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いじめ

「なんですか?」


「その姿に憧れちゃったんです。私もセレーナ様のようにかっこよくなりたい」


「憧れる方向を間違えてます。これは、あなたがやられていたことと同じじゃないですか。」


「でも……」


「今すぐやめるのです。傷つくのは相手もそうですが、後にあなたも傷つきます。」


「サクラ王女、私は憧れるしかできないんです。でも、サクラ王女が仰るならやめます。」


「うん、その方がいいよ。」


 ――――――


「てな感じで、やめさせられたよ。」


「そっか。でも、その話を聞く限りこのあとが大変だな。」


「なんで?」


「だって、やめたとしてもゆき氏が止めるまではやってたわけだし。昔、意地悪してたやつも黙っちゃいないだろ。」


「そうなのか。」


 そう、この後が大変なんだ。

 また、アナさんが意地悪されなければいいけど……








 その願いも虚しく、アナさんは標的になってしまった。


「あなた、よくも私に意地悪をしたわね。タダで済むとは思わないことね。」


「ご、ごめんなさい。」


「謝っても無駄、絶対に許しませんわ。」


 靴は無理やり脱がされ、泥水に捨てられてドレスは横を通る度にハサミやナイフで切られた。


 ボロボロになったドレスは、ボロ布のように体に巻かれているように見える。


 私は、なんてことを……今更そんなことを思ったってこの現状が変わることはない。


 助けを呼ぶにも親しい友人もいないのに……


「あ、ごめんなさい。」


「痛っ」


 ドレスを突き抜け、皮膚にナイフが当たる。

 スーッと線のように切れてドクドクと血が吹き出す。


 自分の黄色のドレスは左側の腹部から赤く色を変える。


「キャー……」


 自分から出ているものなのか疑い。

 そっと触れる。


「いっ」


 紛れもなく自分の血。

 徐々に薄れゆく意識の中、サクラ王女の声だけが聞こえた。


 ――――


 みーちゃんの言っていた通り、その次の日からいじめが始まった。


 最初はちょっとした程度だった。


 悪口を言うとか、足を踏む。それでも見ていて辛かった。助けるにも、みーちゃんのように手を差し出す勇気もなく。

 これ以上酷いことにならないでと祈るばかり。


 そんなある日、事件が起こった。


 朝からハサミやナイフでドレスをボロボロにされ、目の下にはクマもある。


 さすがにやばい。


 どうしようか悩んでいると「痛っ」アナさんの痛がる声が聞こえた。


 えっ?


 すぐに声がした方を振り向くと腹部から血を流したアナさんが目を見開いて驚きお腹を触ってる。


「アナ!」


 私はすぐさま近づき、アナさんの腹部を自分のドレスで押える。


「サクラ、王女……?」

 

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