衝撃
「ユウキさん、俺、なにかしましたか?」
「いや、……アイラは、なにも。俺が……俺が悪いんだ。ごめんなさい、ごめんなさい。」
「謝らないでください。ユウキさんが俺の首を絞めたこと、部屋から出てこなくなったこと。全部、知ってます。俺は大丈夫です。だから、ナミキさんやキサラギさんに心配をかけないでください。俺も心配です。」
「アイラ……。俺、アイラに酷いことをした。もしかしたら、命を奪っていたかもしれないと考えると怖いんだ。体が勝手に動いて、俺はそんなこと、しようとしてないのに。」
「ユウキさんはそんなことをしないってわかっています。ユウキさん、俺は大丈夫なので、もう謝らないでください。」
俺はユウキさんにゆっくり近づき、震える体を包み込むように抱きしめた。
冷たい体温と振動が伝わる。ここまで、ユウキさんを追い詰めている闇魔法に腹が立った。
「うぅ、アイラ、ありがとう。」
「いえ、なにかあったら相談してください。」
ユウキさんの涙が止まるまで、ずっと抱きしめた。
「アイラ、もう大丈夫。ありがとう。」
「お力になれたなら嬉しいです。」
「ああ、ありがとう。助けられてばかりだな。なにかあれば俺にも言ってくれると嬉しい。」
「はい。では、俺は部屋に戻ります。おやすみなさい。」
「ああ、本当にありがとう。おやすみ」
部屋のドアをゆっくり、閉める。
自分の部屋に向け歩く道のりで思う。 闇魔法。どうにかして使えなくなるようにできないものか。
頭を捻って考えるが、浮かぶのは自分が失敗した魔法の映像だけ。
思い出しては、ため息が出る。
「アイラくん、大丈夫っすか?」
「大丈夫。でも、大変だな。」
「どうしたんすか?」
「ユウキさんの闇魔法が強くなってる気がする。近くに行ってみて、ユウキさんに触れて、正直、冷や汗が止まらなかった。怖かった。」
「アイラくん……。僕がいるから大丈夫っす!必ず守るっす!」
「それは嬉しい。ありがとな。でも、この後、俺がすべきことってなんだ。」
真剣に問いかけるが四季は頭を傾げて、不思議そうに言う。
「アイラくんは十分やってるっすよ。」
「えっ、何を?」
俺が何かしてるというのは感じたことがない。ただ、こっちの世界の兄弟と会い、大事にしたいと思った。それ以上にセレーナを助ける意思も強くなった。
「主人公のサクラとのストーリーが消えたっす。」
衝撃だった。ゲームをやったことがない俺でもゆき氏が言ってたからわかる。
このゲームは主人公(自分)と関わることでどのキャラとハッピーエンドを迎えるかを楽しむもの。主人公との関わりが消えたってことか?……はっ?頭が、分からなすぎる。
「えっ!?何てことだ!」




