知恵熱と四季
頭がヒンヤリして気持ちいい。
目を開けると、タオルが額に乗っかっていた。誰が看病してくれたのかと頭をゆっくりと動かし、ぼやける視界に金色の髪が見えた。
「キサラギ、さん?」
「良かった。大丈夫?」
俺の首を触り、乾いたタオルで汗をぬぐってくれた。
「はい。すみません。」
「謝らなくていいよ。僕こそ、気づいてあげれなくてごめんね。」
「いえ。俺が変なことしたので……」
再び、気まづさが流れる。
「大丈夫か。アイラ!」
バンッ!とドアを壊れるくらいの勢いで開け、駆けつけてくれたのはナミキさんだった。
「ナッ、ナミキさん?どうしてですか?」
驚きで上半身を持ち上げる。
「キサラギの悲鳴が聞こえて、見に来たんだ。」
「そうなんですか?」
「だって、急に目の前で倒れるから。それに、体がすごく熱くて死んじゃうって怖くなったの!」
「まぁ、大丈夫そうならよかったが、キサラギを泣かせるなよ。」
「はい。」
そうして、ナミキさんは去っていった。
キサラギさんは、俺の体を支えてベッドに寝かせてくれた。
「すみません。この体が病弱で」
キサラギさんのせいではないことを伝えるために"この体"と言ってしまったけど、変に思われてないかな。
「いや、だから僕のせいでもあるから。」
タオルを取り、洗面器の中の水につける。
熱のせいで、一つ一つのことが敏感になりすぎてたな。心配してくれている、ちょっとうれしいかもな。
「とりあえず、僕は兄上の部屋で寝るけど何かあったら電話して。ここに僕の携帯を置いておくから。」
「ありがとうございます。」
新しいタオルが額にのる。ヒンヤリとして、俺から熱をゆっくり奪っていく。
「気持ちいい。」
「……良かった。」
それから、しばらくベッド生活になり、俺の熱が下がったころには俺の部屋は直っていた。
「俺がキサラギさんの部屋を独占してしまい、すみませんでした。」
「いいんだよ。熱はちゃんと下がった?だるさは?頭痛とか吐き気はない?」
「はい、大丈夫です!ありがとうございました。」
俺は自分の部屋に戻ると、部屋の隅で体育座りしている四季を見つけた。
「えっ、……四季?」
「アイラくん、やっと帰ってきたっすね。」
「ずっとここにいたのか?」
「はい。案内役って言ってもイベントが怒らない限りは何も言えないっすから。じっとしてたっす。」
「それは、すまない。」
「そうっすね。あんなに注意したのにまだ怒ってるっす。」
「ほんとにすみませんでした。」
腰を90度に曲げ謝るとくすくす笑い声が聞こえる。
すぐに顔を上げると四季が必死にわらいをこらえていた。
「四季……」
さすがにやりすぎ、怒りがこみ上げる。
「ご、ごめんっす。これでおあいこってことで聞いてほしいことがあるっす。」
「何?」
ふてくされながら答えると、四季は口角をひくひくと動かし、怖がりながらも言った。




