監禁
閉じ込められてどれくらいだっただろう。
明かりは檻の向こうの壁に、ロウソクが3つ遠感覚で並んでいるだけ。
檻の近くなら顔や手がかろうじて見えるくらいだ。
「セレーナさん、寒くないですか?」
「はい、一応羽織るものを持って参りましたので」
「ここ、時間がわからないですね。まるで、俺たちだけの世界みたいです。時間が止まって、でもゆっくり流れてる……い、いやー、ちょっとすみません。なんか変なモードになったみたいで」
「いえ、いいですよ。アイラ様は面白いですね。自然と周りを笑顔にする優しい人です。」
「……そう言って貰えると嬉しいです。」
笑顔で言われると、眩しくてでも、胸がドキドキする。
檻から少し離れて、顔を見えなくする。
「アイラ様?」
「なんでもないですよ。」
顔の熱が落ち着くのを待つ。
タン、タン、タン
階段を降りる音が聞こえてくる。
ゆっくりと一段一段確かめるように近づいてくる。
「アイラ様っ……」
セレーナさんの震える手を優しく包み込む。
「大丈夫です。いざとなったら俺が」
「あんまり無理はしないでください。アイラ様をもう傷つけたくないんです。」
「はい」
「おい、お前ら。まだ死んでなかったのか。」
「俺たちに何もしないのであれば逃がしてください。セレーナさんはこんな環境にいてはいけない。早く暖かい場所に」
「うるせぇって言ってんだろう。俺に指図するな。喋んな。お前らを見てるとイライラすんだよ!堂々と手を繋ぎやがって、俺だって……」
強気な態度から急にしおらしくなってしまった。何か、俺たちの行動でトラウマを思い出させているのか?
誰か、助けてくれ。
セレーナさんの体調とか色々心配な部分があるけど、俺もそろそろやばいな。
この体、少しは体力がついてきて前よりかはマシになったけどこの環境下で体温が下がって体が熱くなってる。
視界も少しぼやけるし、頭がクラクラする。
どうにか、助かってから倒れたい。
「俺はっ、クソっ、凍えてろ!」
店主はまた何もせずに戻って行った。
それが精神的にもきつい。
それまで耐えてきた体がカタカタと震え始めた。
「アイラ様、大丈夫ですか。……熱い、少し失礼します。」
セレーナさんは俺のおでこに手を当てる。
冷たくて気持ちいい。
でも、体は寒い。寒い寒い……
「すごい熱じゃないですか!」
「いえ、そんなことは……俺のことはいいので」
「よくありません!」
「えっ、ちょっ」
ドサッ
視界が急にぐにゃっと曲がり柔らかく、優しい匂いに包まれた。




