ストーリー1
「ストーリーが消えたってどういうことだ?」
「なんか、僕も分からないっす。けど、ぽっかり穴が空いて、新たなエンディングがうっすら見えてる気がするっす。」
目を細めて言う。
「なんじゃそりゃ。でも、ストーリー消すってヤバくないか。」
「そうっすね。でも、今んとこ何も起きてないんで平気っすよきっと。」
「お気楽だな。で、ちなみになんだが、消えたストーリーを見ることってできるのか?」
「はい。できるっすよ。映像出すっす!目の前の壁に注目っす!」
そう言われ、目の前の壁に視線を向けると、授業で使っていたプロジェクターみたいな画面が出ていた。
「これ、どうやって?」
「秘密っす。アイラくん、流すっすよ。」
サクラとの出会い~ナミキ編~
男の人が好き。親は認めてくれなかった。
俺の好きな人は、兄弟だ。世間的にも色々アウトだろう。
昔のように気持ち悪がられて終わり。
「はぁ、いっ!」
「きゃっ!」
ため息をついて、下を向いていたから、前から来ていた人に気づかなかった。
「悪いぶつかった。」
ぱっと、顔を上げる。目の前には国王の娘。サクラ・ユーマニア王女。
「申し訳ございません。お怪我はありませんか?俺の手につかまってください。」
「ありがとうございます。私は大丈夫です。こちらこそ、ぶつかってしまい申し訳ございません。」
「いえいえ、とんでもないです。ほんとにお怪我とかありませんか?」
「はい。ありがとうございます。」
サクラ王女は優しく微笑みかけてくれる。
こんなに美しい人は今までに見たことないな。
そう思いながらふと床を見ると、サクラ王女が落としたと思われるノートがあった。
「これってもしかして……」
急いで後を追いかける。すぐに気づいたから遠くには行ってないと思うが、隅々まであたりを見渡す。
「サクラ王女!」
サクラ王女は手に持っていたものを何度も確認している。俺が持っているノートを探しているようだった。
「先ほどの……」
持ち物から目を離し、俺のほうを向く。
「ナミキ・リースと申します。先ほどぶつかってしまった際に、このノートを落としてしまわれたかと」
頭を下げてから、ノートを渡す。
「あっ、ほんとですか。すみません、ありがとうございます。」
この出会いから、サクラ王女と少しずつ話すようになっていった。
「これって、俺関係なくね?」
「そんなことないっす。この後の展開がもろかぶりっす。」
「えっ!」
「この後、サクラ王女に男の人が好きなことを、好きな人のことを相談するっす。」
「まじか。」
「次、かけるっす。」
「ああ、頼む。」




