ダンジョンどころか、生きることさえ難しいぞ。とにかくなんとかしないと。
一時間ほど俺は、手を前に突き出し、なにかでろ、なにかでろー、と念じていると、スライムが生まれた。スライム……。よし、やり直しだ。
一時間経った。俺の周りには、スライムが二匹で戯れている。うん、俺はスライムしか出せないらしい。それに俺は魔力総量に限界が来ており、これ以上の魔力向上は無理だとの事。なぜ、分かったのかというと、俺が二匹目のスライムを生み出した時に、空から手紙が降って来た。
送り主は、さっきの手紙と同様、創造神様。その創造神様から、伝えるのを忘れていたと、謝罪文が送られて来たからだ。
もうちょっと、早く伝えてほしい。というか今の状況、詰みなのでは?
魔力を使ってダンジョンを作ることなんて到底無理だし、スライムにダンジョンを作ってもらうとか、尚更無理だろう。ほんとにどうしよう。
ん?スライムが俺の足を突き、何か伝えようとしている。なになに、ダンジョンは任せろ?やれるのか?スライムは頷く。そうか、ならばやって見せてくれ。
正直、期待はしていなかった。だが、スライムが土を吸い込み地下に空間を作っていくのを見て、俺は、考えを改めた。スライム凄くね?五〇メートル四方の地下空間を作って俺に見せて来た時は、すぐさま土下座をし、謝罪した。
次からはスライム様と呼ばせてもらおう。え?いやだ?スライムでいい?
そうか、でもスラさんと呼ばせてもらおう。
ちなみに、もう一匹の方はライムさんと呼ばせてもらう事になった。ニート時代に、親に軍資金を交渉した時の経験のおかげだろう。
スラさん、ライムさんはダンジョン拡張のために頑張っているので、俺もさらに、スライムを生み出す。そのためか、スラさんたちの作業効率はさらに上がり、五百メートル四方の地下空間が四層できた。
陽が落ちて来て、もう直ぐ夜になりそうだ。夜の森は冷えるので、地下空間で寝ることにする。そっちの方が安全だし。ちなみに俺が寝ている部屋は俺か、俺が許可した者しか入る事はできない。スキル様々だ。
あ、そうそう。夜になって、びっくりしたことがあった。なんと、月が三つあるのだ。見た時はとても驚いた。やっぱり異世界なんだな。
さて、もう寝るとしよう。
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