最悪な形となって
今まで動かなかったことを後悔した。
これが見て見ぬふりをすると言うやつなのかな。私も結局いじめに加担してしまってた。
最悪の形となってその結果が出ると、タラレバが止まらない。
「あなた達!何をしてるの!早く回復魔法が使える先生を呼んで」
「あ、うそっ私。ここまでやるつもりは」
「そんなことを言うんだったら最初からやるな!早く呼びにいけ、お前はそのナイフから手を離すなよ。」
「ひっ」
顔を真っ青にして震える彼女をサクラ王女という立場を忘れ、鋭く睨みつける。
「こっちですわ」
「大丈夫か!」
保健の先生だ。
傷口を隠すようにタオルを当て、回復魔法を使う。緑色に輝き、暖かく心地よい気持ちになる。
「……よし、治った。でも、安静にさせたいから誰か手伝える人はいるか。」
「私、手伝います。」
「サクラ王女……光栄です。君はそのまま待ってろ。」
ナイフを握った彼女は棒立ちのまま。
離れる私たちを眺めていた。
「サクラ王女。ありがとうございます。アナは私が見ていますので授業にお戻りください。」
「いえ、元々は止められなかった私の責任なので目を覚ますまでここにいます。」
「そうですか。分かりました。それではユキナを見てきます。」
「しっかりと反省させてくださいね。」
「はい」
ユキナという人は先生に任せ、私はアナの手を優しく握る。
冷たい体温。大量の冷や汗。
体が覚えているこの嫌な感じ。
蘇る。小屋に閉じ込められた記憶。
「……みーちゃん」
「……サクラ、王女?」
「アナさん!体調はどうですか。痛いところとか気持ち悪いとか」
「先生のおかげで痛みはもうありません。……でも、」
「でも?」
「もう、ここに来たくないです。私がしたこと、反省してます。でも、ここまですることはうぅ」
ゆっくり起き上がって涙を拭う。
泣きじゃくる姿にどうしたらいいのか。頭の中で考える。
「反省しているなら、もう絶対にしないこと。あとは、私たちがどうにかするから。アナさんは落ち着くまで保健室登校でもいいんじゃないかな。」
「……はい。ありがとうございます、うぅ、ありがとう、ございます。」
「ほら、涙をふいて。かわいい顔が台無しになっちゃうよ。」
「うぅ、サクラ、王女……」
「ふふふ」
アナさんが泣き疲れて寝るのを見てから、保健室の先生に報告。そして、怪我を負わせたユキナさんの所へ向かう。
「……ユキナさん、しっかりとお話しましょう。」
私の声にブルブルと体を震わせ、目に涙を溜める。
「ご、ごめんなさい……」




