ユウキさんっ!
アイラが部屋からいなくなって、すぐに執事がきた。
「ユウキ様、体調のほどは」
「少しめまいがしただけだよ。」
「そうですか。念のためお医者様に見ていただきましょう。」
「そこまでじゃないから、少し寝る。」
「そう言われましても心配ですので」
「わかった。」
俺は医者に見てもらったが原因は精神的なものと診断された。
あの弟が言ったことが嘘だということなら、俺はセレーナになんてことをしてしまったんだ。仲直りという訳にもいかないよな。
これ以上、闇魔法が俺を蝕むのを止めなければ俺が、家族が、セレーナがどうなるか分からない。
誰か……助けて
《無駄なことだな、自分が助かりたいならあいつらを差し出せばいい》
「そんなこた出来るわけないだろ。」
《そう言ってられるのも今のうちだな。》
「なに?」
早く闇魔法を消す方法を探さないと。
体調が落ち着き、書物が保管されている部屋に向かった。
「ユウキ兄さん、体調平気なの?」
その声に振り返る。
心配そうな顔をして、ブランケットを持っているキサラギがいた。
「キサラギか、大丈夫だよ。随分良くなったから。」
「そう、それならいいけど。」
「そのブランケットは?」
「ああ、ユウキ兄さんに渡そうと思って持ってきたんだけど、いらないよね。」
「いや、もらう。ありがとうキサラギ。」
満面の笑みでブランケットを渡してくれた。
それになんだか嬉しそうだな、なにかいいことあったのかな。
「なにかいいことでもあった?」
「いや、まぁ、別にね。それじゃあ!」
去っていくキサラギは明らかにルンルンしていてスキップなんかもしてる。
まぁ、俺にはそんな余裕ないからな。
弟に当たるなんて俺はどんどん心が狭くなっていく。セレーナはこんな俺のこと、もう好きじゃないよな。
婚約破棄をしたのは俺の方なのに女々しくもセレーナを求めてしまう。
気持ちが沈む。
書物を読む気にもなれず、キサラギに貰ったブランケットを持ち部屋に戻る。
俺は何も出来ないんだな。
このまま、闇に飲まれて生涯をとじるのか。
「ユウキさん!体調大丈夫なんですか。あまり動かない方がいいですよ。俺の肩貸します。」
「いいよ、いいよ。大丈夫だから。」
「じゃあ、部屋まで送ります。」
「……うん、ありがとう。」
俺もアイラのように変わりたい。
何をきっかけに変わったのか分からないけど、俺も俺も……。
《お前は変わらない、この先ずっと。俺にビクビク怯えながら、ごちそうを差し出せばいいんだよ。》
「そんな、そんなこと絶対に嫌だっ!」
「ユウキさん?ユウキさんっ!」




