過去編2
次の年。
婚約パーティーに行くことになった。婚約の意味をしっかりと知り、より兄上のことを大事にしたいと思った。
「パーティーの衣装はこれだ。キサラギに似合うと思ってな。」
そうして渡されたのは、ブルーのスーツだった。
「かわいくない!私、ドレスが着たいの。」
渡されたスーツに文句を言うと、お父様は頭に?を浮かべて、私の背までしゃがむ。
「ドレスは女の子が着るものだよ。キサラギは男の子だからカッコイイスーツだ。」
「私はドレスがいい!」
「わがままを言うな。サッサと着替えてきなさい。」
無理やり部屋に入れられ、仕方なくお父様からもらったスーツに袖をとおす。
「着られたよ」
外で待っているお父様に声をかけると、部屋の中に入り目を輝かせた。
「おお、似合ってるじゃないか!」
でも、私はかわいいのがいい。
「嫌だ、私やっぱり……」
「ほら、行くぞ」
「……」
手を握られて、パーティー会場に連れて行かれる。
車内は沈黙。私は服を見てはため息をついた。
かわいくない。ドレスが着たかった……。
下を向いているとお父様が私の肩に手を置いた。思わずみあげる。
「キサラギ。……かわいい服、買ってやるが、外では絶対に着るなよ」
「やだー!外でも着る!」
「わがままを言うなら買わないぞ。」
「……わかった。」
パーティー会場に着くと、大勢の貴族たちが食事をしたり、談笑していた。
「キサラギも、誰かに話しかけなさい。」
「はい。」
カチカチの体でお嬢様方のそばに行く。
「初めまして、キサラギ・リースと申します。私も混ぜていただきたいです。」
「はい、喜んで。私はニコです。今は、どんな方がタイプなのか話していましたの。」
「そうなんですか。タイプ……」
私は、優しくていつも守ってくださる。笑った顔がかわいくて……
想像してにやけていると、会話に入れてくださったニコ様が話し出した。
「私は、やっぱり守ってくださる方がいいです!」
兄上の笑顔にはかなわないけど満点の笑みでい言う。
「私は、逆で守ってあげたいですね」
隣にいた男の子?が言った。
「ユリ様カッコイイ。男の方よりかっこいいです。」
ユリ様は女の子。でも、カッコイイスーツを来ていた。
「ドレスは着ないんですか?」
素朴な疑問で聞いてみた。
「かわいい服嫌いなので、カッコイイ服が着たいんです。」
びっくりした。私と同じだ。
「私もそうです!私の場合はかわいい服が着たくて」
「いいじゃないですか!」
「……ほんとですか!?」
嬉しくて思わず、ユリ様の手をとった。
「はい、見てみたかったです。」
そう言って笑うユリ様はカッコよくて、憧れの存在になった。
こんなふうになれたら、兄上も私のことを好きになってくれるかも。
パーティーが終わり、帰りの車でユリ様のことをお父様に話した。




