嬉しい気持ち
もしかして……こ、告白!?
気まづい空気から一転し、緊張した雰囲気に変わる。
「あの、さ……」
次に出るその言葉を待ち、唾をゴクッと飲み込む。
「……なんでもない。体調は平気か?」
「う、うん……」
好きなのに伝えられない。伝えられるのを待つしかない僕。
嫌われたくないから、このままでもと関係をズルズル引っ張る。
僕は、もっと触れたい。もっと兄上を独り占めしたい。
「兄上、僕に言いたいことがあったら言ってくださいね。」
今は笑顔で笑いかけるしかない。
「兄上って、星座好きだよね。」
「まぁな。初めは織姫と彦星の話を聞いた時に1年に1度しか会えない。けど、1年に1度だからこそその1日は最高の日で、思う存分好きを伝えられる。別れる時も次があるからその日のために色んな話を考えるの楽しいかもなって、あー……語りすぎたな。はずっ……」
「兄上、いいですね!」
「何がだ?」
「考え方ですよ。僕だったら1年じゃ足りないもっと会いたいって辛くなります。」
「辛いのはそうだけど、1年に1回は会えるんだぞ。」
「そうですけど。僕は帰したくないし、もっと触れたいです。」
さりげなく兄上に近づいてみれば、兄上は少し体を引く。
意識してくれてるよね……
その後も2人並んでただひたすら話をした。
昔のこと、兄上のこと、僕のこと。
全てを晒すと自然に、笑顔になる。兄上のことをより知れて、僕のことを知ってもらえて嬉しいから。
「兄上。僕かわいい服着たくて、一緒にお買い物に行きませんか?」
「おお、いいぞ。俺も服買いたかったしな。」
「やったー!楽しみ!いつ行きますか?」
嬉しさのあまり、兄上の両手を握りしめて詰め寄る。兄上は目線を左右にしきりに動かし、ついには顔ごと僕から逸らした。
「あっ、ごめんなさい。兄上……」
前までどうやって話してたっけ、体温が上がる。熱でもないのに……
兄上には好きな人がいる。
でも、その人とはもう会っていない。僕にだって魅力を感じれば。
「兄上に似合う服を僕も探していいですか?」
「ああ、キサラギのやつ……俺も見てもいいか?」
「はい!兄上に見てもらえるなんて僕嬉しいです!」
兄上の手から手を離す。すごく名残惜しいけど少しずつ少しずつ。意識してもらうんだ。
「急ですが、明日とかどうですか?」
「ああ、いいんじゃないか?俺はキサラギのかわいい姿見てないしな。」
「へっ……あ、そうですね。明日帰ってきたら、また兄上の部屋でここの部屋の明かりをつけてしっかり見てくださいよ。」
「ああ、わかってる。」




