買い物2
店の中で2人ただ見つめ合う。
徐々に熱がこもる顔と兄上の赤くなっていく顔から逃げるため、兄上の手からドレスを受け取り更衣室に入る。
なに、なんか。恥ずかしいけど嬉しいこと言ってくれた。
かわいい。……かわいい、ね。
ふふっ
買ってないドレスだけどギュッと抱きしめちゃう。ニヤニヤが止まらない、それにこんな真っ赤な顔じゃ外にも出れないよ。
このドレス着替えた方がいいのかな。
でも、今着替えたら恥ずかしい。かわいい服は着たいけど僕の方がかわいいからってどうしよう。
シワがついてしまったかわいいドレス。
せっかく兄上が褒めてくれたんだ。恥ずかしい気持ちはなくならないけど腹を括って腕をとおす。
回るたびにヒラヒラなびくスカート。
ピンク色、僕の1番好きな色。
「あ、にうえ。着替えました。」
「そ、そうか。」
外にいる兄上は照れながらもしっかり僕を見てくれた。
「やっぱり、かわいいな。」
「あ、ありがとうございます。」
「次は兄上の服ですね。」
「そうだな。」
兄上は主にスーツを着る。
身長を気にしているので、靴は少し高さがあるものを選ぶ。
なに着ても似合う。
兄上は自分のを選び、着替える。
僕も兄上に似合いそうな、青色のスーツを何着か渡すと笑顔で受け取ってくれた。
3、4着を着替え、5着目。
上のジャケットは鮮やかな青色で兄上のクールな表情が際立ち、シュッと細く足をキレイに見せてくれるズボンと合っていて惚れ惚れするほどかっこいい。
「兄上!かっこいいです!僕はその服がいいと思います!」
絶対それにしてください!という視線を兄上に送ると、少し照れながら「分かったよ。じゃあ、これとあれをそのままください。」納得してくれたことの喜びと自分が着ているピンクのドレスをそのまま買ってくれた兄上の優しさに胸を打たれた。
でも、この格好でスキンケアはしてるけど化粧はしていない。このままだと男だってわかるし、気持ち悪いとか変態とか兄上にも迷惑をかけてしまう。
「兄上。買っていただきありがとうございます。ですが、僕は着替えます。」
「いや、お前も俺もこのままだ。少し街を歩こう。俺はかわいいキサラギを独り占めにしたい、けどそれ以上にみんなにも見てほしいんだ。」
「でも、気持ち悪いですよ。男の子がこんな格好。普通じゃない」
「普通なんてない。基準は人それぞれだろ。俺はキサラギがかわいい格好して好きなことをしているのは普通だと思う。」
「でも、……僕。」
「ほら、行くぞ。」
兄上は僕の手を引き、街へと踏み出した。




