その後
アイラに話してスッキリした。それに、背中を押してもらった。
今までいえなかったのが嘘かのように言葉が次から次に出て止まらない。
兄上も真剣に僕の話を聞いてくれる。
そして、話終わったあとには優しく抱きしめて「話してくれて、ありがとな。」と頭を撫でてくれた。
全部、アイラのおかげ。
僕も、何か返せるものないかな。
でも、前世か…。不思議なこともあるのかな?
「キサラギ、大丈夫か?」
「あ、兄上。」
言い終えてホッとして考え事をしていた僕を引き寄せ、腕を軽く引っ張られると頭におでこがあたる。
「はぇ!?」
「熱はないな。」
一瞬のことなのにおでこに触れた体温が表情が頭から離れない。
かっこよすぎて倒れそう。
頭から湯気が出るくらい足先から一気に熱が上がる。
「あれ、やっぱり熱が…」
「いえ、これはなんでもないんです!放っておいてください。」
「そんなこと出来るわけないだろ。」
僕の手を引いて歩き出す。
僕を引いて歩く兄上は、小柄でツンデレで、優しい。ずっと追いかけてきた背中。
あれは、雨が強く降っていた日。僕はたまたま外を見ていた。雨が僕の心と似ている気がしたから……
でも、本当に見ていてよかった。
庭のベンチで丸くなっている兄上を見つけられたから。
僕は一心不乱に走り出した。
息が切れるのも、苦しいのも忘れるくらい兄上のことが心配で。
兄上の前に駆けつける。
「兄上!起きて!風邪を引くから。」
全身をカタカタと震わせて小さく見える。
僕の声で目をゆっくりと開く。ひとまず安心して兄上の体に腕を回し、ぎゅっと力強く抱きつく。
泣いてる兄上を抱き上げお風呂に一緒に入ることになった。
その次の日に熱を出した兄上の看病をしていた時にゲイだってわかって嬉しかった。
僕の気持ちが伝わったかは分からないけど、優しく笑ってくれた兄上の笑顔。忘れられないな。
「ほんとに、熱ないから大丈夫だよ。」
「一応だよ。」
そのまま、兄上の部屋に連れられた。
何回みてもキレイな部屋。兄上の性格と趣味がいいからだよね。
「ほら、キサラギここ」
手を離され、星が散りばめられたクッションを床に置いてくれる。
「ありがとうございます。兄上!」
でも、休ませるのだったら僕の部屋なんじゃないのかな。
「ごめん、なんか……な」
「えっ?……」
気まづい空気が流れる。薄暗い部屋のためお互いの顔色は伺えないけど、絶対赤くなってる。
「キサラギ……あのさ」
口を開いた兄上は俺の方を見ている。
なに、何を言われるの……




