プロローグ
初投稿です。よろしくお願いします
「コンビニ行こうかな…」
そう呟いて一階へと続く階段を俺は降りていく。
一階には誰もいない。まぁ、平日の真っ昼間なんだから当たり前か。
そう思いながら、俺はジャージ姿を着替えもせず、玄関でサンダルを履く。もう、三年も使っているため、ボロボロだ。
玄関を出ると、太陽が待ってましたとばかりに、俺を照りつける。つい眩しくて目を細めてしまう。だからだろう、気づかなかった。目の前の落とし穴に。
「あれ?」
気づいた頃にはもう遅い。
暗く、底が見えない深い穴に、俺は落ちていく。
「いやぁぁぁぁだぁぁぁぁぁ!!助けてぇぇ!!」
俺は長い間叫び続けた。そして冷静になった。何故なら、どれだけ経っても穴の底に辿り着かないから。
うん、何で?
おかしくない?おかしいよね。神様、お願いしますぅぅ。助けてぇぇ!
いつ、穴の底にぶつかるか分からない恐怖を、味わい続けることが出来るほど、俺は肝が据わっていない。だから助けてぇぇ!
その思いが通じたのか、
「やっべ、間違えちゃった」
そんな、不穏な言葉と共に、俺の意識は、暗転した。
「おーい、聞こえておるかのぅ?」
目を開けると、立派な白い髭を撫でながら覗き込む、お爺さんがいた。
俺は目を閉じた。
「気がついたのなら目を開けるんじゃ」
「気がついてません」
「今、目が合ったじゃろ。それに、喋っておるではないか」
しょうがない。バレたので上半身を起こす。
体を起こして、まず、目に入ったのは、地平線まで広がる草原だった。青々としていて、とても綺麗だ。空もまた、雲ひとつない快晴で、現代日本では、あまり見ることの出来ない、自然の景色に、目を奪われる。
「綺麗じゃろう?」
お爺さんがそう話しかけてくる。
「ワシも、ここを気に入っておってな、疲れた時に良く来るんじゃよ」
「心の疲れが取れる感じがします」
そう言い、少しの間、俺とお爺さんは、目の前の自然に、目を奪われていた。
「おっと、そうじゃった。なぁ、お主。ダンジョンを運営してみんか?」
「本当に綺麗ですね」
こうして俺は、異世界に行くことになった。
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