三兄弟
丁寧な言葉遣いと態度に私は何を話せばいいのか分からずオロオロしていると3人は顔をゆっくりと上げ私を見る。
ええい、こうなったらやるっきゃないっしよ。
「私もアイラのこと心配しております。もしかしたらという場所に行こうと思っているので一緒に来ていただけますか?兄弟の貴女方が居てくれた方がアイラも安心すると思うので」
「はい!ぜひお供させてください。」
「ありがたきお言葉。」
「ありがとうございます。」
みんなキレイにお辞儀をする。礼儀正しい、この世界だとこれが普通なのか。
3人を連れ再び歩き出す。
アイラを呼び捨てにしてたり、私がアイラを知ってること、とか色々ツッコまれなくてよかった。
ストーリー展開だともう少し後だから。
ふぅ、危ねー……
着いた。ゲームで見たより暗くて、人通りがない。ここだけ、別世界のように光が遮られている。
少しまた少しと歩みを進めると、右側に本屋があった。
距離的には10メートルくらいかな。
「ここです。」
リース家の三兄弟にそう伝えると喉をゴクリと鳴らし扉を開ける。
カランカランカラン
「うわぁ!?」
音が出たことに驚き声を上げる。即座に自分の口を塞いだが緊張感が走る。
店内は誰もいないみたいだった。
たくさんの書物が置かれていて雰囲気のいい場所。
ここはサクラ王女もキサラギもデートに来るわけだわ。
「本当にこちらに居るんですか。」
「一見、本屋に見えるが」
「サクラ王女が仰ってるんだよ。」
「でもなー」
「ここにいます。必ず。」
私は少し歩いて、レジの奥に入っていく。
「サクラ王女?」
「どうしたんですか?」
「なにかお考えがあるんだよ。」
「こんな感じなのか……」
そこには何もない。だけど少し風を感じる。
手をゆっくり壁にに向けて伸ばす。
そこは硬さはなく空気のような手触りだった。
「サクラ王女の手が……」
「えっ、消えてる?」
「兄上、サクラ王女大丈夫ですか。手が、手が」
「キサラギ、落ち着け」
「皆さん、行きましょう。」
私が先導して入るとユウキも恐る恐る手を前に伸ばして入ってくる。
次にナミキが後ろ向きで入ってきて不思議に思ったのも繋がった手の先、全身をブルブル震わせ、目を閉じて入ってきたキサラギでわかった。
「いいねいいね。ふふ」
ポロッとオタクの心の声が漏れてしまった。
キョトンとしている3人に背を向け歩き出す。
「……………殺すと言っても実行に移さなかったのなら、店主さんはそんな気はないんですよね。どうか。」
「……チッ、クソっ」
下から微かに声が聞こえた。
殺す?
「セレーナの声だ。クソっ、守ってやれない」
悔しそうに唇を噛み締めるユウキ。
イラつきを隠せないナミキが私を抜いてずんずん歩いていってしまう。その後にキサラギがオロオロしながらついて行った。




