発熱と夢
「アイラ様、ゆっくり休んでください。」
俺は……、上を向いている俺の前にセレーナさんのキレイなお顔。
えっ、もしかして膝枕?
「あっ、ごめんなさい。」
立ち上がろうとする俺を優しくつかみ、また膝に戻した。
「ゆっくりしてくださいって言いましたよね。」
「ありがとうございます。少しだけ、本当に少しだけすみません。」
「私でよければいくらでも」
「ありがとうございます。」
しばらく、夢を見ていたと思う。
これは昔の自分?
今よりも小さい、赤ちゃんか?
そんな自分を上から見ている感じがする。
「パパ、ママ!」
とびきりの笑顔で呼ぶのは、現国王ユンリー・リースによく似た男性と可憐で華奢と言った方がしっくり来る女性。
服装は平民が来ている服。
まさか、この人が神様が言っていたアイネ?
じゃあ、隣の女性がユラ……
「どうしたの。お腹すいたかな?」
「ケホッ、どうしたアイラ。パパにチューか?お前もパパみたいに派手に生きろよな!好きなことを好きなだけ!自分の人生、兄弟とか親とか関係なく好きなことをやれ!気を使うなよ。お前が幸せになるためには自分をだすことからだぞ!」
昔の俺はポカンとしている。
それもそうか。まだ、赤ちゃんだもんな。
この時から、アイネの体調が良くないようだ。俺の前ではニコニコしてるけど、時折乾いた咳をしている。
「ユラ、わりぃちょっと寝る」
「はい、どんどん寝てください!」
「はは、あんがとな。」
こんな幸せな家庭にいたんだ。
それから1年、アイネは街の流行り病にかかり亡くなってしまった。
ユラは俺を優しく抱きしめながら、声を押し殺して泣いていた。
毎日、家事に育児。
旦那さんを亡くした喪失感から、目には酷いクマ。骨が浮き出るくらいやせ細った体。キレイにしていた髪までチリチリになっていた。
そんなある日。
俺は、ユラに手を引かれ国王の元へ行くことになった。
なかなか、中には入れなかったが話を聞きつけた国王が騎士に守られながらやってきた。
「貴様か、私を呼ぶものは」
「……はい。」
「私に何の用だ。」
「この子を、アイラをユンリー国王の養子にしてください。」
ユラの悲痛な叫びに、ユンリーは少し顔を困惑させとりあえず、アイラの顔を見る。
アイラはユラの足元に隠れ、目線を合わせようとしなかった。
それでも、ユンリーは頬を優しく包み無理やり目を合わさせた。
「こ、これは……まさか……お前がアイネの婚約者か。」
「……はい。」
「……」
しばらくの沈黙のあと、ユンリーは尋ねた。




