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買い物

「いいお兄さんだね。」


「はい!」


 そんな話をしているうちに、外装から豪華なお店に着いた。

 茶色を基調とした優しい雰囲気で、看板の字が金色だ。


「た、高そう。」


「俺も同感だ。」


 ゆき氏はなんの躊躇もなく、その領地に足を踏み入れる。


「ま、まじか。お金足りるかこれ」


「私もお金ないです……」


「大丈夫、大丈夫!私が払うから」


「えっ、そんな。悪いですよ。」


「あざっす。」


「アイラは遠慮がねぇなー。少しはアナさん見習ってよ。」


「えっ、だって払うって言ったのサクラ王女じゃん。」


「はいはい。」


 昔から、こうやって大振舞いなんだよな。

 お金ないくせに……


 今は、金持ちか。王女だもんな。


 なんか最近。思い出に浸ってるのか?

 不思議な気持ちだ。


 内装も凝った造りをしていて、それでいてレトロな雰囲気が漂っている。

 木を基調としていて、明かりはロウソクのように暖かい光。床はなんと言ったらいいか分からないが、ダイヤの形をしている。


「すごいな。」


「でしょー!じゃあ、アイラが変装してる時の服探して、私はアナさんに似合うドレス見てくるー」


「ちょ、サクラ王女!」

 

「サクラ王女……」


「……えっと」


 こういうやつ苦手なんだよな。

 知り合いの人同士で来てると、共通の知り合いがいなくなると初めての人同士になってしまうやつ。


「……」


 あからさまに、人見知りが出てるな。

 視点が左右に動き回ってるし、手を胸の前でモジモジしてる。


「じゃあ、少し見てみるか。」


「……はい。」


 今のスーツの状態を見ると、アナさんよりふた周りくらい大きい。


 サイズは俺より一回り小さいサイズで、カツラは黒髪短髪だから紺色とか黒色の方が似合うかもな。


 でも、黒より紺の方がいいよな。


「この色とかどうですか?」


「あ、いいです!」


「じゃあ、この系統で何枚か試着してきてください。俺はネクタイも少し見てきます。」


「あ、はい。」


 俺は数着スーツを選び、アナさんに渡す。

 よし、ネクタイだな。


 その時、見覚えのあるチャラ男が店の外にいるのに気がついた。


 あいつ、セレーナさんを殺そうとしたやつ。

 俺は、あいつが許せない。


 店を飛び出し、そいつの手を掴む。


「お前!この前はよくも」


「は?あー、アイラ様か。何の用だ。」


「お前も捕まえる。」


「は?どうやって?」



「アイラ様!」


 顔を真っ赤にして息をゼェーゼェー切らしている。アナさん、駆け寄ってくれたのか?


 でも、今はちょっと……


「アイラ様、はぁ、はぁ、急にいなくなられたので心配しました。」


「……アナさん、ごめんな。」

 


 

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