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懐かしいあの子

 声のする方向を見るとふわふわとした雰囲気を持ったサクラ王女が立っていた。


「あっ、サクラ王女!この度はどのようなご要件でしょうか……」


「ふふっ、固いね。もっとリラックスして、ね!」


 そう言ったサクラ王女は両手を胸の前あたりで恋人繋ぎにする。


「えっ、もしかして」


 ありえないとわかっている。だけど、この行動はゆき氏が嬉しい時にする行動。


 ゆき氏って、アイラが好きなんだったっけ?あれ、キサラギさんじゃなかったか?あれ?


「どうかしました?」


「いや、ちょっと親友に似ていたもので。すみません。」


「いえいえ、その親友の方のお名前ってなんというんですか?」


「神野幸です。分からないと思いますが」


「やっぱり……、みーちゃんだー!」


 そういって抱きついてきたサクラ王女の顔にゆき氏の顔が浮かんだ。全然似てないのに今はゆき氏にしか見えない。


「ゆき氏……」


「みーちゃん、色々謝りたいことがあるの。」


「サクラ王女?ゆき氏とみーちゃんとは何のことですか?」


 一人置いてきぼりにしてしまったセレーナは困惑した表情でサクラ王女に問いかける。


「あっ、すみません。セレーナさんここまで案内していただいたのに本当にすみません。」


「いえ、そんな。でも私はどうしたらいいですか?」


「ほんとに申し上げずらいのですが、少しの間だけでもいいのでみーちゃんと二人きりにしていただけますか……」


「わかりました、少しこの辺を見て回りますね。」


 優しく微笑むとそれ以上深く聞くことなくこの場から離れ、俺たちを二人きりにしてくれた。


「……みーちゃん、ほんとごめん。私のせいで私がみーちゃんを」


 静かに涙を流すゆき氏の頬にふれ、涙をぬぐう。


「ゆき氏、別にゆき氏のせいじゃないって自分を責めるなって言っただろ。」


「でもーうぅー-」


「ふっ、ゆき氏はあの時から変わらないな。あっ」


 ここまで話していてふと思ったことがある。


「ゆき氏はどうしてここに?もしかして……、あんなに言ったのに自分のことを責めて……」


「あーー!違う違うって、普通に寿命で」


「そうなのか……。よかった。」


 本当はどんな人生か聞きたかった。けど、ゆき氏が俺の知らない人と結婚してたらと考えるとひどく辛くなるから。


「そういえば謝りたいことって何?もう話し終わったならセレーナさんを」


「待って!」


 ゆき氏から離れて、セレーナさんを呼んで来ようとしたら腕をつかまれる。


「どうした?」


「まだ話は終わってないの。謝りたいことはセレーナのことなの!」




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