理由
サクラ王女に助けられてからは、保健室登校をして通っていました。
勉強は、プリントまたは先生が補習しに来てくれていたので遅れることなく学べています。
学校の生活は、楽しいと思えるくらいになりました。
でも、1歩学校の外に出てみれば。
生徒の視線や悪口が絶え間なく聞こえてきました。それがどうしても耐えられなくて、男装を始めました。
見た目が変われば、誰も気づかない。
そうやって、過ごしています。
「外でも、ドレスを着たいよね……」
「この格好も悪くわないのですが……かわいい服が好きなので出来れば、着られるようになりたいです。」
「……どうしたもんかな。」
「やっぱり、みんなに忘れてもらうまでこの格好を続ける他ないよね。」
「でも……」
「サクラ王女!早めの解決方法を考えるんだろ。忘れてもらうまでってそんな長いこと」
「……いいんです。私のせいなので」
「それはそうだけどな……」
沈黙が流れる。
重い空気、解決策は一向に浮かぶ気配がない。
「サクラ王女、アイラ様。ありがとうございます。学校には行きますが、みんなが忘れるまではこの格好で過ごしたいと思います。」
目に涙を浮かべて笑う。
俺たちはなにもできないのか……。
俺たちのせいで生まれてしまった。
新・悪役令嬢を助けられない。
「……分かりました。私達もサポートします。何か困ったことがあれば言ってください。」
「少しでもファッションやりたいなら、俺服持ってないから一緒に買いに行くか?」
「……はい!よろしくお願いします!」
「よし。」
喫茶店を出て、サクラ王女がよく寄るというお店に向かう。
「そこってさ、ドレス専用とかじゃない?大丈夫なのか?」
「記憶が正しければ、ドレスとスーツ兼用だった気がする。」
「あの、今更なんですが」
「ん、なに?」
「サクラ王女とアイラ様はどういった関係なんですか?」
「……あー、えっとねー、それはねー」
ゆき氏は左右に目を動かし、考えるがおもいつかなかったのだろう。俺を時たま、チラッチラッと見てくる。
はぁ、……関係ねぇ。
「立場は違うけど、友達なんだ俺たち。」
「そ、そうなのよ。」
「そうなんですね。」
優しく微笑むアナさんは、天使のようにかわいい。
「じゃあ、俺も聞いていいか?」
「なんですか?」
「そのスーツは誰の?」
「ああ、これは兄様のです。」
「そうなんだね。アナさんが買ったにしては大きすぎるから、なんでだろうって思ってはいた。」
「兄様が、もう着ないからと譲ってくれて。優しい兄様なんです。」




