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転生したら第四王子だったので悪役令嬢をハッピーエンドにします  作者: 春香 光
第三王子キサラギ・リース
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悲しみと決意

 いつものようにスーツに手を通すと、肩や袖口が切られていてボロボロになっていた。

 それも、全部。


 毎日毎日、わざわざ私の家まで来て悪口を言う。

 助けてほしくても、そんなこと言えない。

 相手は、貴族の中でも、一番偉い方。親は婚約に賛成し、私もアイダ様のことが好きだった。


 もうこんな生活嫌だ。


 逆らうことをやめ、ドレスを着るようになった。




「それで今なんだけど……本当は、本当は、キサラギ様が私の婚約者になっていただきたい。私のことをしっかりっ見てくれて、優しくてかわいくて……どうかお願いします。」


 頭を深く下げられた。それでも、私は婚約者になれない。


「ごめんなさい。私にはもう心に決めた人がいるので……ユリ様とは親友でいたいのです。」


「そんな、でも、婚約者じゃないんですよね。じゃあ、私でも」


「婚約者になれなくてもずっとそばにいたいんです。」


「相手は、相手は誰だ!教えろ」


「それは言えないです。」


「っく、お前なんか。女の格好してキモイんだよ。目障り、もう消えて、2度とかかわらないで」


「……わかりました。」


 私は痛む頬を押さえて、泣きつくして枯れたはずの涙をこらえる。


「今までありがとうございました。さようなら。」


 最後の別れは顔を合わせることなく震える背中を向けた。





















 このことがきっかけで私は外では、人にかわいいものが好きと言わなくなった。

「私」も、女の子みたいだからやめた。


 家に帰ると、心配した顔の兄上が抱きしめてくれた。

 そこで、耐えてきたものが崩れていった。涙があふれ、けがの痛みを訴える。


「うー、痛いよ。っぐすっ。兄上……」


 兄上はさらに僕を抱きしめてくれる。暖かくてほっとする。


「何があったとかは聞かない。でも、キサラギを傷つけたやつを教えろ。」


「……それは言えません。」


「なぜだ。」


「兄上は人を殴るより、優しく撫でてくれるような方ですから。」


「あ、ああ。そうか。わかったよ。」


 兄上は優しく優しく頭を撫でてくれた。





「僕は、ユリ様が辛い気持ちだったことを気づいて上げられなかった。」


「話してくださり、ありがとうございます。その話、ナミキさんにも話した方がいいです。キサラギさんのことを1番心配しています。」


「そう、だね。」



 キサラギさんは、ナミキさんの元に走っていった。どこかスッキリとした表情で……。


 俺は、この恋が叶うか分からないけど、想いを伝えないと始まらない。











 ユウキさん主催の身内だけでのパーティー。


 「セレーナとは婚約破棄します。」


 悪い1歩が始まろうとしていた。


 


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