危ない!
「本当なの?」
「はい!」
2人とも顔を見合わせ、何度も首をかしげ。うーんと考え込む。
ナミキさんは眉間にシワがよっているが、キサラギさんと目が合う度な少し頬を染める。
俺の話、飛んでないよな。
「まぁ、お前の部屋にそいつが来たら見てやる。」
「僕も行くよ。」
「ありがとうございます。では……」
2人にお辞儀をして、去ろうとした時。
"アイラくん、早めに帰ってきてくださいっす。"
焦っているような声で、助けを求めている。
これはまずいな。
にこにこしながら部屋を去ったけど、出た後すぐに走る。
使用人にバレないように、音を立てず壁にそってちょっとずつ進んだ。
「四季!」
「アイラくん、遅いっすよ。」
「……悪い。で、状況は?」
「アオイくんが逃げ出したっす。」
「四季、見てたんじゃないのか?」
「それが……俺もともと他の人には見えないから、アイラくんが行ったあとすぐに逃げたんすよ。追いかけても追いかけても早くて、仕方なく拘束しようかと思ったんすけど、アイラくんに聞いた方がいいかなと」
「そうか。じゃあ、居場所は分かるんだな。」
「はい」
ここの敷地内に入った侵入者は決して出ることが出来ない。
「あそこっす!」
四季が指さした場所は下の地面を踏むと檻が降ってくるトラップの場所だった。
「まずいな。」
ガチャン、シュルルル
アオイが床を踏んでしまった。
……間に合わなかった。
踏んだと同時に機械が作動し、紐に繋がれた檻が落ちてくる。
「アイラくん、急ぐっす。まだ行けるっすよ!」
「……おう!」
四季の言葉に後押しされ、アオイに抱きつくように後ろから飛びついた。
檻は間一髪で避けきり、アオイは少し涙目になりながら唖然とする。
「アオイ、大丈夫か?」
「……あ、は、離せ。俺に触れるな。」
抱きついていた俺の腕を払いのけ、距離を取り睨みつける。
「アオイ、俺の部屋に来ないか。ここじゃ寒いだろ。」
「俺は、人とは関わらん。」
そう言って、俺にナイフを向ける。
「ここからは絶対に出られない。だから、アオイが心配なんだ。」
ナイフを向けられ、反射的に1歩下がるが、俺はハッピーエンドを目指してる。
セレーナとは無理だけど、せめて関わった人は……
「心配される筋合いはない。死ね!」
ナイフを持ち走ってくる。
俺は、もう体力が残っていなかった。
膝からガクッと崩れ落ちる。
「アイラくんっ」
「……」
俺を殺そうとしてきたアオイはナイフを下げ、俺に背を向けて歩く。
「アオイ、優しいな。アオイに何があったか分からないけど俺に出来ることがあるならしたい。だからとりあえず、俺の部屋で休んでくれ。」




